劇場公開日 2019年8月24日

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「【沖縄に心から寄り添い沖縄返還の陰の立役者となった男の半生と、沖縄の戦後史を描く一級品のドキュメンタリー映画、第二弾。改めて戦後の沖縄には凄い男が居たモノであると思ったドキュメンタリー作品である。】」米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【沖縄に心から寄り添い沖縄返還の陰の立役者となった男の半生と、沖縄の戦後史を描く一級品のドキュメンタリー映画、第二弾。改めて戦後の沖縄には凄い男が居たモノであると思ったドキュメンタリー作品である。】

2025年4月27日
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鑑賞方法:VOD

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■戦後、占領下の沖縄で米軍の圧政と戦った政治家・瀬長亀次郎が残していた230冊を超える日記を読み解き、妻フミや娘、父との断絶、支えた母や支援者たちの姿が浮かび上がる。
 そして、このドキュメンタリー映画を見ると、知らなかったコザ騒動の真実や、米軍の毒ガス撤去などが克明に記録されている。
 前作でも描かれた1971年の衆議院沖縄・北方問題特別委員会で首相・佐藤栄作と繰り広げた激論の記録映像もさらに詳細に収められてる、沖縄の戦後史を描く一級品のドキュメンタリー映画、第二弾。
<一部、今作のフライヤーより>

◆感想

・前作も相当に興味深く観たが、今作も沖縄返還の過程を本でしか知らないモノにとっては、大変に興味深く、且つ勉強になるドキュメンタリー映画である。
 煽情的にならずに、瀬長亀次郎の多数の日記のから伺える、彼の沖縄の民に無私の姿勢で寄り添う姿を語る多くの人達の言葉が尊い。
 そして、彼が如何に沖縄の民に愛され、信頼されていたのかが分かる選挙シーンなども興味深い。

・アメリカの数々の妨害に屈せずに、母の教えを守り、一筋に自分の信念を貫く姿にも、感銘を受ける。

・投獄時代に一心不乱に読んでいた、「レ・ミゼラブル」のコゼットの名で、可愛がっていた孫娘を呼ぶ姿などは、彼の温かい人間性を物語っていると思う。

・彼を支えた奥さんも立派だし、米軍の傀儡者たちに屈せず彼を支援した映画館経営者たちの姿も、実に尊い。

■上記の、1971年の衆議院沖縄・北方問題特別委員会で首相・佐藤栄作と繰り広げた激論の際の弁舌の舌鋒は鋭いが時にユーモアを含ませて、よどみなく首相に沖縄の民の基本的人権を守るように求める姿は、彼の方を知る人達が言うように、頭脳明晰である事が画面から伝わってくるのである。

<瀬長亀次郎のドキュメンタリー2作を一気に観たが、大変に興味深く、且つ面白い。そして、彼の方が如何に沖縄の民に愛されていた理由が、彼の穏やかだが、不撓不屈の鋼の精神から来ているのだと思ったモノである。
 改めて、戦後の沖縄には凄い男が居たモノであると思わされたドキュメンタリー作品である。>

NOBU
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