「今の僕たちにも繋がる問題」米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
今の僕たちにも繋がる問題
米軍が戦後沖縄に持ち込んだ民主主義によって、米軍統治が困難になり、更に、米軍が統治を放棄して沖縄が本土復帰することになったことによって、今度は米軍基地の返還が困難になった…そんな、パラドキシカルな状況…というような説明があったように思う。
民主主義とは、民意とは一体何なのだろうか。きっと教科書の答えは簡単そうだが、この「戦後沖縄」というメガネを通して見ると、沖縄県民の抱える問題は、普天間の辺野古移設にとどまらず、県民の生活そのものに関わる重要な問題だったことがよく分かる。
瀬長亀次郎さんはじめ、多くの人の尽力で自治の範囲は拡大するが、沖縄県民の実に4分の1の血を吸った大地に戦争の戦禍が二度と及ばぬようにとの願いは、本土復帰後にも存在し続ける基地で、まだ道半ばだ。沖縄県民の方には申し訳ないが、やはり、仲井真さんが知事在任中に辺野古移転を承認してしまったことが残念でならない気がする。
だが、この民意を問う闘いの意義は大きい。なぜなら、今、日本のあちこちで民意を問う動きが高まってるように思うからだ。秋田のイージスアショア設置については、先般の参院選でこれに反対する候補が自民党候補を抑えて勝利し、秋田選出の別の自民衆院議員も、これを無理だと表明した。横浜のIR誘致も実に横浜市民の90%が反対を表明している。皮肉なことに、この背後には菅官房長官がいる。菅さんは秋田出身で神奈川選出の議員だからだ。これが現在の自民党の実態で、一部の政権幹部による強権的なところが明らかだ。
僕たちは、沖縄の抱える問題に解決策を全て考えただろうか。基地を一気に失くすことできなくても、少しずつでも可能な方法もあるかもしれない。
跡地の普天間だって、国主導の国内企業と癒着したような話に乗るより、沖縄県主導で、海外資本に解放して、例えば、中東や、中国や、ヨーロッパや、アメリカ資本の施設が出来て、世界のあちこちから人々が訪れれば、そんなところに爆弾なんか落ちやしない。
それだって、立派な防衛だ。