マイ・サンシャインのレビュー・感想・評価
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その日ロスで起きた事
トゥ・スンジャのラターシャ射殺事件。ロドニー・キング殴打事件。二つの評決への不満が引鉄とされるロス暴動の日に起こった事を、ハル・ベリーのファミリーを軸に、第三者的視点で描いただけの映画でした。アフリカ系アメリカ人が、如何に生き難い国である事と同時に、その状況を致命的に固定化させているのもまた、彼ら自身である、と言う側面も描かれています。
邦題の意図が全く理解出来なくって、未だに頭混乱してる。Kings では、日本人にはチンプンカンプンと思った?マイ・サンシャインの方が、よっぽど訳分からん!
焦点がぼけてたな…。
なにを主題にしたかったのか。上映時間が短い割には家族やら人種差別やら恋愛やら詰め込みすぎてピンボケに。、にしても、根は深いのだろうけど自己主張と自分勝手が重なってみえるアメリカは微妙。
寛容と不寛容
トランプ政権以降出てきた「デトロイト」「スリー・ビルボード」などと同じで課題意識を感じる作品。「シェイプ・オブ・ウォーター」や「ゲットアウト」なども、この系譜に連ねてもいいかも知れない。
舞台は92年のロス・アンジェルス。スピード違反で捕まった黒人のロドニー・キングを、ロス市警の白人警官たちが路上でめった打ちにした。その現場を撮影したビデオがテレビで流れ、黒人たちの不満が高まる。ところが起訴された警官たちは全員無罪の評決。黒人たちの不満は爆発し、町で大規模な暴動が起こる。
こうした歴史的事実を背景に描いたのが本作である。
主演は容色衰えぬハル・ベリー(いくつなんだ、と思って調べたら52歳だった!)とダニエル・クレイグ。ジェームズ・ボンドとボンド・ガールである。
ハル・ベリー演じるミリーは、親の収監などで保護者を失った子供をたくさん引き受けて自宅に住まわせている。
ダニエル・クレイグ演じる隣人のオビーは、ミリーの家の子供たちが騒ぐ声に文句を言っている。
原題は「Kings」。ロドニー・キングが何人もいる、という意味だろう。町の黒人たちの不満が徐々に暴走を始め、それを取り締まる警察との緊張が高まる。そして、それは大規模な暴動へとなだれ込み、もう誰も止めることができなくなっていく。
そんな街に暮らすミリーを囲む子供たちの無邪気な笑顔が眩しい。
ミリーの示す寛容。
一方で、不寛容がどのような悲劇を生むのかが、対比的に描かれる。
20年も前の事件を描きながら、世の不寛容は変わっていないではないか?いや、むしろ悪くなっていないか?
本作は人々の生活のほんの先にある出来事を描く。「社会派」と呼ぶほど肩に力が入ってはいないが、投げかけるメッセージは深い。
シリアスな事件を扱っている中、ミリーとオビーのやりとりにはユーモアと温かさがあり、救われる。
観る方は、暴動が発生することは分かっている。そのため、この先、登場人物たちにどんなことが起こるのかというサスペンスが常にあって飽きさせない。
想像以上のカオス
ロサンゼルス騒動の時のサウスセントラルの様子を描いた映画。
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騒動の発端は、韓国系のコンビニの店員が黒人の女の子を売った事件と白人の警官が無抵抗の黒人を何度も殴った事件。映画中何度も裁判の様子(実際の映像かな?)が流れるんだけど、.
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警官のとか殴った映像あるのに左足だから利き足じゃないとか、黒人が自ら顔を出したとか訳の分からん弁護士の理屈が続く。左足とかじゃなくてもう殴っちゃってるのは事実だからね(笑).
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それで騒動中はそこらじゅうで爆発やら発砲やら。警官も普通に誰にでも銃向けるからね。日本って発砲しただけでも正しいのか議論になるのに(笑)まぁ銃規制してないもんなそもそもアメリカは。
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そして主人公の家族は混乱に乗じて子供たちが服盗んだりハンバーガーただで貰ったり、そしてダニエル・クレイグはパンツ姿で電柱登ったり。笑っていい時じゃないのに笑えてくるよね、カオス。
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ダニエル・クレイグかっこよかったけど、なぜそんなに優しいのだ(笑)最初はライフルぶっぱなつ怖いおっちゃんだったのに急に優しいからビビるよ(笑).
ダニエル・クレイグが観たくて鑑賞。
血の繋がらない子を家族として育てるミリー(ハル・ベリー)。その家族を通しロス暴動を描く作品。
隣人演じるダニエル・クレイグが良い。やっぱりイカれてる男似合う。ハル・ベリーも可愛かった…
途中謎演出あり笑
皆冷静さを失ってく様は怖いけど、ほっこり場面もあり重過ぎない。
ロドニー・キング事件
元の題名は"kings" ロドニーキング事件は知っていたが、ラターシャ・ハーリンズ事件は知らなかった。内容は大変切なかったが、2018年の映画「デトロイト」と比較して、色々な内容を盛り込みすぎ。救いは齢を重ねても美しいハル・ベリー。
いつも思うけど…
宗教と差別は、たぶん本質的に理解できないんだろうと思う。特に予備知識がないとさっぱり…。
なので、今回はWikipediaで予習した。
で、冒頭のシーン。
色々と思うところはあったけど、だからと言って、感想が良くなる訳でもなく…。
前半の発砲シーンは、とこにつながったなのだろうか?
そして、電灯のくだりは、仮に実話だったとしても必要だったのだろうか?
テーマと演出がミスマッチな気もした。
残念です…。
うーん、何とも。
ロス暴動の映画。あんまりそこ意識してなかっただけにここまでロス暴動どっぷりの映画だとは思わかなった。
子供たちの背景も引き取って育ててる理由もよくわからなかったし、白人が何故怒りまくっているのかもわからない。わからないだらけだけども、暴動のシーンはすごかった。なんだかねー。
集団と個人の混同が生む悲劇
アメリカの黒人差別はおそろしく根深い。綿花栽培の労働力としてアフリカから輸入されてきた歴史は我々も知るところであり、アメイジング・グレイスは讃美歌として夙に有名である。しかし差別の根深さは歴史だけに由来するものではないようだ。
勿論おぞましい差別の歴史も人々の心に染み込んでいると思うし、差別してきた先祖を正当化したい気持ちもあるだろう。しかしそれらを凌駕するのが、既得権益が喪失するかもしれない危機感だと思う。同じ意味合いで、既に既得権益が奪われてしまったり、黒人と立場が逆転してしまった怒りもあるだろう。アメリカ全土に広がるそんな危機感や怒りの感情がなくならない限り、黒人差別はなくならない。
一方で、差別されている黒人の中にはスポーツや芸能、政治や実業で成功する人もいるが、そうでない人々は貧しい生活から抜け出せず、中にはスラムやゲットーと呼ばれる地域に住んで常習的に悪事を働く人々もいて、黒人差別の格好の大義名分になっている。
本作品は言わずと知れたロス暴動を、個人の視点から描いた問題作で、ソーシャルワーカーみたいな立場の主人公の黒人女性が庶民の普通の感覚のまま異常事態に巻き込まれていく様子が上手に描かれている。
ロス暴動を簡単に説明すると、大勢の白人警官が寄ってたかって無抵抗の黒人男性を半殺しにし、その後の裁判で警官たちが無罪放免されたことで黒人たちの怒りが爆発して暴動に発展したものである。その背景としてあるのは、実は黒人差別だけではない。
多くの社会問題に共通する根本的な間違いが、個人と集団の混同だ。すべての人間を個人として考えなければならないのに、自分たちの側だけ個人としての尊厳を主張し、相手の側は白人とか、黒人とか、要するにひとつの集団人格として扱うところに、本質的な問題がある。鬼畜米英という戦前の価値観も同様であった。
この作品でも、黒人同士は互いに個人としての関係性を認識しているのに、白人は十羽ひとからげで白人として認識される。互いに相手をゴキブリみたいに捉えているのだ。しかし唯一、隣人であるダニエル・クレイグだけが、子供たちには白人や黒人という区別より前に隣のおじさんである。そこにこの作品の世界観がある。ハル・ベリーの演技もよかったし、奥行きのあるいい作品だと思う。
うーん、おしい
設定やストーリー自体は悪くないし、キャストも良かったと思う。しかし気になる部分が多々あり、面白いと納得できない感じ。暴動自体をそこまで掘り下げたいわけではない、あくまでヒューマンドラマを描きたかったのはわかるが、なんだろう..感情移入しにくかった。心理描写が少なかったのだろう。ハルベリーの子供たちへの心配、思い。隣人や少年の気持ちなどが伝わってこない。死んでしまった少年のくだりも悲しさがわいてこなかった。真面目に描いてるとは思うが、子供達が外に出てしまいテレビに写ってたり、二人が街灯に手錠をかけられ抜け出そうと奮闘するシーンは、正直どうみていいのかよくわからなかった。そういうシーンもあっていいかも知れないが。とにかく、見終わった後は「おしい」と感じた。
ボンド。ジェームズ・ボンド。
1992年に実際に起こった司法や警察の黒人差別事件を背景に、親のない子供を引き取って育てているハル・ベリー演じる黒人女性と子供たちが暴動に巻き込まれ、差別の実態を描く。
粗野な隣人が白人のダニエル・クレイグ。「フロリダ・プロジェクト」のウィレム・デフォーと違って、子供達を見守っているという感じはなく、ハル・ベリーと常に言い争いをしている。
黒人差別に対する不満の爆発を予感させる時代の中、長男役を引き受けているジェシーが、本当に根っからの良い子で、変なことに巻き込まれないで!と祈ってしまう。悲劇は、十代の黒人少女を撃ったのが韓国人というだけで韓国人を追っかけている中で起こってしまうが、冒頭、韓国人の経営するそのお店に入った十代の女の子は、確かに万引きをしていた。
ダニエル・クレイグは「ローガン・ラッキー」も良かったが、こういうコミカルな役が似合う。それにしてもハル・ベリーは年齢を感じさせない。
ロス暴動。(原題:KINGS)
ハル・ベリー扮する子供を匿い育てる女性と、どうやら文筆家らしいダニエル・クレイグ扮する口と行動は悪いが根っ子の暖かい男性。これ等が中心ではあるのだが、物語はあくまでもロス暴動に至るまでの経緯と、熱量。だもんで、先の二人や周囲への説明も最低限(というかほぼない)なので、視点によっては、ひどく雑でつまらない作品になりかねない。
そんな綱渡りの様な緊張感が徐々に渦巻きながら、暴動へと投げ込まれる。賛否は分かれるだろうが、個人的には良かったと思う。
それでも、夜は明けるけど…。
この国の警察は、優秀と云われますが、私達が、銃を所持するようになったら、同じでいられるでしょうか?。
街を守ろうと、必死で頑張った挙げ句、テンパったお巡りさん。その震えた銃口が、こちらに向くわけです。次の展開が読めません。予定調和型のアクション映画より、はるかに銃の恐怖が伝わります。
恐怖と暴力が、差別を生み出す世界。それを鉄砲が増幅する。冒頭の朝の風景が、夢のようです。銃が要らないって、それだけで、幸せなことなんですね。
カントリーソングみたいな邦題は、微妙ですが、新しい朝の光が、何をもたらすのか、是非皆様も、ご想像してみて下さい。可能な限り、今よりいい未来を信じて。
ここまで差別と暴力を描写されると、正直受け入れ難い。ただ、労働力と引き換えに採用された、例の法律が気になります。私達が、他者に理解を示さない限り、恐怖、暴力、報復の連鎖が、極東の島国でも、芽吹くかも。私達の未来、本作のスクリーンに、在りや無しや…。
もうちょっと突っ込んでくれ
扱っている題材は実話に基づくもので、それ自体が黒人差別の実態を物語る悲惨なものだった。日本でニュースを観ることしかできなかった者としてはあらためて苦々しい思いで観ることになった。
しかし、弾圧される黒人側も褒められたものではない。暴動・略奪の限りをつくしており、いくら生活環境の劣悪さゆえの反抗だとしても感情移入はできない。残念ながらこれが実態なのだ。憎しみと差別の連鎖は白人、黒人双方で拭い難く存在している。単なる白人糾弾ではなく双方に対して冷めた視点持っている点については評価できると思う。
主人公とその家族、隣人の男性との交流が重大事件を巡る裁判の経過と共に描かれており、途中で女性の男性への想いに変化が生じてきたところなどが場面挿入されてはいるが、どうも噛み合っていない。また、不当判決の後、暴動に代わってどのような運動が繰り広げられていったのかもわからない。
題名のマイ・サンシャインとは何だったのだろう?あれれ?という間に幕が下りてしまった。苦しい日々に空を見上げると明るい太陽が輝く、なんて映画のコピーじゃあるまいしベタ過ぎる。
焦点の定まらない、あるいは大きな題材を手中にして消化不良を起こした作品のように感じられた。
生きると言うこと
厳しい世相の中を生きるハル・ベリー扮する主人公の家族ドラマがメインで、それに隣人であるダニエル・クレイグが深く関わってくる優しい映画と思いきや、ロス暴動がストーリーの全体を主導。暴動に翻弄される家族それぞれの生き様が大きな見所となった力強い作品でした。
なんでもない日常が、抗えない流れの中で心までもがもみくちゃにされていく。止められない。守れない。黒人がどうとか白人がどうとか、そういうのを越えた精神性の深さを考えさせられました。
特に駐車場で2人に銃を向けた白人警官が胸の内を吐露する描写が印象に残ります。バーガーキングの店主が「火を付けたらみんなハンバーガーが食べられなくなる」と必死で訴える姿も印象的。
盗み殴り罵り・・・そもそもこんな世の中に誰がしたのか。銃を持つことの怖さが理解できないのか。身近で当たり前のような犯罪の中で普通に生きるって、それも小さな子供までもが。
銃の音を聞いたこともない平和な日本人には、やっぱりよその国の他人事として「映画」として鑑賞し、怖いね、大変だねって語るだけで終わる。それ以外には何もできない。でも知ってはおきたい、おくべき事実。胸に刺さる作品。
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