「寛容と不寛容」マイ・サンシャイン しろくまさんの映画レビュー(感想・評価)

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マイ・サンシャイン

劇場公開日 2018年12月15日
全34件中、9件目を表示
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寛容と不寛容

トランプ政権以降出てきた「デトロイト」「スリー・ビルボード」などと同じで課題意識を感じる作品。「シェイプ・オブ・ウォーター」や「ゲットアウト」なども、この系譜に連ねてもいいかも知れない。

舞台は92年のロス・アンジェルス。スピード違反で捕まった黒人のロドニー・キングを、ロス市警の白人警官たちが路上でめった打ちにした。その現場を撮影したビデオがテレビで流れ、黒人たちの不満が高まる。ところが起訴された警官たちは全員無罪の評決。黒人たちの不満は爆発し、町で大規模な暴動が起こる。
こうした歴史的事実を背景に描いたのが本作である。

主演は容色衰えぬハル・ベリー(いくつなんだ、と思って調べたら52歳だった!)とダニエル・クレイグ。ジェームズ・ボンドとボンド・ガールである。

ハル・ベリー演じるミリーは、親の収監などで保護者を失った子供をたくさん引き受けて自宅に住まわせている。
ダニエル・クレイグ演じる隣人のオビーは、ミリーの家の子供たちが騒ぐ声に文句を言っている。

原題は「Kings」。ロドニー・キングが何人もいる、という意味だろう。町の黒人たちの不満が徐々に暴走を始め、それを取り締まる警察との緊張が高まる。そして、それは大規模な暴動へとなだれ込み、もう誰も止めることができなくなっていく。

そんな街に暮らすミリーを囲む子供たちの無邪気な笑顔が眩しい。
ミリーの示す寛容。
一方で、不寛容がどのような悲劇を生むのかが、対比的に描かれる。

20年も前の事件を描きながら、世の不寛容は変わっていないではないか?いや、むしろ悪くなっていないか?
本作は人々の生活のほんの先にある出来事を描く。「社会派」と呼ぶほど肩に力が入ってはいないが、投げかけるメッセージは深い。
シリアスな事件を扱っている中、ミリーとオビーのやりとりにはユーモアと温かさがあり、救われる。
観る方は、暴動が発生することは分かっている。そのため、この先、登場人物たちにどんなことが起こるのかというサスペンスが常にあって飽きさせない。

しろくま
さん / 2019年1月18日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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