ラストレターのレビュー・感想・評価
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良くも悪くも想像通りの岩井俊二感
私は前作「リップヴァンウィンクルの花嫁」が大好きで、期待した岩井監督新作。
毎度の事だが演技や台詞がマンガ的で臭く、いまいち乗り切れなさは残るものの、特有の空気感はたまらない。
ノスタルジックな感傷に浸れる爽やかな秀作。森七菜が好演。
(2020/2/29)
瑞々しい女優
この程度の手紙で、泣けますか!
人生は小説のように作家の思い通りにいかない、でもだから面白い
手紙っていいな。アナログっていいな。
次届く手紙や、来週放送される連ドラの続きが気になって仕方がなかった、あのそわそわ囃し立てられる感覚が恋しい…
そんなノスタルジーに浸らせてくれる作品。だけどちゃんと今の時代を鋭く、だけども優しくあぶり出す作品。
テクノロジーの進化、とりわけインターネットやスマホにより便利になった世の中。世界中の情報は秒で手の中に入れられる。
でも実際に近くにいる人、いてほしい人の気持ちはそんな簡単に測れるものではない。
結局本当に大切なものは失ってからじゃないと気づけない。と学習していても、また同じことを繰り返している。それが人間。
『Love Letter』と同じく、ふとしたきっかけで送り合うことになる手紙のすれ違いが生む、関わる人たちの運命的な人生の交錯。
それが絶妙にもどかしく、甘酸っぱく、ほろ苦く、微笑ましい。
その巡り合わせだけでも十分ドラマになると思った矢先、その過去に隠された出来事が展開を動かしていく。
最後まで心をぐるぐる動かされながら、ラストにはしっかりじんわりと目頭と胸を熱く締めつけてくれる。
そして慰めと希望を与えてくれる。そんな温かい映画だ。
それこそ『Love Letter』や『打ち上げ花火〜』『PicNic』『スワロウテイル』など独自の世界観でヒット作を生み出していた頃からしばらく離れてしまっていたが、天才・岩井俊二は健在だ。
ロマンチックが止まらない
ガーリー映画
時間軸の見せ方
「泣いた」
今年19本目。
フォローしている方のレビューが☆5.0で今日レビューを拝見しましたので、この映画館最終日に滑り込みで行けました。前から行きたかった作品。
内容は複雑に絡み合った人間関係が好きです。
最初の方は「これどうなっているんだろう」と頭を回転させながら、簡単には内容が理解出来ない作品を好みます。正に今作がその映画。
福山雅治が「マチネの終わりに」が凄い良かったので、今作はどんな演技を見せてくれるんだろうと、特別な演技でした。
実は好き程ではない俳優さんだったんですが、「マチネ」から完全に好きな俳優になりました。
松たか子さんも流石。アカデミー賞でアナ雪2の歌唱をしたのも記憶に新しいですが、やはり演技で魅せます。
広瀬すず、森七菜も本当に良かった。
泣くのが鉄板の映画だと思っていましたが、やはり涙が頬を伝いました。
Wレター
裕里(松たか子)・未咲の娘・鮎美(広瀬すず)の両方から鏡史郎(福山雅治)にレターが届くこと、鏡史郎がそれらに返信し続けていることは不自然だろう。未咲の死の直後の同窓会通知となりすましスピーチ・それを裕里とわかっていて追いかけたバス停で指摘しない鏡史郎に疑問あり。裕里には例えば未咲への嫉妬心を背景にした鏡史郎へのストーキングなどダークサイドを強調した別の役回りがあると良かったようにも思う。松たか子なら上手く演じられる。
ノスタルジック
生きているのが苦しくなったとき~この場所を思い出すのでしょう。
手紙がつなぐ人生の
きらめきと儚さを
体験する話でした。
光が織り成す美しいシーンと
ノスタルジックな世界観の
ストーリーで
直ぐに作品に吸い込まれました。
中年になっても
あの頃に繋がろうとする
鏡史朗の思いが、
少しあぶなくみえたり、
純粋に見えたりですが
遠い過去の人に
とらわれてしまったり、
何気ない誰かの言葉が
その人の
人生を決めることは
本当にあることです。
鏡史朗が小説家になったように。
だけど
幸せに暮らせず
深みにはまった話には
他人事には
思えませんでした。
そう、これも本当にあるし。
この作品が凄いと
思ったのは、
時間軸のつなぎの妙で
無限の可能性を感じたあの頃を
切り取り
わずか数時間に
表現してしまう凄さかな。
もし、
ああしていたら
という思いを
観る人を誘うようです。
誰もがもつ
大切な時間の引き出しを
開いてくれます。
おすすめ。
ノスタルジック
全体的に何処か昔懐かしい感じがする映画。
今はあまりされてはいない手紙のやり取りで、そんなに多くは語ることはないが、鏡史郎と美咲の関係と裕理の切ない恋が懐かしく、そして悲しく描かれた作品であった。
運命の出会いであったかもしれない二人に何があったのか?そこも多くは語られない所が見ている側に様々な想像をさせる。
なんとも言えない気持ちにさせる内容でした。
見終わって、思った事は映像から感じる安心感と様々な想像を掻き立てる悲しみを合わせ持った映画という印象。
主人公の何処か日常の自分に本当は満足していなくて、少し現実から離れる事が出来る手紙のやり取りの中から様々な感情を想像させる。
松たか子の演技力は見事でした。
福山雅治、神木隆之介に関しては非常似ているって印象を受けるほど、お互いの役にリンクし合っている所も一つの見所であると思う。
また若い二人の女優広瀬すずと森七菜は共に一人二役の難しい役をこなしていた。
広瀬すずは最早一流と言われる女優、凛として堂々とした役と何処か物悲しく、幼さの残る役回りを見事に演じ分けていたのは流石。
森七菜の自然な振る舞いで自由奔放に演じている様に見える演技は大器の片鱗を覗かせる。
この二人を非常に美しく撮っている岩井俊二監督は先見の明ありだと思う。
また豊川悦司や中山美穂を出演させるあたりもさすが岩井監督。
様々な思いを感じる事が出来、岩井俊二監督ファンならずとも懐かしさを感じ、見る側が想像を掻き立てる素晴らしい映画。
今この時代だからこそ見ておきたい作品の一つと言っても過言では無い。
一つ一つ綺麗に描いてる
岩井俊二に慣れていないから…
予告編と違う印象を受ける。最近の映画ではよくあることだからしかたないけど。松たか子演じる大人になった妹の演技は意外とコメディテイスト。後半は福山雅治の切ない思いを前面に泣かせにくるという構成。
でも違和感を覚えるところがいくつかあって、気持ちが乗らないまま終わってしまった。送別会に姉として参加、妹と気づいていたくせにずっと恋してたってメッセージ送信、筆跡の違う2種類の手紙、姉の結婚相手・恋に落ちた経緯など。40歳を過ぎた姉の姿はなく、大学時代の写真で済ますあたり、切ない初恋の思い出がかすんでしまうからなのか?岩井さんって若い女の子が好きなんだなーとは思った。
映像がキレイだったし、演じている俳優さんたちもよかったのでなんとなくいい映画だったなとごまかされてしまった感じがする。それって悪いことではないんだけど戸惑った。ラストレターって結局どれのこと?とか無粋なこと思ってしまう。あー、やっぱり岩井俊二に慣れてない!
始まりは、高校の同窓会から始まった。
やっと福山雅治がキマった気がした
夏の匂いがした。
岩井俊二監督お得意の叙情的作品。
相変わらず匂いを届けられる唯一無二の監督だと思う。
松たかこの浅ましさ、小賢しさにイライラする。
広瀬すずはいつまでこんな純真な役ができるのだろう?
神木隆之介、まだ高校生できるなんて凄いよホント。
しかし今回、一番推したいのは、
なんと福山雅治。
いいじゃん!すごくいい!
やっぱりこの人、かっこいいとか賢い人の役より、
こういったしょぼくれたおっさんの方がよく似合う。
豊川悦司とのシーンもすごく良かった。
沼にズブズブになりきれない中途半端な感じ、
すごく良かった。
やっと会えた未咲の前でボロボロ泣くシーンでもらい泣きした。
いい、やっとハマる役に出会えた福山がとにかく良かった。
中山美穂のずべずべもすごく良かった。
もう2度と利発だとかかっこいいとか美しいとかの役なんてやらなくてもいい。
こういう系の女優さん、すごく少なくなったから、
そこに中山美穂、最高!
とにかく岩井俊二ならではの色、匂い、キャンスティング、そしてオチ。
どれも素晴らしかった。
嫉妬に狂った庵野パイセンを生暖かい目で観られたしw
短く評価/是非観てください
すべての人 すべての年代の人へ
本日私たちは、卒業の日を迎えました。
高校時代は私たちにとって、おそらく生涯忘れがたい、
かけがえのない想い出になることでしょう。
将来の夢は、目標はととわれたら、私自身、
まだなにも浮かびません。
でも、それでいいと思います。
私たちの未来には無限の可能性があり、
数え切れないほどの人生の選択肢があると思います。
ここにいる卒業生、ひとりひとりが、今でも、
そしてこれからも、他の誰とも違う人生を歩むのです。
夢を叶える人もいるでしょう。
叶えきれない人もいるでしょう。
つらいことがあった時、
生きているのが苦しくなった時、
きっと私たちは幾度もこの場所を思い出すのでしょう。
自分の夢や可能性がまだ無限に思えたこの場所を。
お互い等しく尊く輝いていたこの場所を。
丁寧な映画、だったけど
大好きな岩井俊二監督の新作。ずっと観たくて観たくて観たくて、やっと叶えられた鑑賞。日が経つにつれて期待で気持ちが膨らみすぎたかもしれない。それはちょっと、良くなかったかもしれない。
丁寧な言葉と場面の積み重ねで、私の好きな岩井監督の雰囲気は健在だった。途中何度も刺さる台詞もあった。俳優さんたちの自然体に見える演技も光っていて、素晴らしかった。音楽も心地よくて、映像の美しさと相まってノスタルジックだった。とにかくすべてが丁寧な印象を受けた。
ただ、ただ。どうしても自分の、俳優さんへの好き嫌いの気持ちが鑑賞の邪魔をした。苦手だと思う人が主要人物を務めていて、それだけでどこか冷めた目線で画面を眺めている自分がいて、悲しかった。岩井監督作品で初めて感じてしまった気持ちだった。こういうのって、乗り越えられるのだろうか…。
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