「ノスタルジック過ぎて合わない、自分的見どころは「天気の子」森七菜の瑞々しい・あやうい美しさだけかも」ラストレター Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
ノスタルジック過ぎて合わない、自分的見どころは「天気の子」森七菜の瑞々しい・あやうい美しさだけかも
岩井俊二 監督による2020年製作(121分)の日本映画、配給:東宝。
高校時代の初恋相手を題材に小説を書き、今も続編を書こうとして書けていない男(柿木隆之介〜福山雅治)の物語。
その相手が未咲(広瀬すず)で、2人は大学時代付き合ったこともあった様だが、彼女は得体の知れない男(豊川悦司)と結婚し子供ももうけたが、夫の暴力に苦しんで自殺してしまう。彼女の娘(広瀬すず)により、彼女が自分に送った手紙(小説の書けたところを時々に送る)を宝物の様に扱っていたことを知り、再度創作意欲をもらう。ということで、加えて未咲の妹と娘の物語も在るが、骨格とする部分は岩井監督の私小説の様にも思える映画。
何て,ノスタルジックな映画なんだ。こんな自分好みの映画を有名俳優用いて作れるとは羨ましい限りとは思ったが、個人的にはストレート過ぎる脚本で好みではなかった。未咲の妹の祐里(森七菜〜松たか子)にも高校生時代からずっと変わらず慕われているという。事実かも知れないが、モテすぎて自分的にはつまらないし、娘の鮎美(コレも広瀬すず)も好意を持って接してくるのもいただけない。お前のせいで母は自殺したとの糾弾があってもおかしくないのに。
とは言え、新海誠監督「天気の子」ヒロインだった森七菜(2001年生まれ)のみずみずしさには感心させられた。主題歌まで歌ってて、その声も含めて、その時にしかないあやうい美しさを見事に監督が切り取った様に思えた。また庵野秀明のキャラクターも上手く活用していたし、昔ファンだった水越けいこ起用も嬉しかった。
監督岩井俊二、原作岩井俊二、脚本岩井俊二、製作市川南、共同製作岩井俊二、 千葉伸大、 杉田成道、 村松俊亮、 宮崎伸夫 、広田勝己、 森田圭、 舛田淳 、長谷川晋一、 永田勝美、 吉川英作、 林誠 、石垣裕之 、田中祐介、エグゼクティブプロデューサー山内章弘、企画
川村元気、プロデュース川村元気、プロデューサー水野昌、 臼井真之介、撮影監督神戸千木、美術都築雄二、 倉本愛子、スタイリスト申谷弘美、編集岩井俊二、音楽小林武史、主題歌
森七菜、主題歌(作詞)岩井俊二、主題歌(作曲)小林武史、キャスティング田端利江、プロダクション統括佐藤毅。
出演
松たか子岸辺野裕里、広瀬すず遠野鮎美/遠野未咲(高校生時代)、庵野秀明岸辺野宗二郎、森七菜岸辺野颯香/遠野裕里(高校生時代)、小室等波戸場正三、水越けいこ岸辺野昭子、木内みどり遠野純子、鈴木慶一遠野幸吉、豊川悦司阿藤陽市、中山美穂サカエ、降谷凪岸辺野瑛斗、矢部太郎郵便局員、神木隆之介乙坂鏡史郎(高校生時代)、福山雅治乙坂鏡史郎。