「同窓会に行ったことのない私が姉のフリして鑑賞」ラストレター 座席で寝太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
同窓会に行ったことのない私が姉のフリして鑑賞
公開前に予告を観て、絶対に観に行こうと決意。
あまりにも楽しみにし過ぎた結果、二月になってしまったので急いで観に行きました。
青春時代の初恋だとか人間関係だとか、そういう甘酸っぱくも苦い思い出を全てブラウン管を通して経験してきた私にとって、この映画あまりにも眩しすぎました。当然、同窓会に呼ばれたこともないし、恋人も姉も子もいない。でも、そんな私でもわかることがある。
イケメンは正義ってことだよ!!
福山雅治だから何とかなったけど、私が乙坂役だったら最初のバス停の時点で詰んでたからな?本来はこの役こそ庵野監督に演じて頂くべきところでしょ。「夜にバス停で女性に声を掛ける」「住所の家に来ちゃった」「人の家のポストを漁る」「廃校内を徘徊」「女子高生の写真を撮る」、どれをとってもヤバい画にしかならなかったはず。だって福山&神木というイケメンで好感度の高い俳優ですら、「シンプルにヤバいやつ」の香りがビンビン出ていましたからねw
個人的には、優しすぎたかなと。
ストーリーについてですが、これだけ素材が揃っているだけに不完全燃焼感がありました。広く一般に楽しんでもらえるよう、マイルドにしたのかな?やはり、全体的にもう一歩踏み込んでも良かった気がしますね。おそらくその辺りが、未咲の人物像をイマイチ掴みきれない理由だと思います。ただ、もう一歩踏み込むと人間としての暗い部分なども浮き彫りになってしまうので、この作品にとってはこのぐらいが丁度良いのかも。
映像はとても良かったですね。語彙が無いので適切な表現が出来ませんが、「田舎の祖父の家の匂い」みたいなものを感じました。男の私ですら観ていて飽きない福山雅治の演技。そして、21歳とは思えないほど自然な女子高生を演じた広瀬すず。他のキャスト陣も含め、映像が良かった。
鑑賞前は「人間関係がごちゃつくラブストーリー」だと考えていたのですが、実際はストーリーが薄味で、キャストの演技と映像と音楽で真っ向勝負してくる、抜群の雰囲気映画でした。