劇場公開日 2020年1月17日

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「切ないけどハッピーエンド」ラストレター いたやんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0切ないけどハッピーエンド

2020年1月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

【あらすじ】
同じ高校に通っていた乙坂と遠野姉妹による25年越しの物語。岸辺野裕里が姉、未咲の死をきっかけに出席した同窓会から全てが始まる。裕里は姉に勘違いされ、乙坂と連絡をとることに。最初はスマホで連絡を取り合っていたが、夫にスマホを壊されることで手紙でのやりとりが始まる。
乙坂は手紙の差出人が裕里であることに気づいており、初恋の相手であった未咲に会うために宮城にやってくるが、ここから様々な過去が明らかになる。回想シーンでは、乙坂と岸辺野姉妹との間で交わされた手紙を巡るやり取りが描かれている。
最終的に乙坂は未咲に何があったかを理解し、岸辺野姉妹の娘である鮎美と颯香に出会う。ここで更に、未咲が高校時代に乙坂から送られた手紙を宝物として保管していたことが明らかに。乙坂が未咲を思う気持ちが、鮎美が母親を失った喪失感、颯香が直面している思春期ならではの悩みを和らげる。乙坂は親子共々に影響を与える。未咲の思いを知った乙坂は小説家としての道に再度挑戦することを決意する。

【感想】
もし自分が結婚していれば未咲を救うことができたのか、、乙坂にはそのような思いが芽生え、たまらない喪失感を背負ったと思います。しかし未咲の人生に少なからず影響を与えていたことに気付き、救われる(阿藤には「影響を与えていない」と言われたが)。そして乙坂が救われたことで、裕里、鮎美、颯香も救われる。切ない気持ちになりますが、最後は幸せが伝播される様子が描かれており、見事なハッピーエンドでした。SNSがこれだけ普及した時代だからこそ、「手紙」を中心とした物語に惹き込まれました。
未咲が高校の卒業式で読み上げた文章が冒頭と末尾で2回聞くことができますが、2回目は全く違った観点から聞くことができます。
広瀬すずと森七菜は娘役を演じつつ、回想シーンでは自身の親達を演じるというキャスティングは新鮮でした。娘達は母親に影響を受けているという背景があるからこそのキャスティングなのでしょう。

いたやん