「手紙っていいね」ラストレター aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
手紙っていいね
素敵な映画だ。圧倒的に練り込んで設計された建築物を見ている気がした。岩井ワールドと言ってしまえばそのままなのだが、爽やかさの中にどこか湿度の感じられる映像が、なぜここまで綺麗に撮れるのだろうと思う。この美しい物語が、2時間ですっかり脳に浸透して、「拝啓 乙坂鏡史郎様…」予告編に出てくる広瀬すずのこのセリフを思い出すだけで、条件反射に涙が出そうになる。
配役も絶妙。広瀬すずと森七菜が、姉妹といとこの二役でこれがストーリーに強烈に効いている。広瀬の圧倒的な演技力は言うまでもないが、森のみずみずしい雰囲気は「打ち上げ花火…」の奥菜恵を思い出した。松たか子も好奇心旺盛な妹がそのまま育った感じがして、役どころを抑えていた。神木隆之介が成長したという設定の福山雅治の男っぽくない役柄も、イケメンを抑え込んで板に付いてた。豊川悦司と中山美穂が、2人で出てるだけでニヤけてしまうとが、これはファンサービスですかね。
さらに、音楽もまた作品のピースとして重要。旋律がじわりとくる。とにかく清涼感たっぷり。誰かに手紙を描いてみたくなる素敵な作品です。
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