「くぅ〜」ラストレター Appleさんの映画レビュー(感想・評価)
くぅ〜
拝啓
レビューを読んでくださる皆様。
ネタバレ注意(かも)
考えさせられます。
あの時こうしてればよかった、ああしてればよかった。後悔してももう遅いかも知れない。「お前のせいじゃない。お前には関係ない。」そう阿藤のセリフを聞いた時に、ハッとさせられた。確かにそうだ、鏡史郎に何の責任もない、ただ縁が無かっただけなんだ、と。けれど鏡史郎の身になって考えてみた時に、裕里に「あなたが結婚してくれれば。」と言われたように、自分が結婚していれば、と思ってしまい、どこか他人事では済ますことができないのも事実だと思う。しかも、今更なのだ。美咲亡き今、鏡史郎にはどうすることもできないのも事実で、「もう少し早く来てくれれば。」そう言った鮎美の言葉にもあるように、あとの祭りなのだ。それでも人間は後悔する生き物だ。だからこそ、後悔をバネに、活力にして生きていくことが必要なのだと強く感じた。この作品で言えば、報われなかった美咲の分まで生きなければならないのだと。岩井監督が伝えたいこととは違うと思うが、自分はこう感じた。
果てさて、ここからは殴り書きしますか(笑)
なんと言っても冒頭からの鮎美と楓香(そよか)の掛け合いは見応えがあった。本物の親戚なのではないかと思うくらい良かった。最初に「話し相手ぐらいなら...」と控えめに言っていた楓香だが、時が進むにつれて次第に明るくなっていく鮎美を見ると、楓香はその言葉以上に役割を果たしていて良い従姉妹だなととても感じた。
そして、その鮎美の繊細に変化する感情を完璧に表現した広瀬すずさんがまた素晴らしかった。インタビュー(エンタメステーション)にもあったように、子どもだから時には母の死を忘れ楽しみ、時には思い出して悲しみ、という気持ち。次第に明るくなっていく気持ち。全てをしっかり表現するのがどれだけ難しいことか。そんな全てを表現できるすずちゃんを心から尊敬します。
森七菜ちゃんは大好きなすずちゃんにべったりくっつけてさぞ嬉しかったことだろうなぁ! (笑)
鮎美と楓香、鏡史郎と裕里、裕里と宗二郎、美咲と鏡史郎と言ったペアでシーンが組まれているような感じがなんとなくしたが、それぞれがお互いに素を出している感じがして、観てて安心感を覚えた。
それぞれの会話や行動を見ていると『映画』というよりかはなにか『ドキュメンタリー』を見ているような感じがした。それほど現実味があって、物語に入り込める作品だった。
電子媒体が普及している現代社会において、紙媒体を主とした作品を観るというのは何か新鮮な感じもあり、懐かしい感じもあり、登場人物の恋模様もそうだが、手紙、文通というところにロマンを感じた。新海誠監督の岩井俊司ほどロマンティックな作家を知らないという言葉がなんとなくだが、わかったような気がする。
もう一回観たい!面白かったぁ!
というよりかは
もう一回味わいたい。深いなぁ。
という感じでした。
皆さんもご覧になればすずちゃんが2回観て、寝ても余韻がある、その言葉の意味がわかって頂けるのではないかと思います。
ぜひご覧ください!
拙い文章読んでいただきありがとうございました!
手紙書こ!!!!
敬具