「天才アーティストの無名時代とNYのアートシーン」バスキア、10代最後のとき バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
天才アーティストの無名時代とNYのアートシーン
バスキアのドキュメンタリー、というよりも、バスキアを輩出した1970年代のNYのアングラアートシーンを、当事者たちが振り返る群像劇のようにも見える。なにかをやらかしたいという無名の若者たちがNYのダウンタウンに集まって、そのエネルギーを嗅ぎ分けたかのように現れたバスキアが、次第に注目される存在になっていく。ほぼ、関係者のコメントで構成されているが、当時のリアルを知る彼らがストリートの躍動感を伝えてくれる貴重な証言集として楽しめた。映画側から言えば、ジャームッシュやヴィンセント・ギャロといった才人たちがすごく狭いエリアに棲息していたという梁山泊のような状況にワクワクせずにいられない。
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