37セカンズのレビュー・感想・評価
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タイトルの意味
生まれた時に37秒呼吸が止まっていた為に脳性麻痺の障害者となってしまった23歳のユマ。臆する事なく1人で電車に乗り、仕事に出かける。
仕事は友達の漫画家のアシスタント。といってもほとんどはユマがアイデアを出して絵も描いている。友達はユマが障害者であることを蔑んでいる様子。いいように利用し、給料も搾取する。なんて奴😤
なんとか漫画家としてデビューしようと売り込むが、なぜアダルト路線?ちょっとそこは謎だけど、編集長に「経験あるの?経験してからもう一度描いて見せて」と言われて、、、なんとか経験しようと奮闘するところが凄い!出会い系で数人とデートしたり、夜の街で買春したり、普通の若い女の子だってなかなか勇気がないと出来ないのに、車イスに乗って1人でガンガン突き進む!
大したもんです!結局願いは叶わなかったけど😣
ユマは自分の身体とちゃんと向き合い、自分のやりたい事を叶えようと努力する。必要な時はひとの手も借りるし、娘が心配でたまらない母親とも普通の親子の様に喧嘩もする。常に前を向いている。
母親と喧嘩して家出した事で、会ったことのない父親に会いに行って、知らなかった家族のことがわかり、ユマはひとつ成長する。
あぁ〜、自分も頑張らないとなぁ、て気分にしてくれる映画!
ポスターちと補正かけすぎでは。
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生まれる時に37秒間息をしてなかったため、脳性麻痺が残った女性がエロ漫画の編集者に経験が必要と言われて、風俗に行ってみたり、夜遊びを知ったり、離婚した父親に会いに行ったりする話。
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主人公ユマは私と同じ23歳(あ、もう誕生日迎えたから同い年じゃない。。)だけど、お母さんがチョー過保護で、出かける時は基本送り迎えか、1人で出かけるならワンピースを着てくなとか、ご飯を切ってあげたり、服をぬがせてお風呂に入らせてあげたり。
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障害があるからある程度人の助けも必要だけど、自分の着る服までお母さんに指図されるのはユマの自尊心を奪ってるようなものだと思う。ユマの面倒を見すぎて何もさせないことで、逆に主人公から全て奪ってしまっているなと。
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私は、自分の選んだ自分好みの服を着て外に出歩く時、たとえ誰かに合わない日でもとっても気分が良い。しっかり前を向いて歩けて、すれ違う人に笑いかけれるような感じ?それ辞めさせられてダサい服着させられたら、そりゃ俯いてばっかだわ。
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途中知り合う介護士をしてる俊哉がユマの旅路にひたすらついて行ってくれるんだけど、基本的に何も言わない。ただ優しい眼差しで見つめてるだけ。それ以上でも以下でもない。その距離感がちょうどよかった。
障害者の見る目が変わる
障害者は可哀想
障害者はネガティブで暗い
障害者は暗い生活を送っている
障害者は健常者を妬んている
などなど、勝手に障害者にネガティブな暗いイメージを持ってしまっていた私を激しく叱りたい
乙武さんも明るく元気だった事をレビュー書いていて思い出しました
障害者であることを受け入れた、明るくポジティブな主人公
申し訳ないが、主人公は正直可愛くはない
なのにどんどん、その笑顔が可愛らしく見えてくる
明るく健気で、そして嫌な事があっても負けずに、夢に向かって頑張る主人公に自分も負けずに頑張らなくっちゃいけないな、って元気もらいました
障害者である主人公の愛が、周りの人に前向きに生きていく勇気と元気を与えていく様は見事でした
「私で良かった」
今の私にこの言葉が言えるのか?
考えてみたけと無理でしょうね
主人公に比べたら、人としてなんて駄目なやつなんだ
なんという名作映画なんでしょうか
2021自宅鑑賞4
構成と脚本の巧さ
障がい者の心はキレイだ
普通とはなにか。障害こそ大きな1つの経験
仮に人生100年だとすると、36,500日…876,000時間…52,560,000分…3,153,600,000秒。こう見ると長くてもそんなものかと感じる。そのうち、たった37秒の違いだけで人生が変わってしまう。それは残酷なようで、生ものであるから当然のことでもある。
本作の主人公は「障害」というものを持ってしまったが、どちらが幸せかは分からない。「持ってしまった」という表現も適切ではないだろう。人生は多元的で選択の連続で、結果論でしか測れないから。そしてそれも人それぞれの価値観次第。
障害者の役を健常者が演じても意味がないという監督の意向で、一般公募により約100人のなかから選ばれた演技未経験者が主演を務める。そのためとてもリアリティがあり独特の世界観をつくり出している。身体を張った演技も素晴らしい。
しかし決してドキュメンタリーになるというわけではなく、しっかりとしたフィクションの物語として仕上がっていることがこの映画が評価される1つの理由だろう。
おしゃれな照明とカメラワークに、アニメと音楽でポップに演出することにより、重たくなりそうな「障害」というテーマも親近感を持って自分ごととして観ることができる。
セックス経験がない漫画家がアダルト漫画を描けないように、何事も人生経験が糧となり、「障害」とはそのなかでも大きな経験のひとつだと言える。だからこそ見られる世界も、できることもある。
普通とはなにか。それぞれに良い部分も悪い部分も、善と悪も持っているのがリアルな人間だし、その生々しさが多様性であり、人生を豊かにするはず。
これは社会問題として捉えるのではなく、か弱くも強いひとりの女性の葛藤と成長の物語として観てほしい。きっと背中を押してくれるだろう。
娘も母も
「障がい者と性」から「普遍的な自己同一性の獲得」へ
タイトルになっている37秒は、出生時に37秒間呼吸が止まっていたことにより、脳性麻痺という病気、障がいをもつことになったところか、つけられたタイトルという前情報だけで視聴しました。一見の価値ある作品になっていると思います。
始まってすぐに気付く、主人公とおぼしき登場人物の声のか細さと背中の曲がり方。実際に脳性麻痺をもつ方をオーディションで選んだということですが、素晴らしい演技でした。脚本を初めて見たときにどういう印象を抱いたのか、インタビューなどを追ってみたくなりました。
主人公の車椅子から見える視点に合わせて、カメラも全般的に下から撮っている演出が良かったです。彼女が見えている世界を追体験できるような作りになっていました。
さて、始まって数分で、母親がいないといわゆる当たり前の生活を当たり前に送ることが難しいということが示されていました。お風呂に入るシーンは普段触れたことがない世界だからこそ本当に衝撃的でした。四つん這いになって服や下着を脱がせていき、抱き抱えるような介助を受けながら入浴へと移るシーンで、背筋がピンと伸びるというか『障がいを利用したお涙ちょうだいもの』とは一線を画するものだと観る側に印象付けます。
ただ、その後のシーンを観ていると母親のが過保護的で、ゴーストライターとして活躍している描写などから、主人公が自立を願っているということがわかってきます。全て思うようにいかなくとも、自分でできること、自分で選べること、自分が承認欲求を満たせることについてのしがらみというか偏見というか不自由と向き合っているんだなということがわかってきます。
そこからいわゆる「夜の街」に行く流れとなっていくのですが、そこでは結構すんなり受け入れられてるんですよね(性行為の失敗はあれど)。コロナ禍でいろいろと言われている夜の街ですが、実はこういう人間味というか温かさはこういうところの方があるのかなと現実とリンクさせながら見れました。
後半からは、そこからパーソナリティーというかアイデンティティー(自己同一性)を獲得していくために、自らが進んで行動をしていきます。この展開については賛否両論あるんだろうと思います。綺麗事と見えても致し方ない、ましてや当事者をキャスティングして当事者にセリフを言わせているわけですから、その重みはややノンフィクション的になるからこその難しさ。『もし1秒でも早く息を始めていたら…』『私で良かった…』というセリフを主人公目線で観ていたら、素直に感動できると思うのですが、自分は途中から母親目線や別の血縁者目線(ネタバレになるので少し遠回しにします)で観てしまったので、全てに頷けるというわけではありませんでした。でも、『私で良かった…』というのが諦観ではなく、前向きに捉えられるプロセスを丁寧に描いているのには好感を持ちました。決してこの物語は、障がいをもつ人たちだけじゃなく、自分が自己同一性を獲得していく普遍的なお話へと昇華させていっているのはお見事だと思います。
ゴーストライターをしていたビジネス相手と最後どうなっていくのかは語られませんでしたが、全般的に主人公以外は成長しているわけではないように見えたのが残念。結局1番変わっていくのは当事者なのかなと思ったりして。ただ、最後の母親の抱き締め方がそれまでと少し違っているあたり、母親はこれからどう関わっていくんだろうと考えさせられました。
今作で1番許せなかったのは「性経験がないと良い性的漫画は書けない」という思考が至極当然のように編集者の間にまかり通っていると分かったところです。現実はそうでなければ良いですけど。
重ねてにはなるけど、観る価値のある一本だなと思いました。
障害を持った主人公だけど、それはひとつの個性でしかないという姿勢の...
正直きつかった
輸出したい日本映画
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