「アベンジャーズは終わらない、トニーが託したもの!」スパイダーマン ファー・フロム・ホーム だいふくさんの映画レビュー(感想・評価)
アベンジャーズは終わらない、トニーが託したもの!
『アベンジャーズ エンドゲーム』の衝撃からまだ抜けきれない中、正式な続編として大抜擢されたのはスパイダーマンです。完全にこの映画自体が、エンドゲームのネタバレになってしまっていますが、観終わった率直な感想は、楽しい!の一言!ちょっと最近のMCU作品は重めな暗めなストーリ展開が多かったのですが、軽いノリの本作が不安感も覚えず純粋に楽しめました。登場人物が全員個性的で愛らしいキャラなのも魅力的です!何度笑ったことか。
ヒーローとしてエンドゲームのショックを引きずっている、スパイダーマンことピーター・パーカー。しかし彼はまだ未成年で楽しい学生生活を送っている最中なのです。遊びたい、恋したい盛り。そんな中で、トニーから託されたアベンジャーズとしてヒーローとしての自覚は彼に重くのしかかり、すぐに持つことはできないのです。本作ではスパイダーマンが、ヒーローとしていやアイアンマンの後継者として覚醒する姿を見た気がしました。
今回の悪は何なのかも全く分からないまま鑑賞しましたが、かなり予想外な悪役であります。今までのヒーロー映画とは違った展開であること間違いなしです。いったいスパイダーマンは、何と戦っているんだろうと途中で混乱してくる始末です。なかなか画期的で面白い展開ではありましたが、結構無理があったのは否めないですね。無理やりアイアンマンとスパイダーマンをひきつないだ感覚を受けてしまいました。
ただ、そんな無理やりな展開に反して、スパイダーマンの成長を感じるのが本当に面白いです。優しくそしてヒーローとして自信が無い彼が、どうやって絶対的なヒーローとして強くなっていくかが本作の見どころ。最後の戦いでは、スパイダーマン強すぎじゃない!?っと思えること間違いなし。この強さアイアンマンも超えるんじゃ!?っと思えるほどです。
プラスして、恋に奥手なピーター・パーカーの人間としての成長も見ることができます。ちょっとした、アメリカならではの心温まるコミカルな青春恋愛映画も一緒に観ているようで、恋の行方もかなり面白く和みます。
全体的に見て、アベンジャーズを継いだ後の作品としては、もちろん1人のヒーローをテーマに描いているので、展開も迫力もかなり落ちてしまうのですが、スパイダーマンだったからこそ、マーベルファンのアベンジャーズショックから立ちなおさせてくれたと思えるのです。久しぶりのコミカルなノリこそが、我々が望んでいたのかもしれません!スッキリ、ショックから解放してもらえました。
映画自体は今後の展開のつなぎ的な役割になってしまいましたが、MCUの次回作以降を期待させてくれる作品でもあり、いい映画だったと思います。エンドロール後にも、笑わせてくれるシーンもあります。