「修学旅行がめちゃくちゃだ!」スパイダーマン ファー・フロム・ホーム aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
修学旅行がめちゃくちゃだ!
ピーター・パーカー、ホントにいい子だよね。正直だし、奥ゆかしいし、優しいし。
で、この映画を客観的に見ると、そんなステキな若者が楽しみにしていた修学旅行を、大人が寄ってたかって、めちゃくちゃにする話です(笑)。
でも偉いのは、彼は一方的に押し付けられた役割に怒らないで、友達を心配しながら敵と戦うのです。ニック・フューリーという、ストーカーまがいのオジさんに追いかけられて、「お前が一発やったれや」的な恫喝を受けるわけですが、それでも彼は反発もせず、丁寧に断りつつも、素直に「あぁ、たしかに自分がやらなければならないのかなぁ」と悩むわけです。
たまにあるヒーローの五月病みたいなもんですが、ガンダムのパイロットみたいに勝手に家出したり、爪出して暴れたりといった、青春の暴走みたいなこともなく、ましてやグジグジと他責にするわけでもなく、彼は素直にまっすぐ責務を捉えて成長していくわけです。普通なら文句のひとつも言いそうなもんなのに。あー、こんないい子の修学旅行くらい、暖かく見守ってやれんのかね!
なんていうナナメの見方はさておき、本作はアベンジャーズ の世代交代へ、過去と未来を見事に繋いでいる。トニー・スターク亡き後は、君が背負って立つのだ、ピーター。
冒頭いきなりのホイットニー・ヒューストンの名曲からはじまり、グッと引き込まれたまま、安心してラストまで。もちろん、エンドロール後ネタも引き継いでいて、それがやたらセンセーショナルで、めちゃめちゃ次が気になる。新章へ期待の高まる作品です。