劇場公開日 2019年6月28日

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「上質な後日談」スパイダーマン ファー・フロム・ホーム kazu6279さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5上質な後日談

2019年6月30日
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スターク亡き後のピーターの一人立ちが大まかなテーマとなっており、外面は持ち前の明るさで振る舞うも、内に残る喪失、やりきれない虚無的な心を抱えながら、アイアンマンの継承、後継者に値するか?と自問自答の日々。

新たな事件に旅行先で遭遇し自らの成長と存在意義を見出だしていく。

学校、友情、恋愛からなるティーンエイジムービーを土台とした前作を継承しつつ、新たなテイストを加えて物語に幅を持たせる。

超人的能力を持つもまだ高校生のピーター。
ヒーローとしての多大なる責任が前作よりものし掛かりその「重み」を改めて認識するピーター。師であり父親変わり、偉大な存在を乗り越えるべく奮闘こそが物語の力点となっています。

リメイク前2作でも色濃く描写された、「スパイダーマンでないとできない」「スパイダーマンならではの魅せ方」「スパイダーマンでなくてはならない」という状況渦で惜しみ無く展開し、フォーカスする演出力。
アクションに混乱することがなく軽妙且つ爽快に魅せきること。「スパイダーマン」には必然となる要素がお馴染みであり、新鮮でもある。

そしてスパイダーマン映画初となる、ヨーロッパの街並みとの混在。
ヴェネツィア、プラハ、ロンドンなどなどそれぞれの地域に適した戦闘シーンの立ち回りは本作の目玉の一つと言えます。

ピーターと仲間達とのコミカル要素も外せない要素。
高校生活ならではの微笑ましい青春が垣間見える。

だが今回のヴィランの行動原理からなる事件。前作と同じくスタークの尻拭いともいえるので少しモヤとなった所。
MCUフェーズ3も本作で終焉。以降の新たな物語がさらに期待されます。

kazu6279