「あ、おっさんは「ジェニシス」好きだよ。これよりもね。」ターミネーター ニュー・フェイト しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
あ、おっさんは「ジェニシス」好きだよ。これよりもね。
「ターミネーター」は、わざわざ未来から四角い顔のすごい髪型のオンナを殺りに来たサイボーグと、わざわざ未来から四角い顔のすごい髪型の、親友の母であるオンナをヤリに来た変態のお話で、最終的に変態が勝ち、見事、「親友」の生みの親になるという、BLを遥かに通り越したいびつな変態愛が当時中学生だったおっさんも、とても刺激的で、とてもエロい映画だった。
「ターミネーター2」は、キャラの逆転効果とT1000、そしてガンズ。
これがすべて。高校生は燃えるが、今のおっさんは今更見返すものではない、
お前らの嫌いな「ターミネーター3」は俺からすると、大傑作。プリ夫との共演以降急激に劣化した四角いハナのオンナと、ヒーローになりそこねた妄想変態サルがエロい姉チャンに狙われる、エロさとイタさがさく裂。
ラスト、サルがオンナとの密室にて、これから起こること、つまり「オレはヒーローなんだぜぇ」という、「荒廃した未来の復活」への変質的な期待が気持ち悪く、とても素晴らしい作品だった。
唯一失敗は、未来から旧式のT800を守護に送り込んだ点。いくらファザコン気質になったといっても、旧式を送り込むメリットは無い。
まあ、それを言ったらアーノルドの出番がないので、元も子もないが。
「ターミネーター ジェニシス(新起動)」。これは「ジェニシス」のレビューでも書いたが、キャメロンが褒めた理由は2つ。
権利が戻って来る前に、シリーズの価値を上げるため。それが最大の理由。つまり自分が関わることになったら、ちゃんと稼げるものになっているように、というだけの宣伝。
そして、キャメロンが1,2作で描いていた、サラ・コナーの話に戻したこと。キャメロンの作品群からして、それは十分納得行くこと。
個人的には、ジョン・コナーを悪役にし、「子」をサラとカイルのラブストーリーを邪魔するもの、としたところが素晴らしい。その点こそが「新起動」として見るべきところだった。サラの本気の「カワイイ」があがったのもプラス。
カイルの変態度が下がったり、ジョンのマザコン描写が薄かったりと、いろいろ残念ではあるが、今新起動のレビューを見直すと、サラの「子離れ」を言及してるあたり、結構楽しく観たんだな、おれ。
そもそも、キャメロンの言う事を鵜呑みにするほうがどうかしてる。「ジェニシス」でガッカリしたのに、「ニューフェイト」を観るのは暇なめんどくさい映画オタクかマゾ。自分で観たくせに文句を言うレビュアーはさらに救いようがない。他責も程がある。
といったところでの、
「ターミネーター ニュー・フェイト」
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ジョン・コナーがクソ生意気なガキのときにアッサリとぶち殺される。
最高じゃないか!
何度も指摘しているし、ターミネーターシリーズを見てればわかる。
シリーズは、サラ・コナーの話であって、ジョン・コナーの話ではないのだ、
(だからこそ、サルの「3」が面白い)
そこだけは評価。
だからといって、ババアのサラ・コナーが「2」のT800のように登場しても、全く嬉しくない。やるとわかってるからね。
グレース。カッコいいのは分かる。背負ってきたものの重さも感じる。
だが、肝心のダニーへの変質的な愛の描写が甘い。「1」のカイルのように「結ばれる」展開でないと、そこはだめでしょう。
ダニー。ああ、つまらない。キャメロンの好きそうなオンナ。さらに最近のポリコレ臭がrev9と合わせて、たまらなく臭い。
rev9
「ターミネーター」シリーズ化での一番の難点は、アーノルドの有無ではなく、「1」のtT800、「2」のT1000を超える敵を作り出せていないところ。
サラ・コナーの話、ジョン・コナーの話云々ではなく、これらの敵が素晴らしすぎて、敵が成立しないのよ。(そういう意味では「ジェニシス」の「敵」は面白い。)
そして、アーノルド。
「ジェニシス」でやった役とカブりすぎだし、今回はさらに要らない存在。「ジェニシス」」での彼は、サラの恋路を見守るオジサンという立場がとても素晴らしかった。
「ニュー・フェイト」をみると、いかに「ジェニシス」がすごい誠実かつ大胆なことをやろうとした「新起動」だったことがよくわかる。
「ニュー・フェイト」は、「そのことを思い出させてくれるだけ」の映画。
キャメロンはプロデューサーとして「アリータ」に続き、アバター製作費の目論見に失敗。キャメロンの名でヒットすることはとうの昔。
それを理解していない映画オタクは最悪。
追記
あ、4!
忘れてたわ。まあ、いいか。