「1,2の「正当の続編」として楽しめた」ターミネーター ニュー・フェイト むっしゅさんの映画レビュー(感想・評価)
1,2の「正当の続編」として楽しめた
リアルタイムで1作目を見て超興奮してから長い年月が経ったいま。J・キャメロンが満を持して三部作をリスタートさせたこの作品。賛否あるようだが私は好き。
評価すべきは1,2作目との絶妙な繋がり。ダニーに過去の自分を重ねるサラの深い思い。これがひとつの見所で、1作目を見ていれば胸を打つ。ちなみにサラ役のリンダ・ハミルトンの戦士顔。女優として丹念に肌をメンテナンスしていたらこの役には合わなかったところ、図らずもの老け具合がこの作品には見事にハマっている。
そしてダニーの成長。巻き込まれからの覚悟を決めた顔つきの変化がゾクゾクする。確かに当時のサラもそうだった。最後の決意にこれから訪れる運命への覚悟を見せる。もっとも1作目のラストのサラの覚悟を決めたときの名シーンには及ばないが、3部作の始まりのまとめとしては良いかなと。
グレースの存在感も素晴らしい。1作目のカイルと同じ立ち位置を見事に演じ、しかもカイルを上回るタフネスさ。これがとにかく格好良い。彼女の過去にも胸を打たれる。
惜しむらくは、シュワちゃんの登場までの余生のくだり。他にアプローチがなかったかなとも思う。サイボーグとヒューマニズムの繋げ方としてはそれも有りかなとも納得できなくはないが。それでもシュワちゃん健在を見れて嬉しい。
そしてT-800(シュワちゃん)とサラの関係&グレースとダニーの関係。この二層構造を擁してのREV-9との壮絶すぎるデスマッチ。2作目のT-1000を凌駕するほどの強敵相手に冒頭からラストまで息つく暇なく繰り広げる怒濤のバトル。見ている側も打ちのめされるほど。喉がカラカラ。
ちなみにエドワード・ファーロングがクレジットされていたその登場シーンも楽しみのひとつだったが、そう使ったかと膝を打つ。これは是非スクリーンで確かめてほしいところ。
三部作が本当に作られるのなら、次も楽しみたい。