「地雷回避」ターミネーター ニュー・フェイト マラサイさんの映画レビュー(感想・評価)
地雷回避
ターミネーターシリーズは私の人生に大きく関わってきた映画である。特に「T2」の感動を超える映画は宇宙のどこを探しても存在しないと断言できるレベルで大好きな作品だ。
今回「ターミネーター ニューフェイト」が公開されるに当たってかなりの地雷感を、見る前は正直思っていた。というのも、
1.強化兵士の存在
ターミネーターシリーズは基本追われる側は武器を扱えても生身の人間。従ってタイマンなんてしたら簡単にターミネーターに倒される。
味方がか弱く強いターミネーターに追われるからこそスリルを感じるわけであるが、今作の強化兵士の存在により安心感が増してしまっていた。色々と弱点があるようだが、ターミネーターと互角に渡り合える時点でスリルがないと思っていた。
2.ジョン・コナーの不在
ターミネーターシリーズといえばジョンの存在はかなり大きいであろう。彼がスカイネットを倒し人類側の救世主になるのであるから。
ただ公開前のトレーラーでは全く見当たらない。これにかなり不安を感じていた。
以上のことを踏まえて映画に臨んだのが、
結論から言うとこれはこれでアリ、といった感じだ。私は3も4もジェニシスも普通に好きだが、リンダが言っていた「2以降は忘れてもらっていい」と言ったのもまあ納得できる。
まず冒頭でいきなりシリーズファンとしては非常にショックな展開が起こる。これで不安要素No.2はある程度解決された(まあジョンが主役になってほしかったけども)。
新型ターミネーターも今回また大変ヤバい奴で、分離するという今までになかった機能を備えたターミネーターという発想も面白かった。
不安要素No.1の強化兵士だが、薬を投与しないと戦闘続行できないという設定のおかげで、ターミネーターフルボッコ状態の持続は避けられたように思える。
そして今作1番の白眉はやはりリンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーである、というか彼女しかいない。シュワT800はあくまで脇役、おまけのようなものであって彼女こそが今回の主役といっても過言ではない。彼女が出てなかったら、面白くない作品であったであろう。そのくらい大きな存在であると感じた。
ストーリーなど色々とおざなりな部分はあるが、アクション面やサラ復活など考えれば良作なのではないか。
タイムマシンが存在することにより複数の時間軸が生まれるのだから、別に今作であろうが3であろが4であろうが、どれが続編でも全くおかしくないはずだから。