ごっこのレビュー・感想・評価
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親やったら、ちゃんと叱らなあかん
何だかストーリーのすべてに疑問符がついてしまう。リアリティを感じるのは年金詐欺とニートがフィギュアを小まめに作っていることくらいだろうか。誘拐、ありえない。臓器移植、ありえない。優香の優しい女性警官、ありえない。記憶喪失気味なのに京大法学部合格、ありえない。父親の自殺理由、ありえない。大事な伏線であるはずのBB弾もありえない。
疑似親子の関係を描く大半は微笑ましくて良かったのに、殺人動機やヨヨ子の行動心理などにすべて不自然。『万引き家族』に便乗して映画化されたとしか思われないのが残念なところ。普通なら年金詐欺だけでアウトなのに、なぜそれ以降も普通の生活ができたのだろう。これはミニスカポリスにも隠ぺいのため罪が着せられそうだ。
千原の顔芸、優香、平尾菜々花の演技はともにいいし、中野英雄の怖そうなのに真っ当なことを言うキャラもいい。なんだかとても惜しい作品。ついでに川谷絵音のテーマ曲も嫌い・・・
大阪なのが良い
これが東京の映画ならリアリティは皆無だったかも知れない。
大阪の下町の人たちは落伍者であるジュニアにも親切である。柄の悪いおっさんも、スーパーで遊ぶ子供やそれを諫めないジュニアに注意したりと意外とまっとう。考えを見ず知らずのにぶつけるという人情がまだ残っている土地なのだ。
ヤクザでさえも、ジュニアのために年金詐欺で自殺する父親に協力してあげたりと、人情と地獄が東京とは別の文脈で繋がっている。ある意味外国。外国人にウケが良いのは東京より大阪だというのは納得。
ちょっとうーんとなるのは、子供は出会ってすぐにジュニアをお父ちゃん呼ばわりしたりと、一見相当酷い虐待を受けている様子なのだけど、そういう風貌にはあまり見えないし、ちゃんとしたコミュニケーションがすぐにできるということは相手を信頼してる。ジュニアに懐く事で過剰に子供帰りするという風でもない。また、いいとこのお嬢ちゃんにどうしても見えてしまうという感はある。まぁ話がよくできてるからスルーできはするのだけど。
また、ジュニアが働き出して、金がないのでヨヨ子とすれ違うとなるが、あの物流の仕事で家賃もかからないのにそこまで貧乏なのか?と思わざるをえない。貧乏なら児童手当とか今はあるだろうし。
そもそもヨヨ子に双子の妹がいて、臓器移植が必要だからヨヨ子が自殺しようとしていたという設定が明らかに厳しい。5才でそこまで考えれるのか、それも虐待の延長という事なのか。子役の子が役者さんに見えすぎるのもあってリアリティが感じられない。
顔が強い
虐待されている少女をみつけ、誘拐し、本当の家族になっていく話。
千原ジュニアが主演とのことで、珍しいなとなり見ました。
意外と見やすい演技でしっかり見れましたが
虐待と思っていた怪我たちは全て、ヨヨが自傷し、自殺を試みたりしていた結果から来たものでした。
双子の妹が病気で、お姉ちゃんなんだから助けてあげなさいや、お姉ちゃんなんだから!と母親に育てられたこともあり、すごく我慢をしながら育ってきた子なのかな?と思いました。
虐待じゃないけど、もう虐待と変わらないなと。
誘拐された子供を捜索願いも出さない母親も終わってますね。
ぱぱやんは、怒りから来るもので、ヨヨの本当の母親を殺してしまいます。
通報後、ヨヨと共に旅行をしたり、でかけてました。
人を殺してしまった罪にて13年間黙秘のまま刑務所に入っているぱぱやんの元、大学生になったよヨヨが面会に行きます。
ヨヨのために漫画に色をつけ刑務所からずっと本を送っていました。
ぱぱやんを助けるためにヨヨは、弁護士になると決意し、弁護士はなるべくして選んだ大学にも合格していて、感動のシーンでした。
が、千原ジュニアの面会中の表情がすごいひっかかってしまい、笑いがこみ上げてしまって台無しになりました。
ストーリー的にはつまらなくもないが、そんな面白い!!となるわけではありませんが、こういう事件って本当にあるんだろうなって思いました。
千原ジュニアが好きなら見た方が良いと思います。
面会のときの顔で笑います。
なんで?
なぜあそこで 殺すのか?
殺してしまったら あの子ともう暮らせないんだけど?
刑務所に入ってる間 誰が面倒見るのよ。
この子を頼む って
ミニスカポリス優香は じゃあずっとこの子の面倒みて生きて行くの?彼女の人生は?
あまりにも直情的過ぎて
アッタマ来たから殺しました後先考えませんでした、って
それじゃ あんまりだと思って
考えた。
もしあの母親を殺さなければどうなったかを。
あの妹は しばらくしてしまうと移植は出来ずに死んでしまうだろう。
そうなったときに母親は
もう一人の我が子を取り返しに来る。
ここでもう一つの疑問が なぜ 母親は病気の子の方だけに愛情を持ったか。
5歳の子が自分で死んでその臓器を妹にと思い込むほど。
いや そうではないのだ
夫に蒸発され 女手ひとつで 双子を育てる心のキャパシティが彼女にはない。
だからそれをぶつける相手がもう一人の健康な娘。
しわ寄せを一身に受けた、幼い少女。
だとするなら
もう一人が死んでしまった後のフラストレーションは
必ずや ずっと彼女を苦しめ続ける。
たぶん一生。
殺す事が
・・彼にとっては考えた末の事ではないにしろ
最善だった
と言えるのかも知れない。
と言った感じでどうでしょうか?
最後に
清水富美加事件(敢えてこう呼ぼう)
によって埋もれそうになったこの作品が
ちゃんと世に出て 良かった。
公開遅延の根源ながら、やっぱり清水富美加が惜しい
お笑い芸人の千原ジュニアの迫真の演技が味を出している。ヘタな計算をしていないから、強烈なインプレッションを与える。都内上映は2館だけなのに、話題となっている。
40歳目前の"引きこもり"で"おたく"の城宮。ある日偶然、虐待を受けていた5歳の少女を目撃し、連れ出してしまったことから、誘拐であることを隠しながら、偽りの父娘生活が始まってしまう・・・。
乳児を誘拐して、愛を持って育てたといえば、「八日目の蝉」(2011)や最近では「ブリグズビー・ベア」(2018)がある。"愛があれば、血のつながりなんて・・・"とは言うものの、この設定は、非常識な犯罪行為と愛情の対比が不思議な空気感を生む。
本作は2016年に急逝した小路啓之の同名マンガを原作にしている。
"児童虐待"、"貧困地域"、"ニート"、"誘拐"、"シャッター商店街"、"年金不正受給"、"自殺ほう助"など社会的弱者の様々な問題提起を含んでいる。
なんといっても注目は、誘拐した5歳の少女"ヨヨ子"を演じる平尾菜々花だ。彼女の演技がこの作品を、見どころのあるレベルまでに引き上げている。ヨヨ子のセリフ、"パパやん!"、"BB弾!"、などが印象的だ。川谷絵音の書き下ろし主題歌が、また強烈である。
本作は、例の"清水富美加・出家事件"で資金難に陥り、公開が1年遅れた。
成長したヨヨ子を清水富美加が演じているが、ひさびさに見ると、やっぱり惜しい。(というか戻ってきてほしい。出家はレプロを辞めるいいわけであったはずで、個人的な宗教活動とは別にできないものか)。
熊澤尚人監督が、吉高由里子主演のイヤミス映画「ユリゴコロ」(2017)の直前に、やはり不条理な設定の作品を手掛けていたことになる。オトナの都合で公開時期が逆転してしまったが、公開初日は原作者・小路啓之の命日だった。
(2018/10/28/イオンシネマ シアタス調布/シネスコ)
子役の女の子の佇まいが凄いんですが…
観賞した方が高評価なので、観賞しました。
感想は個人的にはまあまあ。
引きこもりの中年男性が虐待を受けたとおぼしき女の子を連れ出し(誘拐)、不器用ながらも親子ごっこをしていく中で本当の親子になっていくお話。
いろんな何故?があって、正直分かりにくい所も多々あり。
特にヨヨ子が虫取りに行った際に変態昆虫マニアに誘拐されたきっかけのくだりが自分的には分からず、何処に閉じ込められた場所が分かる場面があったかな?と言うのを考えていましたが、やっぱり分からず。
※追記 bloodtrail様より、この事件のきっかけになるシーンを教えて頂きまして、思い出しました。
bloodtrail様。ありがとうございます。
また、エンドロールの川谷絵音さんの主題歌の歌詞が所々文字で出てくるのは変に深読みしてしまいましたw
圧巻はヨヨ子役の平尾菜々花ちゃんの佇まい。最初は言葉少なめの気難しい女の子でしたが、存在感が凄くて、言葉少なめがかえって台詞の意味の重さを出してました。
「八日目の蝉」や「万引き家族」の様に誘拐をきっかけに、血が繋がらないながらも次第に本当の家族(親子)の様に昇華されていくお話で、親になる人物は不器用な生き方をしていくと言うのはお決まりのパターンではありますが、万引き家族よりも先に制作されて先に公開される予定がいろんな事が重なって、一時はお蔵入りになりかけて、やっと公開された訳ですが、テーマがカンヌで賞を取った、万引き家族と同じなのが貧乏クジを引いた感じがあって、先にどちらを観たかで感想はかなり変わるのではないかなと思います。
18歳になったヨヨ子を演じている千眼美子さんは清水富美加時代に撮影に参加しているので、クレジットでも清水富美加で明記されていますが、この作品のキャンペーンを含めて、メディアの露出は殆ど無く、腫れ物を触る様な扱いは些か仕方がないかなぁと思いながらも、演技に関しては良い女優さんだなぁと思いました。どうしても宗教が絡むと扱いづらいのは分かりますが、演技を見ると良い役者さんだと言うのは分かるので、勿体ないですね。
作品の傾向として、どうしても暗くなりがちになるのは仕方がないかなぁと思いながらも、暗いのは些か苦手なので、この評価になりましたが、個人的な評価の1つとして捉えて頂ければ幸いです。
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