「大切なニートだった彼の「ごっこ」」ごっこ 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)
大切なニートだった彼の「ごっこ」
40間近のニートが向かいの家にて虐待されていた少女を見つけ、実家に戻り2人で生活するお話。
虐待されていた少女をさらってしまう件は「万引き家族」と被ってしまい、昨年公開では埋もれた勿体ない映画となっていた。幼児虐待、誘拐だけでは無いのだ。
最初は主人公としては趣味のフィギュアと同じ感覚で少女を軽く拉致してしまったのかも知れない。
しかし、少女と触れ合う、地元の商店街に帰る事によって人間らしさを育んで行く点に心奪われた。
じゃんけんグリコ遊び、あやとり、道路にチョークで落書きなど昭和生まれなら懐かしい遊びも出てくる。
子供との接し方に工夫も観られる。
また、子供には教えても、自分としては大人のプライドが許さない、ましては子供の前では見せたく無いもの。「ごめんなさい」や「ありがとう」のキチンとした表現。
子供には見せかけだけでは無い、親としての自分を見せてあげる事も大事なんだと再認識。
良い話で話が終わると思いきや、ある事件で急展開に。
「一番最初のシーンはそっちの理由かよ!」と。
(この事件なくても許可得て、普通に養子縁組して養ってもいいんじゃないと思ったのは私だけ?)
主演の千原ジュニアも流石ですが、子役の平尾菜々花ちゃんが素晴らしい。
残念なのは、警察官が一斉に銃を出すなよシーンとジュニアが泣き喜んでんだか、普通に泣いてんだか分からないラストシーン。
いゃあ〜レビューが少し堅苦しくなりましたが、昨年話題の幼児虐待(精神的に追い詰めても虐待だと思う。)といい、今年話題になりそうな就職氷河期ニート再就職のお話といい、年金不正受給、幼児ポルノなど社会ネタが色々詰まっていて見どころありました。
エンドロール後にまた一言ありますので最後までご鑑賞下さい。