「ずれた欲動が生む「誘拐と養育の物語」の系譜」ごっこ AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
ずれた欲動が生む「誘拐と養育の物語」の系譜
扱いが難しく物議を醸しそうで、それゆえ表現者が尻込みしがちなこの手の題材を描く映像作品が、ときおり登場する。今年だと洋画の「ブリグズリー・ベア」、テレビドラマの「幸色のワンルーム」、かなり前になるが「八日目の蝉」もあった。誘拐の引き金になる動機、衝動はまちまちでも、通常の誘拐監禁と違うのは、誘拐した側が愛をもって育てること。誘拐された側が抱く感情は、ストックホルム症候群の可能性もあり、対等の愛かどうか。描き方も難しければ、観る側も想像力を求められる。
千原ジュニアとヨヨ子役・平尾菜々花の演技はまさに圧巻。熊澤尚人監督もうまく2人の持ち味を引き出し、化学反応を促したように思う。優香は本作と「羊の木」で、タレントから女優への飛躍を印象付けた。それにしても平尾菜々花。今後がますます期待される“小さな大女優”だ。
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Naguyさんのコメント
2018年10月29日
(修正されてから、このコメント消してもらっても結構です)
だいたい書かれていることの意味は分かりますが、本人が拒否していないので、言葉の意味としては、おそらく"拉致"ではなく、本作の場合、"誘拐"かと。
また、「八月の蝉」ではなく、「八日目の蝉」。こちらは直されたほうがよいかと。