太陽は動かないのレビュー・感想・評価
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ブルガリアでの1か月の撮影など邦画では攻めていて、アクショシーンは力作。ただ、内容は詰め込み過ぎ?
本作はホリプロ60周年記念作品としてWOWOWとタッグを組み作り上げた意欲的な作品です。冒頭の迫力のあるアクションシーンから、目を見張る物があります。
本作は当初2020年5月15日公開予定でしたが、新型コロナウイルスによって延期を余儀なくされました。そのため、本来は「映画」、その後「WOWOWのテレビドラマ版」、という流れでしたが、その流れが変わりました。テレビドラマ版の全6話の方は予定通りWOWOWで放送されていたので、私は「テレビドラマ」から「映画」という流れで見ました。結果的に、そちらの方が良かったと思っています。テレビドラマ版の方は、藤原竜也と竹内涼真らが属する「AN通信」という組織と、藤原竜也と竹内涼真がバディーを組む「出だし」などが描かれていて、容易に世界観を知ることができます。しかも、舞台も日本が中心で、敵対するのが中国系の組織だったりと、割と話は分かりやすいのです。
ところが、映画版の方は気合が入り過ぎたのか、かなり盛り沢山で、「もう少し説明が必要なのでは?」と思うシーンが散見されます。映画は吉田修一のスパイアクション小説「太陽は動かない」と「森は知っている」を同時に映像化しているのでリアルタイムの話に合わせて、藤原竜也が演じる主人公の子供時代も描いているのです。そのため、同じ映画の中で「速すぎるシーン」と「スローなシーン」が同居しています。1時間50分とタイトなため結果的に、省略を補えずに戸惑ってしまう人が出る可能性を感じました。
また、ドラマ版を発展させ、国籍や組織がさらに入り乱れるので、最低限の相関関係は事前に知っておいた方がいいと思います。
基本的なベースは、中国企業「シーノックス(CNOX)」vs「AN通信」という構造です。
そして、「シーノックス(CNOX)」は、中国の巨大エネルギー企業で、日本の「MET」という次世代型太陽光エネルギーの技術を持つ会社とパートナーを組もうとします。
さらに、「シーノックス(CNOX)」は、ブルガリアにいる日本人研究者とも組もうとします。
ここで、エネルギーの話で知っておかないといけない仕組みとして、エネルギーは太陽光発電などで「作る」ことと、蓄電池などで「貯める」ことと、「送る」ことが必要になる点です。
ちなみに、本作では男女の韓国人が1人ずつ出てきますが、なぜか海外においても日本人に対しては親切に「日本語」で話します。これは本来は有難いのですが、残念ながら聞き取りづらく、様々な要素が入り組んでいるため、聞き取りづらいと致命的に痛いので、普通に「英語」で字幕付きで話してくれた方がリアリティーも出て良かったかな、と思いました。
このように羽住英一郎監督が集大成的に頑張っている作品なのですが、少し空回りの面もあるかもしれないので、このような予備知識を持ちながら見てみると随分と印象が変わると思います。
胸に仕込ませる爆弾の説明をタイトルに託している
タイトルが意味するのは鷹野の持っている「心の指針」だろうか。
今日一日だけ いまこの瞬間だけという「太陽」のような普遍的な概念がいつも心を照らし続けている限り、どんな出来事に遭遇しても冷静沈着にいられるのだろう。太陽が心にある限り、心が動揺することはないといったところだろうか。
スパイアクションを産業分野に絞り込んだことがこの作品の新しさだろう。
しかしながら、胸に埋め込まれた起爆装置はいただけない。
ANエージェントが虐待されていた子供とか、鷹野の過去とか説明されてもエージェントの胸に爆弾を埋め込むのは、この作品のシリアス性を返って損なっているように思う。
それが風間の指示ではなくどこにあるのかもわからない本部の指示だとしても、胸に爆弾を仕込むのは敵に対するやり方で、それはミッションインポッシブルですでに使われたとても許しがたい手法だ。
風間ですらAN通信について知らないことだらけなのに、その配下のエージェントに爆弾を埋め込む理由が分からない。
この設定は、山下がそれによって死んだことを鷹野と田岡が目の当たりにして苦しむ演出 これとAN通信の機密順守の厳しさとが天秤になるが、田岡が終始そのことに悩んでいるのを鑑みると、おおよそエージェントの原動力になっていない。
ヤクザ世界と同じだ。
なぜ爆弾を埋め込まなければならないのか? この作品が説明しなければならないことだが、すべてエンタメとして片づけてしまっているのは残念だった。
それ故、このタイトルにならざるを得なかったのだろう。
島を抜け出したヤナギとカンタが大物企業家になったが、その道が正しかったと言わざるを得ない。鷹野は好きだったシオリと東京のホテルですれ違うが、彼の決めた「太陽」によって、彼女と言葉を交わすことさえしない。
ただ、物語そのものがグローバル化によって複雑化することに沿って、背景が細かく設定されているのは見事だった。
また、敵を中国企業にしていることは世の中の流れなのだろう。日本のエージェントと韓国のエージェントがライバルであり、時に中国がお互いの利害の一致となる点も面白かった。
まるで峰不二子のようなアヤコのキャラも悪くはないが、ひねりもなかった。
このAN通信の目的が、中国企業CNOXによる次世代太陽光発電装置の独占をさせないこと、なりふり構わず力を駆使して技術を盗もうとするCNOXから情報を横取りし、METにその情報を売るという設定は面白かった。
この設定の緻密さこそこの作品の命だろう。
各国を行き来し、アクション満載だが、最後まで騙されていることに気づかないナナがどうにも引っ掛かってしまう。
しかしながら、娯楽映画としては申し分なかった。
☆☆☆★★ 〝 美人の条件とは何か? 〟 原作「太陽は動かない」読...
☆☆☆★★
〝 美人の条件とは何か? 〟
原作「太陽は動かない」読了済み。「森は知っている」は未読。
※ 1 およそ1年間の上映中止から待望の公開…って事で、大いに喜ばしい。
…とは言え、コレは、、、
元々がWOWOWが製作に関わり、連続ドラマとしての放送権を持っている事が大きいのだろう。
※ 2 この辺りは、多くの問題点をのこした『劇場』の配信・公開に於けるバタバタ劇とは違うところ。
とりわけ、WOWOWとゆう大きな後ろ盾があるどと、ここまでスンナリと行くのか…と。
そんな事を思いつつ、「太陽…」を読んでいると、、、「……ん、ん、ん、つ、つ、つ、ツマラナイ、、、、、、」と、何度思った事か!
少なくとも、500ページ以上もある原作の部分の半分くらいまでは、これっぽっちも面白いとは思えなかった。
ところが、その前半に於けるアクション描写であり、パニック描写は、明らかに力が入っているし。もしも映像化したならば、その部分での製作費はとんでもないモノになりそう…とすら感じた。
↓ ここから先は、「太陽…」だけを読んでいるのを基にしたレビューになります。
エンドクレジットで映る映像には(おそらく)WOWOW版でしようし。そもそも(続編的な位置にあるであろう)「森は…」読んではいない。
それだけに、かなりの確率でいい加減なレビューになっている可能性が有ります。
その辺りは平にご容赦って事で(u_u)
冒頭のアクション場面は。邦画として世界的映画と比べてみても、かなり引けを取っていないと感じる。
(「太陽…」の)原作には無いだけに。この場面及び、少年時代の淡い恋愛模様を描く描写を観て、これは原作から離れたオリジナルストーリーで展開されるのか?と思いながら観る事にした。
「太陽…」には凡そ20人以上の登場人物が居たが。映像化で登場するのは、その内の半分くらいだっただろうか。
ヤマシタや、少年時代の描写等を含めた多くの人物は、ひょっとしたら(続編が製作されたならば)「森は…」に登場するのだろうか?
『太陽…』での登場人物を約半分程にした事で。元々原作に有った《ゴチャゴチヤ》感は、ほんの少しだけ整備されている感が有りました。
前半での、大掛かりな日韓サッカー戦を背景とした大アクション場面を全てカットした事で、かなりのコストダウンになっているし。中でも(原作では)クライマックスで、囚われてレイプされそうになるAYAKOを奈々に入れ替え。更に、少年時代の淡い恋愛模様の、彼女のトラウトに置き換えた事により。その彼女のドラマの序章とした様なラストは、思わずWOWOW版も観てみたくなりました。
(無料放送でないと観られないので)
この辺りは、ヤマシタ役の市原隼人が絡む思える部分も同様で。いきなり登場した時は、「あれ?これ誰?」と思ってしまいましたから。
そんなこんなと、原作が今一つだっただけに、予想外には楽しめたのですが。もう一つ突き抜ける程では無かったのは事実。
予告編に有る、藤原竜也が。大きな木箱から出て来る描写等は、本来ならば大きな笑いに劇場は包まれて然るべき場面。
映画全編で「あり得ね〜!」…と言いながら、楽しむにも。やはり今一つと言ったところでしようか。
内容的には、その様な楽しみ方が可能な【漫画】なんですけとねえ〜!
※ 3 思えば、最近『インディ・ジョーンズ』が4Kで再上映されていますが。言って見れば、あれこそが映画に於ける【漫画】的な、尤も良い例と言えましょうか。
ドイツ軍の潜水艦が動き出す。
すかさずインディは、海へと飛び込むと、その潜水艦のハッチへと到達する。
その潜水艦は、数千キロは離れた場所へと移動する。
いや!いや!いや!あり得んから(*^_^*)
でもですね〜! 映画的な【嘘】が、あのインディシリーズには通用してしまうのですよ〜!
それを(観客に)納得させてしまう仕掛けを、作品の中に数多く散りばめているからなんですよね〜!
その為にも細かいギャグやら笑いの要素は絶対に必要。
この作品だと、笑いの要素は沢山有った筈だったのに、その辺りの仕掛け等ごもう一つだったかと思う。
でも、ちょっとだけ観た時期が悪かった…って事は有ったのかも知れない。
※ 4 何しろここ数日は、子供の虐待に関する痛ましいニュースが続いていただけに。
その辺りを含めた、原作独特の設定に。今一つのめり込めなかった感は否めない作品でした。
(おそらく、ある程度、原作者自身は。ハリウッド性のエンタメ性の世界観を表現したかったのでしょうが。)
それだけに、ハン・ヒョジュの《不二子ちゃん》っぷりには、大いに楽しませて貰いました。
片言の日本語がまた可愛い(≧∀≦)
原作自体からして、何となくその様な雰囲気は有りましたが。映像化を観たら完全に〝 それ 〟でしかなかった…って言う(´Д` )
〝 美女の条件ってのは、味方が居ないって事だ 〟
まさに、原作に有った言葉を地で行ったキャラクターでしたなあ〜(^^)
2021年3月6日 TOHOシネマズ錦糸町楽天地/スクリーン10
※ 1 コロナによる上映中止が長引いてしまった。
※ 2 吉本と、松竹との関係がかやり拗れた。
(この辺りの経緯は、ネットの情報を参照願います)
※ 3 コロナにより、新作の上映が叶わず、暫くは旧作の上映が多かったのはご存知の通り。
※ 4 間が悪い事に、作品の内容が子供の虐待に起因しといただけに。上映当時問題になった児童虐待問題のニュースは、この作品の上映に関しては、宣伝等もなかなか出来なかったのでは…とは思う。
いちいち鼻につく
迫力あるアクションシーン。
一生懸命に派手
映画館で観なくてよかった
なんとも荒唐無稽!
AN通信(日本の諜報機関)+韓国+中国スパイが暗躍するアクション
2021年。監督:羽住英一郎。原作:吉田修一。
ドラマは楽しみに観てました。
WOWWOWのドラマで、上巻・中巻・下巻で4時間半。
見応えがありました。
(人間が描けてました。特に安藤政信のエピソードが強烈に心に響きました。)
劇場版のこの映画もまあまあ楽しめましたが、
ブルガリア・ロケを中心に、中国のカタマラン砂漠や香港にロケしたアクション大作!!
ミッション・インポッシブルの向こうを張りたいのでしょうが、
やや脚本の繋がりが雑ですね。
ストーリーの繋がりが分かりにくくて、
「その辺ご想像で補って下さい」って感じです。
想像して話をつなげる作業を強いられますね(笑)
一番の目玉は、AN通信の記者(実はスパイ)の鷹野一彦(藤原竜也)や田岡亮一(竹内涼真)の胸にはICチップが埋め込まれていて、24時間毎に暗証番号とパスワードを入力しないと、爆破され抹消されるのです。
(つまり爆死、殺されます!)
この設定は衝撃的で面白い。
ただアクションの点で、アレっという、端折った点多かったですね。
ブルガリアのソフィア駅からロシアへ向かう列車。
太陽光発電の新技術の権威の小田部教授がロシアと手を結ぶために乗車している。
阻止するために鷹野と田岡が陸橋から列車の上に飛び乗る。
次のシーンは車内です。屋根から車内への移動が見事に割愛されている。
えーっ、どうやって車内へ?
カタマラン砂漠上空を飛行していた鷹野と田岡。
尾翼を銃撃されて墜落しそう。
次のシーンでは輸送機の中・・・とか、そういうの多かったですよ。
鷹野の4歳の時の母親からの虐待シーン。
これは身につまされ、必要なエピソードでしたが、
(高校時代の鷹野(日向亘)と友人の柳勇次(加藤清史郎)のシーンとか必要あったかなぁ・・・)
全体を観て、ドラマのように、藤原竜也と竹内涼真が生かされていない感じを受けました。
少なくともバディムービーなら、少しはコミカルな会話とか、絡みとかほしいですよね。
藤原竜也一人が売りなら、トム・クルーズの輝きがほしいですよねー(笑)
と言うわけで、今ひとつ物足りなかったです。
ドラマ版だけで良かったかも。
やれやれ、今日も生き残っちまった
藤原竜也好きなので
アクションシーンは迫力あり
全く乗れず。
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