「太陽の画家が見続けた、永遠の風景」永遠の門 ゴッホの見た未来 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)
太陽の画家が見続けた、永遠の風景
フィンセントが見ていたものは
肉眼が捉えたものでも、幻影でもない。
画家が見たのは、
太陽のフィルターを通した、
いのちの輝き。永遠の煌めき。
けして色褪せない、覚めない夢…
寄りのカメラでゴッホの主観を描き
引きのカメラでまわりの客観を描く
今、洋画で流行りの手法ではありますが
わたし個人としてはあまり好みではありません。が、
本作にかぎっては好意的に機能していたと思いました!
自身も画家であるジュリアン・シュナーベル監督の
審美眼が創り出すルックの美しさに目を見張る。
『ゴッホ映画』には欠かせない、言い換えれば
『ゴッホの画家人生』を語るうえには欠かせない
弟・テオやゴーギャンの描き方、
フィンセントを快く思ってない人物たちの態度も含めて
定石通りではありますが…
でも!エンドロールの“フランス語”での、
つまりはゴーギャンのモノローグが、
美術史的にも意義のある作品に仕上げている!
と、わたしは思いました♪
西洋絵画に興味がおありの方、
美術館でゴッホ作品にふれて知識を深めたい方にはおすすめ!
既存のゴッホファン、美術ファンには
少々退屈な展開かもしれませんが、
モティーフの人物、風景をみつける楽しみは十分に味わえます!
コメントする