劇場公開日 2019年11月8日

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「太陽の画家が見続けた、永遠の風景」永遠の門 ゴッホの見た未来 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0太陽の画家が見続けた、永遠の風景

2019年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

フィンセントが見ていたものは
肉眼が捉えたものでも、幻影でもない。

画家が見たのは、
太陽のフィルターを通した、
いのちの輝き。永遠の煌めき。

けして色褪せない、覚めない夢…

寄りのカメラでゴッホの主観を描き
引きのカメラでまわりの客観を描く
今、洋画で流行りの手法ではありますが
わたし個人としてはあまり好みではありません。が、
本作にかぎっては好意的に機能していたと思いました!

自身も画家であるジュリアン・シュナーベル監督の
審美眼が創り出すルックの美しさに目を見張る。

『ゴッホ映画』には欠かせない、言い換えれば
『ゴッホの画家人生』を語るうえには欠かせない
弟・テオやゴーギャンの描き方、
フィンセントを快く思ってない人物たちの態度も含めて
定石通りではありますが…
でも!エンドロールの“フランス語”での、
つまりはゴーギャンのモノローグが、
美術史的にも意義のある作品に仕上げている!
と、わたしは思いました♪

西洋絵画に興味がおありの方、
美術館でゴッホ作品にふれて知識を深めたい方にはおすすめ!

既存のゴッホファン、美術ファンには
少々退屈な展開かもしれませんが、
モティーフの人物、風景をみつける楽しみは十分に味わえます!

野々原 ポコタ