女王陛下のお気に入りのレビュー・感想・評価
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イングランド王室 権謀術数
18世紀イングランドの王室を舞台に描かれる内幕もの。実在のアン女王初め出てくる人物がどいつもこいつも曲者ばかり。
エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ共に強烈なキャラを演じているが、ここはアン女王を演じたオリビア・コールマンに軍配が上がるだろう。この存在感は凄い。
広角レンズで撮られた宮殿が奇妙な空間を作り上げ、BGMが不穏さをマックスまで高めている。
監督の独特の美意識・演技派女優バトル・クオリティ高いアートワーク、それらが合わさり実に見応えある歴史物映画になっておりました。
女三人寄れば姦しい
アカデミー主演女優賞受賞他、映画賞を席巻。
愛憎、陰謀、策略、裏切り渦巻く宮廷ドラマ。
ダーク調の映像美、美術や衣装などコスチューム劇の醍醐味も勿論。
…となれば人によって好き嫌い分かれるジャンルだが、現在快進撃中のギリシャの鬼才の手に掛かれば、異色ながらユニーク!
毒のある女の壮絶な争い!
18世紀のイングランド、アン女王の寵愛を巡る女官と侍女。
女優たちの演技バトルが本当に火花散る!
まずは、レイチェル・ワイズvsエマ・ストーン。
レイチェル・ワイズは、女王の信頼厚い女官、サラ。
女王に対しても臆する事無く発言し、女王を影で操ってる感も。女王と肉体関係も。
ある意味女王様のような性格で、女王を我が物のようにしているが、実は心底女王を愛し、その愛を欲し求めている。
エマ・ストーンは、侍女アビゲイル。
身分の低い地位から宮廷入り。
宮廷の女使用人たちにいびられ、従姉妹でもあるサラからもこき使われる。
が、ある時女王の病気を治した事をきっかけに女王に気に入られ…。
双方に旨味も見せ場もたっぷり。
前半は優位に立っているサラ。傲慢で偉そうでもあり、最初はヤな女に思う。
が、アビゲイルが女王に気に入られてからは次第に女王の寵愛を失い、その地位も奪われる。
アビゲイルからの下剋上で、地に堕ちる。
一転して、痛ましく、哀れ。
一方のアビゲイルは、前半は同情したくなるくらい惨め。
泥塗れ、水責め、鞭打ち、突き飛ばされ、自分で自分の顔をぶち…エマ、天晴れ!
女王に尽くし、健気で純真…だった。
野心や欲は人を変える。
サラからその座を奪い、のし上がり、サラ以上の傲慢さや策略企む表情や冷笑にヒヤリ。
身分の低い小娘が!
今の女王の寵愛は私のもの。
優位に立ったと思えば形勢逆転され、やり返しやり返され…。
女の争いはおっそろしいが、ハラハラ目が離せない。
二人の女の争いに翻弄されてるように見えて、実は一番存在感強烈な女王。
自分の愛を巡る二人の女の争いを面白楽しく見ている!
しかしその一方、病気がちでヒステリック。言動もしばしばワガママと言うより、精神不安定。
それはさらに常軌を逸していく。
クセと激しい感情のアップダウンと醜態をさらけ出したオリヴィア・コールマンの熱演に圧巻。
従来とは違う切り込みの歴史宮廷ドラマに新味を感じつつも、確かにこれはまた別の意味で好き嫌い分かれる作品だろう。
ヨルゴス・ランティモスの作品は実はこれが初見で(『ロブスター』も『聖なる鹿殺し』もまだ見てなかった!)、非常にクセある作風と聞いてはいたが、なるほど一筋縄ではいかない。
一応コメディのジャンルに分けられているが(正確にはブラック・コメディ)、決して笑えるような話ではなく、人のグロテスクさがホラーのよう。
後味も悪く、ラストも解釈難しい。
玄人映画。
でも、女優たちの熱演と女たちのバトル、話のインパクトも大。
何より、いつの時代も男は霞むぐらい、女は強か。
オトコそっちのけ
オトコそっちのけのバトルは、なかなかでした。
日々戦場で男達が倒れ、後ろ盾を失った女達が堕ちていく最中のコトですから。
バカげたつけボクロに苦笑…。
三女優の一歩も引かない競演がなんと言っても見どころ、凄みがありました。
大仰な表現をしない女王様の感情を、微妙なグラデーションでオリビア・コールマンが見事に表現。
可愛いらしいと思えば老獪でいやらしく、目が離せません。
エマ・ストーンが時代ものってどうかなと思ってたけど、体当たり演技で華があって良かったです。
そして、疲れ果てた女王の側で、キレイなお姉さまであり続けるレディ・サラ。
演じたレイチェル・ワイズがはまり役でした。立ち姿のカッコいいこと!
現代社会と変わらぬ権力への渇望
アビゲイルとサラの闘いは、まさに今も昔も変わらない権力闘争。
禿げたおじさん達なのか、美しい女性達なのかの差だけ。
貪欲こそ、向上心への餌。
人の心を上手に操るサラの側で元々の才能に磨きをかけたアビゲイル。
追う者もいつかは追われる者となる世の常。
美しい描写で描かれた醜悪な世界。
いつの時代も女社会って泥々してんな
女社会で頂点を極めるのって、エグいっすね。
エマは可愛い顔してスッゲェ仕掛けて来るし。それなのに、あの感情の欠如した表情の意味がくだらない戦いだった事に気づいたのかな。
女王の怪演は必見の価値あり❗️
時に吐き気さえ催すエマストーンとレイチェルワイズが繰り広げるオンナ...
時に吐き気さえ催すエマストーンとレイチェルワイズが繰り広げるオンナの戦い。そしてその全てを飲み込んでいくコールマンの怪演ぶりに感服。
愛、嫉妬、狂気、策略
愛、嫉妬、狂気、策略というテーマにおいては「ファントム・スレッド」と似ていると感じた。カメラワークをはじめ映像がちょっと不思議で非日常さが際立つ。オリヴィア・コールマンの怪演がすんごい。ラストシーンは訳わからないながら凄いものを感じたな。
女の執念は怖い
女王に仕える2人の女がなんでもありの
大乱闘を繰り広げる話。
すみません、大乱闘って書きましたけど
パンチとかキックとかではないです。
心理戦あり、口喧嘩あり、肉弾戦ありです。
まあ、ある意味大乱闘ですね。
相手を倒すためのやり方は様々で
ほんとに女の執念ってこわいなって思った。
それだけ聞くとドス黒い系かと思いますが、
クスクス笑えるところもたくさんあります。
もっとやれやれ〜って思いながら観てました。
ラストの皮肉じみた演出もよかったです。
タイトル的に歴史物と感じて遠慮してる人、
この映画は楽しい面白いドス黒い
大乱闘ブラックコメディです!
3人の名優の中でもコールマンは抜群
病気で気品のない女王をコールマンが演じて主演女優賞はさすがだなと思います。エマやレーチェルの大奥のような戦いで、女王を奪い合う姿は凄まじいものが有ります。私は女王と言いながら、2人の使用人に依存してる姿は滑稽でした。
2020.02.12 2回目の鑑賞。 これを悪趣味という人はいるだ...
2020.02.12
2回目の鑑賞。
これを悪趣味という人はいるだろうが、わたしは本当に好きだ。
大絶賛するなら、愚かな人間のために神が作った映画のように思う。
喜劇(コメディ)を観た
これが喜劇(コメディ)ってやつか!
という満足感がある。
滑稽で笑えるんだけど、最後は寂しさが。
宣伝で「英国版大奥!」て言われてて、イヤ〜〜それはどうなん!と思ってたけど、確かにそうかも。
笑えるとこいっぱいあったとおもうんだけど、なんか劇場シーンとしてて、声出して笑えなかった〜!
アビゲイル(エマストーンさん)と、その夫(ジョーアルウィンくん)の、野外での追いかけっこ?メッチャ面白かったよな???本気のドタバタラブコメ(ラブコメ????)上品さと可愛げがどこにもなくて最高だった。
BLOWJOB
最後のシーンは含みがあり過ぎますね。
ガツンと来た。目が覚めた。それまでの2時間全てが吹っ飛んだ。
ただただ凄い。
女だらけの宮廷闘争劇と見せ掛けて、その結論が「権力と男根」だとは…。
脳が痺れる逸品。エレクチオン。
女はコワイ。
いつの時代かわからないが、フランスと戦時下にあるイングランド。
女王アン(オリビア・コールマン)は少し愚かに見える。そこにつけ込んでいるのか、レディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が絶大な権力を誇っている。
そこに没落した貴族の娘アビゲイル(エマ・ストーン)がやってくる。
ヨルゴス・ランティモスは、ほぼローアングルで、ときに変なレンズを使っていて、人ではないモノの目線を思わせる演出を施している。
それは、観ている我々にも第三者的視線を思わせる効果があった。
見ようによってはおぞましいサラとアビゲイルの確執であるが、このランティモスのフィルターによって、ときにはユーモアさえ感じさせるものになっている。
3人の女優たちが高く評価されているが、僕は断然エマ・ストーンを推す。登場したときはキュートだったのが、だんだん野心あらわになり、そこまでやるかアビゲイル、となる演技は素晴らしかった。
女はコワイ、ということで。
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