女王陛下のお気に入りのレビュー・感想・評価
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音楽がダメでちょっと残念
選曲がまずくて、びっくりでした。
音楽が散漫なのです。
パーセルやバードなど英国ゆかりの古楽だけでは持たないと思ったのか めちゃめちゃなBGM 。
適当に古いヨーロッパ音楽を流せばそれっぽい雰囲気が出るとか?
これはいかんでしょう。
ギリシャ人監督のせいかな?
僕はバッハ弾きなので、突然ドイツのオルガン曲「Fantasia 」が鳴ったことで戸惑ってしまったんですね
音楽をかじった人間にはこの映画ちょっと苦痛だと思います。
この“場違い”な音楽が一旦耳についてしまうともうダメでした。頭が混乱させられて、★=減となりました。
どれくらい場違いかというと女王と国会のシーンで津軽三味線が、侍女追放の場面では演歌が突然流れてくるのとおんなじですよ(笑)
英国の宮廷映画でありながらイタリアのビバルディや、百年後のドイツのシューマンやシューベルト。更には英国には行かなかったドイツのバッハ父子とか。フランス代表はメシアンで、一応イギリス人ですがエルトン・ジョンとか。
時代も国も脈絡なしで映画ぶち壊しになりませんか。
わざとかなぁ?
わざとですね。
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この映画が高い評価を得ているのは現代の会社社会をそのまま投影しているからですね。
孤独ながら頂点に立つ創業者=女王と、奸計を企み下克上に成功する役員、そして失墜させられて去る取巻き盟友。
弱みや老いや心の隙間に近づこうとする「俺オレ」たちとの闘いは、きっと世の大会社の社長さんたちにシンパシーを抱かせるはず。
皇室・王室ブームだし、アン王女くらいまで遡ればなんとなく物語性に箔が付くような錯覚があるのかもしれませんが、でも見終わって冷静に振り返れば案外薄っぺらで、官九郎の「弥次さん喜多さん」のような歴史三文映画でした、
入り口でBGM でつまづいてしまったので。
だからケチ付けてごめんなさい。
個々の演技は★5
作品の出来は★2
イングランド王室 権謀術数
18世紀イングランドの王室を舞台に描かれる内幕もの。実在のアン女王初め出てくる人物がどいつもこいつも曲者ばかり。
エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ共に強烈なキャラを演じているが、ここはアン女王を演じたオリビア・コールマンに軍配が上がるだろう。この存在感は凄い。
広角レンズで撮られた宮殿が奇妙な空間を作り上げ、BGMが不穏さをマックスまで高めている。
監督の独特の美意識・演技派女優バトル・クオリティ高いアートワーク、それらが合わさり実に見応えある歴史物映画になっておりました。
女三人寄れば姦しい
アカデミー主演女優賞受賞他、映画賞を席巻。
愛憎、陰謀、策略、裏切り渦巻く宮廷ドラマ。
ダーク調の映像美、美術や衣装などコスチューム劇の醍醐味も勿論。
…となれば人によって好き嫌い分かれるジャンルだが、現在快進撃中のギリシャの鬼才の手に掛かれば、異色ながらユニーク!
毒のある女の壮絶な争い!
18世紀のイングランド、アン女王の寵愛を巡る女官と侍女。
女優たちの演技バトルが本当に火花散る!
まずは、レイチェル・ワイズvsエマ・ストーン。
レイチェル・ワイズは、女王の信頼厚い女官、サラ。
女王に対しても臆する事無く発言し、女王を影で操ってる感も。女王と肉体関係も。
ある意味女王様のような性格で、女王を我が物のようにしているが、実は心底女王を愛し、その愛を欲し求めている。
エマ・ストーンは、侍女アビゲイル。
身分の低い地位から宮廷入り。
宮廷の女使用人たちにいびられ、従姉妹でもあるサラからもこき使われる。
が、ある時女王の病気を治した事をきっかけに女王に気に入られ…。
双方に旨味も見せ場もたっぷり。
前半は優位に立っているサラ。傲慢で偉そうでもあり、最初はヤな女に思う。
が、アビゲイルが女王に気に入られてからは次第に女王の寵愛を失い、その地位も奪われる。
アビゲイルからの下剋上で、地に堕ちる。
一転して、痛ましく、哀れ。
一方のアビゲイルは、前半は同情したくなるくらい惨め。
泥塗れ、水責め、鞭打ち、突き飛ばされ、自分で自分の顔をぶち…エマ、天晴れ!
女王に尽くし、健気で純真…だった。
野心や欲は人を変える。
サラからその座を奪い、のし上がり、サラ以上の傲慢さや策略企む表情や冷笑にヒヤリ。
身分の低い小娘が!
今の女王の寵愛は私のもの。
優位に立ったと思えば形勢逆転され、やり返しやり返され…。
女の争いはおっそろしいが、ハラハラ目が離せない。
二人の女の争いに翻弄されてるように見えて、実は一番存在感強烈な女王。
自分の愛を巡る二人の女の争いを面白楽しく見ている!
しかしその一方、病気がちでヒステリック。言動もしばしばワガママと言うより、精神不安定。
それはさらに常軌を逸していく。
クセと激しい感情のアップダウンと醜態をさらけ出したオリヴィア・コールマンの熱演に圧巻。
従来とは違う切り込みの歴史宮廷ドラマに新味を感じつつも、確かにこれはまた別の意味で好き嫌い分かれる作品だろう。
ヨルゴス・ランティモスの作品は実はこれが初見で(『ロブスター』も『聖なる鹿殺し』もまだ見てなかった!)、非常にクセある作風と聞いてはいたが、なるほど一筋縄ではいかない。
一応コメディのジャンルに分けられているが(正確にはブラック・コメディ)、決して笑えるような話ではなく、人のグロテスクさがホラーのよう。
後味も悪く、ラストも解釈難しい。
玄人映画。
でも、女優たちの熱演と女たちのバトル、話のインパクトも大。
何より、いつの時代も男は霞むぐらい、女は強か。
オトコそっちのけ
現代社会と変わらぬ権力への渇望
愛、嫉妬、狂気、策略
女の執念は怖い
3人の名優の中でもコールマンは抜群
喜劇(コメディ)を観た
BLOWJOB
女はコワイ。
いつの時代かわからないが、フランスと戦時下にあるイングランド。
女王アン(オリビア・コールマン)は少し愚かに見える。そこにつけ込んでいるのか、レディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が絶大な権力を誇っている。
そこに没落した貴族の娘アビゲイル(エマ・ストーン)がやってくる。
ヨルゴス・ランティモスは、ほぼローアングルで、ときに変なレンズを使っていて、人ではないモノの目線を思わせる演出を施している。
それは、観ている我々にも第三者的視線を思わせる効果があった。
見ようによってはおぞましいサラとアビゲイルの確執であるが、このランティモスのフィルターによって、ときにはユーモアさえ感じさせるものになっている。
3人の女優たちが高く評価されているが、僕は断然エマ・ストーンを推す。登場したときはキュートだったのが、だんだん野心あらわになり、そこまでやるかアビゲイル、となる演技は素晴らしかった。
女はコワイ、ということで。
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