女王陛下のお気に入りのレビュー・感想・評価
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権力って恐ろしい
アカデミー賞最多ノミネート
と言う言葉だけで、なんとなく観に行くと、人によっては、はい?ってなりそうな人を選ぶ映画
明白な白黒とか、起承転結とか、勧善懲悪とか、その手のものじゃないとって方はもやっとしてしまうかも
あと人間関係に疲れている時に観るのはオススメ出来ない映画
権力が絡むと、人の欲望はこうも面倒くさいものになっていくのかレベルのかなりのドロドロ劇が展開される
最初は、それほど狡猾に見えなかったアビゲイルも、後半には、最初から狡猾だったのかってなるし、どこまでが友情でどこまでが権力欲なのかなって思ってたサラも、後半には、やはり権力ありきなのかなってなる
そして結局、3人の誰の肩も持てなくなってくる
正直、今の気持ち的にこの手のドロドロを楽しく観る状態じゃなかったから、だんだん気持ちが落ちてきてしまった
ラストシーン、アビゲイルのウサギへの態度に気づいた女王を見たとき、何か展開が?と期待してしまったから、少し「はい?」ってなりかけたけど、エンドロール見ながら、これってそういうことよね。。。とあとから怖さがじわじわとくる
子供っぽかろうが、病に力を奪われていようが、権力のトップに君臨する女王であるアンをなめてはいけない
詰めが甘いぞ、アビゲイル
ブラックコメディ監督が描く、英国版“大奥”
殿を女王に据え変えた、英国版“大奥”。
寵愛を求める女性同士のバトルが国家の存亡と絡み合う、息もつかせぬ物語。
ブラックコメディ監督が、宮廷舞台劇ならではの重苦しさを見事に払拭。
欠点を抱える主人公3人の複雑な人物像が愛おしくも虚しく、誰もが心寄り添える。
女王陛下の奪い合い
LGBT寄りで官能的に進む話にもなりそうな雰囲気を醸し出しながら、Y・ランティモスの毒と変態性が程良く味付け!?されているのが良い。
本で自分を殴打するシーンは「籠の中の乙女」でのビデオデッキを思い出す痛々しさ。
本作では脚本を書いていないから、ただの雇われ監督にはならないかと不安にもなったが要らぬ心配で。
どう足掻いたって、女王陛下の絶対的な権力の前では成す術ナシ!?
女優の演技は見事だが?
イギリス版大奥と言っていい歴史映画。脚本、主演、助演女優
の演技は見事でなるほどアカデミー賞にノミネートされても
納得できる。どうすればアン王女に気にいられるか。レディサラと
アビゲイルの駆け引きは見応えがあったし、アン王女のように
権力を握った女王の苦悩も肌で感じ観て良かった。ただ、私は
3.5点にしたのは監督のこの映画で観客に伝えたい事がはっきりしないし、映画のようで海外ドラマシリーズっぽい内容である事、もう一つは
観た後の余韻がなく疲れやすい。私は映画を見るときは観た後の余韻を
重視しているがこの映画は残念ながら余韻がなかったのは残念。オリビアコールマン、エマストーン、レイチェルワイズの演技は見事です。
痛風は何を表すのか?
監督の前作「聖なる鹿殺し」で 不思議な少年の出現と家族の病が不可解な状況を生み出していた。意味はなかなか解き難いけれど。
今回の映画、コメディ的展開、女性同士の確執など分かりやすいテーマ。でも女王が、自堕落な生活のせいではあるけれど、痛風で足が不自由な状態という設定が気になった。この監督でなければやり過ごしてしまうことかもしれないが。気になる。
女の世界は怖い!!
エマストーン、レイチェルワイズ、オリヴィアコールマン、ニコラスホルトとキャストが豪華。18世紀の英国王室が舞台の女王と彼女に仕える二人の女性の愛憎劇。女同士の嫉妬、妬み、いがみ合いと、割とブラックな作品ですが、ユーモアもあるので、それほど暗い気持ちにはなりませんでしたが…観ていて結構怖かった!!日本でいうと大奥みたいな世界。女の世界は怖い!!
疑う余地のない、2019年最高傑作のひとつです。
驚愕のラストでした。
どんでん返しとか、すべてがひっくり返る種明かしが待っているという訳ではありません。
女王とエマ・ストーンの表情の変化だけで語られる内容が、実に深く見る者の心に揺さぶりをかけてくるのです。余韻の残り方、引きずられ方が尋常でないので、エンドロールもあっという間に感じられました。
ひとことで言えば『こんなはずじゃなかった』3人の物語。
女王だって今は愚鈍な操り人形のように見えるけれど、子どもたちを失った悲しみ、自分の身体が思うようにならない苦しみ、決裁が欲しい時だけ擦り寄ってくる男ども、こんなものに囲まれていたら、子どもの頃からの信頼関係(つまり、レイチェル・ワイズ)に依存してしまうのも無理はない。しかも、それなりにうまく機能してるのですから。
なのになぜ、エマ・ストーンの詐術で簡単にレイチェル・ワイズとの信頼関係を疑ってしまったのか。人間はうまくいってるはずの安定した状態であっても(いや、安定しているからこそ退屈に感じてしまうことがある)新しい、しかも魅力的な刺激があったら、ついそちらになびいてしまうという困った性癖があります。長患いの痛みまで緩和してくれたら尚更です。
レイチェル・ワイズが宮殿を追われたあと、比較的執着心が薄く感じられましたが、一旦フリーになってみると、女王を心身とも支えてきたことや政治的判断を負うことの責任からの解放が意外に心地よいことに気付いたからだと思います。
もちろん、こういう人は一定の時間が経つとまた意欲が湧いてきて本気で復帰することを考えることになるのですが。
エマ・ストーンの野心はとても分かりやすく、前半はそのやり方の豪快さや大胆さに清々しささえ感じられて、殆どの人が応援したくなります。
ところが、後半になると知略や駆け引きとは言えない〝犯罪〟の領域にまで踏み込み、それまで応援していた人も、もうそれくらいにしようよ、と引き気味になります。
そして、成り上がりゲームのゴールに達してからは、大きな目標を失った人にありがちな、無目的でやや破滅的なばか騒ぎと気の緩み(女王陛下からの信頼を得るための繊細な目配りが疎かになり、油断した行動をとってしまう)が出てしまうのです。
三者三様の複雑な人間模様、人間の強さと弱さ(というより脆さといった方がしっくりくる)が、アカデミー賞級の演技力と演出であぶり出された質の高い作品だと思います。
3人ともが先行きに明るい展望を持てないこの終わり方、やはり衝撃のラストとしか言いようがありません。
エマ・ストーンの苦渋が、自分は周囲の人と信頼関係で繋がることができない人間であることを悟ったことの哀しみに拠るのだとしたらこれほど切ないことはないですね。
結末部分が・・・。
最後に至るまでは、なかなかの傑作だな、まるでシェークスピアの史劇のようだな、とかなり感心して観ていたのですが、最後の最後になって啞然としました。あれ、一体、なんなんでしょう。どういう意味なのでしょうか。会場内にはエルトン・ジョンの名曲「スカイライン・ピジョン」が鳴り響くのみ。もうボケボケです。勿論、映像もボケていますが、それよりもなによりも結果的に作品自体が画竜点睛を欠くものとなっています。一体、どうしたのでしょう。監督の演出、もうネタ切れだったのでしょうか。エネルギーが尽きたのでしょうか。時代考証、俳優の演技が素晴らしかっただけに、落胆の度合いはかなり大きなものがあります。
アカデミー賞の最優秀作品賞はちょっと厳しいでしょうね。
そこにあるものとは…
なんて皮肉でカッコよくて(特にレイチェルワイズ)空虚で美しい作品なんだ!!
魚眼レンズと引きの映像の美しさが蠢く心を上手く引き出し否応なしに引き込まれる。3人の心の動きがとても面白い。
女の戦いだと思ってるとガツンと殺られます。
ここにあるのは真心か野心か虚栄か… ただ空虚な風が吹くのみ……
*余談ですが初めてエマストーンのおっぱい見ました。
音楽・衣装も良い
重厚な雰囲気の建物、当時は蝋燭が灯りだったので画面は暗めだけど、装飾画や衣装、音楽と相まって宮廷内部の色々な部分を見ているだけでも楽しめた。そこに女の上昇意識を掻き立てる権力。階級こそが全てと女王に気に入って貰う為には手段を選ばない。
女王の孤独感が伝わる作品だった。
英国には悲劇がお似合い
英国には悲劇がお似合いだ。
少し不謹慎な気もするが、シェークスピアばりの、この悲劇の物語を観ると、やっぱり!と思ってしまう。
イギリスのすごいところは、こうした王室の悲劇でさえ物語として記録して、国民が楽しむことが出来るところだろう。
日本では皇族の悲劇の物語は基本的には見当たらない気がする。歌舞伎も能も悲劇が主体だが、皇族を物語にするのは畏れ多いのだ。
アン女王は、ピューリタン革命から続く、イギリスが長く混乱していた時期の1700年代の前半に統治した女王だ。
この時期は、マウンダー極小期という80年から90年くらい続いた地球が寒冷化した時とも重なっていて、イギリスが当初アイルランドに侵攻したり、食糧の確保が大命題で、その後も欧州大陸の国々とも紛争が絶えなかった。
税を倍にするなんてことをやったら、本当に国民が反乱を起こしたに違いない時代だったのだ。
そんな時代の、浮世離れも甚だしい王室内の混乱や、政治的駆け引き、恋愛(?)を含んだ悲劇を少しユーモアを交え、また、少しコミカルに描いた物語で、楽しんで観れる映画だった。
シェークスピアばりの悲劇だと言ったが、この悲劇はこの物語で終わりではなく、その後も争いごとは続いていく。
そして、余談だが、この寒冷期を過ぎても、火山の大規模な噴火で、10年とか20年単位で、地球が寒冷化したことが複数回あって、その度に、欧州では革命だの戦争だのが繰り返されて、僕個人としては、食糧不足は統治に重大な問題なのだと思い返したりした。
また、この浮世離れした物語は、宮殿の中の出来事が主で、役者達の衣装も舞台を観てるようで楽しめたし、まあ、不謹慎だが、エマストーンがものすごく可愛かった。
今、イギリスは欧州連合離脱で擦った揉んだしているが、これもいつかは悲劇として記録されるのだろうか。
それとも、イギリスに止まらず世界的な分断が悲劇として語られるのだろうか。
その9 この映画は面白い
エリザベス一世が幼少期を過ごしたという屋敷での撮影は本当に豪華。
アン王女を演じたオリヴィア・コールマン、「ロブスター」でも監督とタッグを組んだレイチェル・ワイズ、「ラ・ラ・ランド」でアカデミー女優賞を受賞したのが記憶に新しいエマ・ストーンの3人は特に過去最高の演技なんじゃないか?というくらい、3人のドラマだけで映画としてのドライブ感が最高速度で進むので2時間があっという間に終わる。
そしてラストには度肝をぬかれる。
物語中盤でサラがアリゲイルにさりげなく伝える「女王を甘く見ないでね。」という言葉がここで効いてくる。
ウサギを踏み付けたアリゲイルに、私の脚を揉めと命じるアン女王。アリゲイルの頭を抑えつけ、改めてこの2人の力関係というものがどうであったか見せつける。
お前などただのお気に入りに過ぎないと。'The Favourite"というタイトルがラストで改めて提示される。
このシーンの踏み付けたウサギの映像がアリゲイルに重なりアリゲイルが消えていく演出、緊張感を高める音楽、調子に乗っていた表情から一気に深刻な表情に変化するエマ・ストーンの演技、最高である。
最高に楽しい作品だった。
ただ唯一、「その1」という間抜けな字幕は除いて。
「第1章」とかでいいじゃないか笑
てか字幕いらないでしょそこって思いましたが私の感覚のほうがおかしいのかもしれないので、このへんにしておこう。
追記:
本日二度目の観賞で気づいたことをメモ。
エンドロールで流れるエルトン・ジョンの「スカイライン・ピジョン」という曲は"地平のハトは広がる世界を夢に描き、その日を待つ。翼を広げ、もう一度飛び立てる日を」と歌っています。
ハト"Pigeon"とは"若い女性、お嬢さん"という意味もあるそうで、この映画ではまさにアリゲイルのことを意味していると思います。
なんという曲選びのセンスなのだろう。
物語に挟まれる、サラとアリゲイルのハト撃ちのシーン。
アリゲイルは本当はエルトン・ジョンの曲のように、その若さでさらに大きな世界へ羽ばたくべきだったんじゃないだろか。彼女がハト撃ちで撃ち落としていたのは、彼女の未来だったんじゃないだろうか。
あのラストを見ると、彼女はもう羽ばたくことは出来ないだろう。彼女はハトではなく"ウサギ"なのだ。
ハマりましたこの映画
なんとも不思議な魅力を醸し出していますこの映画。「なにこれ」と思うほど、尋常でない、奇抜で奇異な物語。あなたが鑑賞前に思い浮かべていたあるべき姿と違うこの物語に、期待はずれと感じるか、唖然とするかは、その人の感性次第。いずれにしても、非日常のちょとだけエロスでエゴな人間界の物語にあなたは時代を超えて引き込まれることでしょう。
シネマトゥデイより、エマ・ストーンのひみつ...
https://www.google.co.jp/amp/s/www.cinematoday.jp/news/N0105135.amp.html
シュールな権力闘争
豪華絢爛な18世紀のイギリス王室の美術や、衣装に目を釘付けにされる一方で。
内容はといえば、老女王の寵愛を得るために、二人の女が繰り広げる同性愛ラブバトル映画でした。
いや、真面目な話、スリラーというか。
いかに権力を手に入れるかという目的のために、壮絶な騙し合い・殺し合いで相手を陥れる話なので、怖いんですよ。
ところが、ところどころに入れてくる、イギリス・アイルランド・アメリカの容赦ない下ネタギリギリのユーモアがツボで。
愛撫が指派と舌派、どちらがいいか語る女王に、嫉妬を抱きあう女二人って構図に爆笑。
さらには、身分のためだけに、上流階級の軍人と結婚した舌派の女を、エマ・ストーンが演じているんですが、この初夜のシーンで私だけ大爆笑してて、他の観客は気まずさで静まりかえっていました。
実にシュール。
タイトルなし
アン女王オリヴィア・コールマンの演技が素晴らしく、前半のあるシーンでは可哀相な女王にうるっと。
過剰な広角を多用した画面からもバロックな感じがよく出てる。
でもバロック音楽ばかりなのに、後半何度かシューマンやシューベルトが流れ、近代との境目なんだなと。時代的には100年早すぎるけど、それはイギリスとドイツ・オーストリアの差、ということか。
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