劇場公開日 2019年2月15日

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「音楽がダメでちょっと残念」女王陛下のお気に入り きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0音楽がダメでちょっと残念

2019年6月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

選曲がまずくて、びっくりでした。
音楽が散漫なのです。
パーセルやバードなど英国ゆかりの古楽だけでは持たないと思ったのか めちゃめちゃなBGM 。
適当に古いヨーロッパ音楽を流せばそれっぽい雰囲気が出るとか?
これはいかんでしょう。
ギリシャ人監督のせいかな?

僕はバッハ弾きなので、突然ドイツのオルガン曲「Fantasia 」が鳴ったことで戸惑ってしまったんですね

音楽をかじった人間にはこの映画ちょっと苦痛だと思います。
この“場違い”な音楽が一旦耳についてしまうともうダメでした。頭が混乱させられて、★=減となりました。
どれくらい場違いかというと女王と国会のシーンで津軽三味線が、侍女追放の場面では演歌が突然流れてくるのとおんなじですよ(笑)
英国の宮廷映画でありながらイタリアのビバルディや、百年後のドイツのシューマンやシューベルト。更には英国には行かなかったドイツのバッハ父子とか。フランス代表はメシアンで、一応イギリス人ですがエルトン・ジョンとか。
時代も国も脈絡なしで映画ぶち壊しになりませんか。
わざとかなぁ?
わざとですね。

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この映画が高い評価を得ているのは現代の会社社会をそのまま投影しているからですね。
孤独ながら頂点に立つ創業者=女王と、奸計を企み下克上に成功する役員、そして失墜させられて去る取巻き盟友。
弱みや老いや心の隙間に近づこうとする「俺オレ」たちとの闘いは、きっと世の大会社の社長さんたちにシンパシーを抱かせるはず。

皇室・王室ブームだし、アン王女くらいまで遡ればなんとなく物語性に箔が付くような錯覚があるのかもしれませんが、でも見終わって冷静に振り返れば案外薄っぺらで、官九郎の「弥次さん喜多さん」のような歴史三文映画でした、
入り口でBGM でつまづいてしまったので。
だからケチ付けてごめんなさい。

個々の演技は★5
作品の出来は★2

きりん
sow_miyaさんのコメント
2024年2月2日

きりんさんのBGMの例え方、よくわかりました。バッハ弾きなんですね。他のレビューを読んでも、音楽にお詳しいと思っていましたが、納得しました。
映画途中の背景で流れる、ピチカートと短音が単調に繰り返される弦の響きや、音楽がある程度流れ出すと「やめて」と叫び女王がストップをかけることなど、観る者を安心させない演出なのかなとぼんやり思ってました。

sow_miya