「一筋縄ではいかない豪華絢爛宮廷絵巻」女王陛下のお気に入り andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)
一筋縄ではいかない豪華絢爛宮廷絵巻
昨年の私を不穏にさせた映画ランキングベスト3に入る「聖なる鹿殺し」を撮ったヨルゴス・ランティモスの宮廷絵巻は、若干マイルド(分かりやすく)なったとはいえやはり一筋縄ではいかないブラックユーモア。
我儘、無知、それでいてどうしようもなく傷付いている女王を争う2人の女。オリヴィア・コールマン演じるアン女王の表情の変化と台詞の陰影に圧倒される。すごく駄目なのにどうしようもなく惹かれる感じを持っている。
エマ・ストーンの絵に描いたような野心家っぷりに男前過ぎるレイチェル・ワイズ、2人の争いは思いの外醜いとか滑稽とかいうより、哀れというか...。
そして最終的には勝った、とみえた者が実はどんどん追い詰められていた、という暗示。争いというのは哀しいものだなあと思ったり。
3名ともオスカーノミネートを果たしたオリヴィア・コールマン、レイチェル・ワイズ、エマ・ストーンの演技合戦は本当に観応えたっぷり。男たちの存在感のなさよ...!それが一番滑稽だったかもしれない。
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