ひまわりDaysのレビュー・感想・評価
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心温まる五人が幸せを掴む”奇跡”
第30回ピンク映画大賞を総ナメにした作品だけに傑作です。
勤務先の社長に婚約者を寝取られ、飲み帰りには揉め事に巻き込まれた
上にカツアゲされて退職金を巻き上げられた一夫が主人公。
その一夫が親に捨てられてから壮絶な人生を送りながらも、純真な
心を持つミカヨと出会うストーリー。気立てはいいが実は泣き虫の
あけみママ、ミカヨを壮絶な人生にしてしまった負い目を背負う
ゴロウが肩寄せ営むスナックひまわりが舞台。主演のミカヨを
演じる涼川さんがとても愛おしく、素晴らしいです。
あけみママが一夫にミカヨが一夫の事が好きだとふいに言ってしまう
所でのハッとした表情。客に頭が弱いと罵られ、哀しむ表情。
一夫の告白に目一杯喜ぶ表情。どれもがいい顔しています。
笑いあり、涙ありで見終わった後は心がじんわり温まる作品です。
しかし、一夫・ミカヨ・あけみママ・一夫の母・ミカヨの父
が幸せを掴む中、ゴロウだけが一人負を背負ってしまうのはやるせ
ないですね。いつかゴロウにも幸せがやって来るのを願って
しまいます。
こんにゃくのピリ辛煮
監督が珍しくハートウォーミングなハッピーエンドにしつらえた作品だそうだ。だからなのか切れ味が鈍く感じた内容である。
先ず冗長。ストーリーはそんなに複雑ではないのにとにかく中盤の弛みに嫌気が差してくる。多分、その辺りはR18だと濡れ場を差し込んでくるのだろうが、ストーリー展開の微細を織り込むことが許される今企画に於いて、それをサボってしまっていると思わざるを得ない進行だ。それよりもなんだか同じようなコンセプトの作品が去年あったような記憶があるのだが、所謂、パラレルワールドということなのだろうか… カットも他作品を使用しているし、はっきり言って手抜きだと言われてもしょうがないと思う。
折角の職人、川瀬を配役しているのに、これじゃ宝の持ち腐れである。主役の涼川絢音にしても、演技の優劣は別にして、チャレンジングな役回りが多い。大変な苦労であろうことは観客でも分かる。しかしそれを引き立つような演出をなされていないのが勿体ないというか・・・
唯、『知的障碍』という倫理観と背徳観、その他人間の影をテーマとしてる題材は悪くはない。色々と社会性の強い内容も評価できる。
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