この世界の(さらにいくつもの)片隅にのレビュー・感想・評価
全153件中、141~153件目を表示
周作のたくましさ
前作は何故こんなシーンがせかせかと進むのかと思った。
後で時間の制約が厳しかったことを知る。
本作はそんな印象はなく、ゆっくりとストーリーを追うことが出来る。
そういう意味で完全版だろう。
前作と比べて存在感を増しているのは白木リンだ。
前作ではなぜ登場したのか分かりづらかったが白木リンの存在が
このタイトルのテーマに繋がっている。
そして周作、周作の姉と主人公のすずがこの物語の中心となっている。
頼りなさげに見える周作もじっくりと描かれた本作を見ると
こんなにたくましい人なんだと仕草一つ一つに思わせる。
白木リンとは対局にいる水原への対応、
白木リンに引きづられたすずへの対応にそれが伺える。
泣かずにいようと思ったが広島の遺児が周作の姉を
慰める存在になっていくシーンではやはり泣いてしまった。
前作で初めて知って初回での感動に及ばなかいが、
あらためて見る価値のある完全版だ。
先の通常版ではカットした原作部分を追加した長尺版で、良い作品だと思うけど・・・
先の通常版ではカットした原作部分を追加した長尺版で、良い作品だと思うけど、個人的には通常版のほうが好きだ。
今作の印象として、
通常版に比べて少しエロい
通常版に比べて少しグロい
通常版に比べてテンポが悪い と思う。
あと、スペアとしての嫁の立場は原作どおりだけど、このあたりの描写はそもそも無くてもいいんじゃないかと個人的には思う。
そのほかにも、上映時間に限りがある中で追加する必要があったのかなあと個人的に思うところがいくつかある。
原作にそった長尺版だけど、すこし冗長な作品になってしまった印象。
原作を再構築して話を短めにまとめた方が良かったのではないかと、個人的な感想。
ちなみに、けっして悪い作品ではないですよ。
完全版と呼ぶに相応しい。
…と言っても、「完全版」ってこれまで公開後にDVDを売るために作られた売り文句の場合が多かったが、これは違う。
前作の反響の多きさ・評価の高さ・興行的な成功はもちろん、クラウドファンディングなどで熱烈に支持されたその声に応えるため、前作で劇場公開のためにやむなくカットされた原作のエビソードが加わった、本当の完全版。
ここ数年で最も好きな映画の中の1本が前作「この世界の片隅に」。
劇場に何度も足を運び、DVDも購入。
そして3年の月日を経て、またあの作品が帰って来た。
それも、前作に散りばめられていた原作のピースが、シームレスに作品と繋がり、より大きくさらに厚みのある物語になって。
なんとなく言葉足らずだったり消化不良な感じのあったシーンも、ちゃんと補完されているし、すずさんの感情の動きもきめ細かく描かれている。
そして玉音放送の後の慟哭。
何回観ても私はここで感情が抑えられないのだが、今回は言葉もすずさんの気持ちがより捉えやすいように少しだけ改編されていて、今回も涙が溢れてしまった。
「生」も「死」も、決して劇的なモノではなく、日常の延長線上にある。
普通であること、その日常の大切さをすずさんの存在を通して教えてくれる。
人は独りではない。
どこかに必ず居場所があり、誰かと必ず繋がっている。
前作に比べてより分かりやすくなったことで、いわば「隙間が埋まった」「遊びがなくなった」様な気もするが、作品のメッセージが強く伝わる分、物語の基本線は同じなのに自分の中に新たな心の動きがあることに気づく。
そのくらい完成度は高い。
「昭和」の物語を「平成」から「令和」へと跨ぐ様に繋いだという意味でも、この作品の意義は大きく、その先の世代まで傑作として後世に語り継がれるのは間違いない。
こんなにも受ける印象が変わるのか
前作「この世界の片隅に」は大好きな作品なので複数回見ています。前作に思い入れが強い分、余計なものが足されてぼんやりしたイメージになったらどうしよう?と観る前は少し不安でした。観てびっくり、凄い。前と比較とかするような作品じゃないです。これはまた別の物語になってます。すずさんはすずさんなのだけど、隠していた心の内をもう少し見せてもらった感じ。途中悲しくてやりきれない気持ちにもなりますが、それ以上に心が温かく、優しい気持ちになります。
前作と同じ作品のようで、別の作品
前作より約40分長くなった長尺版となり、前作では不自然・意味不明だったシーンが繋がりを持つようになりました。
3時間近い上演時間ですが、ほとんど間延びすることなく最後まで見られました。
前作もそうですが、戦争をテーマにした映画としては珍しく、
「戦争はいけないことだ」というようなセリフを一切登場人物に喋らせることなく、
徹底的に歴史検証された時間軸の上で淡々と主人公たちの日常を描くことのみで
結果として戦争時の暮らしや悲惨さを描写している作品です。
私自身、この映画の題材である広島の呉の出身ですが、広島というのは日教組が強い地域で、
学生時代はただひたすら「戦争はいけないことだ」と教えられてきました。
しかし、勧善懲悪的な戦争作品や、明らかに話を盛っている被爆者の体験談など、
内心は腑に落ちないことが多く、そのうち政治的主張まで含まれるようになり、
次第に「反戦アレルギー」になって「反戦」に関するものにはなるべく触れないようになっていました。
前作の公開時も「また懲りずに戦争映画か」といつものようにスルーするつもりでしたが、
Twitter などでのあまりの評判の高さから映画館に行くこととなり、
そして初めて「腑に落ちる」体験をすることになり、今に至ります。
前作と本作は一部脚本が変わっているところもあり、同じ作品のようで、別の作品でもあります。
前作を見て本作でも、逆に本作を見て前作でも楽しめると思います。
前作はネット動画で有料配信もされているので、そちらを見るのも良いと思いますが、
前作同様、とあるシーンは真っ暗な映画館でこそ、というところがあるため、
是非1度は映画館で見ることをお勧めします。
小さな幸せを大切に
率直な感想としては戦争って失うものは多くてもなにも生まないよねってのはまずなにより強く思う。
この作品がそれを主として訴えてるかどうかは分からないけど、まず第一に思った。
そして人の命や心って改めて脆くか弱いものなんだなとも同時に思う。普段はボーッとしてなにも考えてないように見える人でも、大切なものを失えば心が崩れ体も弱っていってしまう。
昨日まで元気でなんともない人が一瞬で命を奪われ、残された周囲もまた壊れかけてしまう。
だからこそ今を一生懸命生きて、そして小さな幸せを大切にし、周囲と笑顔で幸せに過ごすことが大切なんだなと改めて感じさせられる作品だった。
個人的にはとても楽しく鑑賞できたが、ただすごく目新しい作品かと言われると個人的にはそう感じなかった。
普通に見やすくてわかりやすく楽しめるといった作品に思えた。
新規EDでボロ泣き
万感の思いです
まるで新作
解釈は色々
さらにいつくもの
全153件中、141~153件目を表示