「あっという間の3時間だった」この世界の(さらにいくつもの)片隅に カイラギさんの映画レビュー(感想・評価)
あっという間の3時間だった
前作「この世界の片隅に」がとても素晴らしかったので、本作も鑑賞。
前作から新作カットを追加し、3時間超えの大作。私は映画への集中力があまり無く、ちょっとでも面白くないとすぐ飽きてしまう性格なのですが、本作は3時間全く飽きずに鑑賞できました(これは私にとってはすごいことです!)。
前半は主に日常パートを描いており、太平洋戦争真っ只中とは言え、ほのぼの笑いありといった雰囲気。ですが後半に入ると空襲のシーンが増え、戦争の苛烈さにより、日常が崩壊していく様が描かれています。また登場人物の中にも、死亡したり、行方不明になる人がいて、前半の何気ない日常からの落差が、見ていて辛くなります。この作品に限らず、戦争モノというのは、虚しさと言うか、やるせなさと言うか、なんとも言えない悲しい気持ちになりますね。
またアニメーションならではの空爆の描き方は面白いです。画用紙にボタッと絵の具を垂らしたように爆発を表現するのは、実写映画では不可能。まさにアニメ独特の表現ではないかと思います。
話は変わりますが、最近は実写映画よりもアニメ映画のほうが面白いのではと思っています。直近では「アナと雪の女王2」「幸福路のチー」などを見たのですが、どちらも傑作でした。アニメ技術の向上なのか、アニメでしかできないような表現が、より磨かれていると感じます。これからもこのような素晴らしいアニメ映画を見ていきたいですね。
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