「世界に誇れる反戦映画であり人間讃歌」この世界の(さらにいくつもの)片隅に Rubysparksさんの映画レビュー(感想・評価)
世界に誇れる反戦映画であり人間讃歌
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オリジナル版もそうでしたが、今作でも後半から涙止まらずでした。世界に誇れる反戦映画であり人間讃歌。人の暮らし営みだけでなく、どうにもならない複雑な感情といったものが本当に繊細に丁寧に描かれていて、ずっと切実な気持ちでスクリーンに引き込まれていた。今よりずっと、人々の人権意識が低く、一人ひとりの人権も守られず、命も儚かなかった時代(嫁入り、人身売買、戦争など)に、それでも日々の暮らしを紡いで繋いでゆく人々のたくましさ、生々しい感情、悲しみ、笑い、楽しみ、切なさがほんとに美しく、そこが反戦映画としてだけでなく、美しい人間讃歌として成立しているこの作品の凄さだと思う。流されるようにして呉にきた主人公も、ほんとは意志を持って人生を生きてる。夫にも真摯に向き合ってる。自分の感情を見て見ぬふりせず、丁寧に扱ってる。そんな誇り高き人の人生を見せてもらえたことが尊い。前作同様エンディングにますます泣いてしまうのだけど、自分が産んだ子でなくとも、子どもの姿というのはいつの世にも希望の光になるとも思った。
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