「さらにいくつもの拍手」この世界の(さらにいくつもの)片隅に aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
さらにいくつもの拍手
アニメーションならではの表現力で描き切られた人間賛歌。
前作に新たな場面が追加された完全版とのことで、普通なら「どこが追加された」なんてところに意識が行くものだ。しかし、本作に関しては最初からどっぷり作品に浸れて、それが前にあったシーンかどうかは、関係なくなってしまった。長時間であったものの、感覚としては前作と変わらず、時間はあまり気にならない。それどころか、映画としての魅力がパワーアップされている。
それにしても、このふわっとした「すずさん」の魔力はなんなんでしょう。観ている間の居心地の良さ、久しぶりに味わいました。
恐ろしい程に厳しい日常でも、楽しく生きるたくましさ。この豊かな時代にも通じる、人びとの生活への真摯さ。戦争ではなくても、災害の時などには、同じように打ちのめされることはこれからもあるだろうけど、この社会は大丈夫だという強くしなやかなメッセージ。人びとの日々の生活こそ、社会を支えていて、ホントに素晴らしいものなんだよとの賛歌が聞こえる。
何度観ても心動かされるとともに、元気をもらえる貴重な作品です。
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