「自分の意志とは関係なく歌い始める「珍・ミュージカル」」ダンスウィズミー お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
自分の意志とは関係なく歌い始める「珍・ミュージカル」
ミュージカルって、おかしいでしょ。
いきなり主人公たちが歌いだして、恥ずかしくないんですか……という、映画の観客が誰でも感じる疑問をテーマに据え、「歌いたくもないのに音楽を聞いた瞬間に歌って踊ってしまう主人公」を描く映画です。
ストーリーやシナリオの作りにはアイディアが光っているのですが、なんと言っても残念だったのは主人公の三吉彩花の演技。
歌唱力が絶望的に弱く、まったくミュージカルになっていません。
おそらく仲間うちでのカラオケなどでは、それなりに歌える人なのだろうと思います。
ただ、マイクと電子的なギミックによって補正されるカラオケと異なり、素の歌唱力が問われるミュージカルという分野に対しては力量不足もいいところでした。
せっかくの主演映画なんだから、少なくとも半年ぐらいは声楽の学校に通い詰めて猛勉強をするとか、覚悟を決めて役を作れば良かっただろうにと残念でした。
努力と勉強、それこそが女優人生の財産なのですが、この女優は努力が好きではない女優なんだなと見抜かれる、寂しい出来ばえの映画でした。
ミュージカルというわりに、仲間うちで歌を歌うだけというシーンが多過ぎ、これも残念な点。
というわけで、これは責任を持って主演女優を教育できなかった監督の責任と、責任感が欠如した女優自身の責任問題なのでしょうね。