劇場公開日 2018年11月17日

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「酒蔵の3兄弟」おかえり、ブルゴーニュへ aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0酒蔵の3兄弟

2018年11月27日
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鑑賞方法:映画館

のどかなワイン畑に、等身大の醸造家の生活。日本で言えば杜氏なのだろう。自然を相手に、ひたむきに良いものを作り上げようと求める姿は、世の東西を違わず、共感できるものだ。

3兄弟は、長男、長女、次男。父危篤の知らせに、家を飛び出していた長男がはるばるオーストラリアから帰って来たところから、話は始まる。
父親に反抗して家を出た勝ち気な長男。ワイン造りの才能に溢れる長女、結婚して嫁の家族と暮らす大人しい次男。それぞれ少しづつ「複雑な」問題を抱えている。程なく父が亡くなり相続税の話が出る。畑と家の遺産は不可分で、3人の合意が無ければ処分出来ない。ワインの収穫をしながら、3人は話し合いを続ける。果たして、彼らのたどり着いた結末は?

といった物語。3人は時に反発しながらも、わかり合っていて、その優しさがジワジワ来ます。本当に、いい兄弟だ。亡くなった父の代わりは長女。ワインの出来は彼女の肩にかかるが、本人はあまり自信が無い。それでも大好きな醸造のために、前に進むしか無い。

ワインのことも、フランスのこともそれほど知らないけれど、牧歌的な雰囲気と、畑への愛情は日本に通じるところがあるし、収穫祭は楽しそうで、これも農業としては日本と変わらない。そんな風に、ワイナリーを身近に感じられた。そうしたのどかな雰囲気を背景にした、3人のつつき合い、支え合ってながらの、絶妙な距離感が好感持てた。

AMaclean