アルキメデスの大戦のレビュー・感想・評価
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気持ちいい
この映画は…率直に言って面白かった!
帝大数学科中退した100年に一度の天才数学者・櫂直(かいただし)が、軍の中で建設予定の軍用戦艦の計画を、予算や戦艦の設計に隠れている大きな穴を数学を使い止めようとするストーリー。
私戦争ものや軍艦系の話は好みのジャンルではないのだけど、大好きな山崎貴監督の作品は必ず観てるので行ってみました。
山崎監督作品は、私の勝手な仕分けで「永遠の0」「海賊とよばれた男」の枠と、「ジュブナイル」「ALWAYS三丁目の夕日」「寄生獣」「DESTINY鎌倉物語」の枠と2つあると思ってて、後者の方が完全に私が好きな作品が多いのですが、今回のアルキメデスは完全に前者。だけど、戦うシーンが重きとしてあるわけではなく、どうやって数学の力で軍人達を納得させて止めるのか…そこがメインとなっているところがまず良かった。
そして櫂直という天才数学者。天才であり変人でもある彼はまずキャラクターがめちゃくちゃ魅力的だった。その頭脳のレベルになるまで物凄い努力をしたんだろうけど、ただの頭良い人がではなく「色んなことを諦めなかった人」という人柄の強さが滲み出ていて、櫂のお世話係兼相方としてつかされた田中は、とても真面目な人で変人な櫂を最初は煙たい目で見ていた彼が、櫂の天才さもさることながらそれを超えたひたむきさに心が動かされて行くシーンがまあいいんだこれが…。良きバディっぷり。
重鎮俳優演じる軍人のお偉いさん達の中に放り込まれた若き天才数学者を演じる菅田将暉。
演技に見えない演技は相変わらずで、櫂直にしかもう見えない、ありきたりな言葉で言えば憑依していましたね…。菅田ではなく櫂そのもの。櫂の考えや頭脳があってからこそ展開していくストーリーや結果はとても納得がいく。
あと、それをも上回る日本政府の闇や時代の闇がゾクゾクして…決して後味の良い映画ではないけど、「天気の子」同様、今の日本を考えさせられるきっかけの映画だったことは間違いないんじゃないかな。
内容的にはなかなか難しい部分もあるけど、引き込まれるストーリーや役者さん達の魅力的な演技力のおかげで不思議と飽きのこない作品でした。櫂直の計算するシーンの黒板使いは迫真過ぎて無茶苦茶カッコよかった。それ以外も見所多数!!!
面白かったよ〜。
戦争映画と思って観ちゃダメです!
戦争映画は正直苦手です。でもここのところ「ちょっと番宣しすぎじゃないの」ってくらい露出が高まっている菅田将暉さんが後半のローテク部分(冒頭の戦闘シーンのようなCGによるハイテクに対して会議での人間対人間のせめぎ合い)が見どころだって言っていたので観てみました。確かに単調になりがちな全般のストーリーの中なかなか見ごたえがあり2時間強の長さを感じさせませんでした。戦闘シーンはある意味おまけくらいにも思えます。田中泯さんの存在感が半端なく主役を喰うくらいにも感じます。柄本祐さんも『居眠り磐音』に続き重要かつ味のある役どころを演じ明さん、時生さんとともに(そういえば嫁の安藤サクラさんも含め)柄本家大活躍の今日この頃です。角替和枝母さんもでてらっしゃいましたね。遺作になるんでしょうか?おまけみたいに書いておいて恐縮なのですが、大和の壮大さを表したCGは圧巻で山崎監督の面目躍如って感じでしょうか。結末的には哀しい流れに感じましたが、考えさせられ、いい映画でした。菅田将暉さんのここのところの活躍には目を見張るものがありますね。
追伸:浜辺美波さんは本当にお嬢様らしく美しく、櫂ならずとも測ってみたい衝動に駆られます。
面白かった!
フィクション映画と解っていながら、過去に本当にあった事実と思える程のストーリーに仕上がっていた印象。
「戦艦大和」が作られた意味が奥深い。
観賞後、誰もが冒頭のシーンを思い出すはず。このシーンを最後に見させられたら号泣は必至😭
菅田将暉さん演じる櫂直のキャラが良い。
数学の能力が高いうえ頭の回転も良い。所々で明言を語るんだけど、その言葉も心に響く。
「最初から結果を決めつけない」とか「やるなら徹底的に細かい所まで」みたいなセリフが自分の胸に刺さります(笑)
本作に映像美を求める必要無し。二時間越えの作品でしたが障害の無い清流がサラサラ流れる様な素直なストーリーで飽きること無く楽しめました。
自分的に小林克也さんが本作のツボ。
誰よりも滑舌の良いセリフで、今にもベストヒットUSAが始まりそうでニヤニヤとしてしまったのはナイショ( ´∀`)
平坦な映画
「積算ではなく…」
積算じゃなければ微分だ!?と思ったが、そんな単純なものじゃないらしい。原作は読んでいないので、読んだ人に聞いたところ、正式には偏微分の何とかという方程式とのこと。
個人的には、微分と思った瞬間に最大のクライマックスになった。
しかし結果、恐ろしく不可解な戦争に日本が突入する序章に過ぎなかった。
山本五十六が、早期講和を望んだという話はよく聞くが、平山は象徴的な戦艦大和が撃沈されることによって日本人が敗戦を自覚するという、更に先のシナリオをもって、楷と共に戦争に向かって行く。
だが、実際は、日本は戦艦大和の撃沈で戦争を終結させることはなかった。
2度の原爆、本土の至る所への空襲と多くの一般市民の命という代償を伴わなくてはならなかったのだ。
戦艦大和は、撃沈されてもなお日本人にとって希望の船であり続けた。きっとものづくりの象徴でもあり、戦後復興への願いでもあったのかもしれない。
戦争を賛美できずとも、美しいと感じる不思議な船だ。
宇宙戦艦ヤマトとして現代に蘇ったのも、そんな背景があったのだろうか。
当時でも既に時代遅れの船だったのかもしれないが、確かに美しい船だ。
専門バカの衝突
つかみはOK!
冒頭に「坊ノ岬沖海戦」のシーン。
アベンジャーやヘルダイバーが次々と大和に襲いかかる。
言っちゃ悪いがカッコいい。
弾倉の装填が追いつかずまごつく25mm3連…
有名な大和の最期の大爆発。黒煙が高々と立ち上がる。
何故?冒頭にこのシーン?ってのが最後に効いてくる。
原作がまだ終わりを告げて居ないので中途半端になるのは仕方がないが良くまとまっていると思います。
めっちゃ残念なのが櫂少佐のお色気シーンが無いことね(笑)
これ前後編にしてもっとエピソード盛り込んで欲しかった。
戦争突入を想像して焼け野原になる東京を現在の景色と重ね見るシーンがちょっとしょぼかったけど概ねCGは良かったと。
舘ひろしの山本五十六はかっこよすぎて違和感。
指が無い説明はいらなかったと思うぞ。
説明ないシーンは観る人が判断する作品色なんだから。
戦争を回避する為に
昭和8年、老朽艦金剛の退艦に伴う新造艦の建造計画が立ち上がり、後に「大和」と呼ばれる巨大戦艦を建造しようとする勢力を阻止すべく連れて来られた数学の天才と呼ばれる男の話。
史実や実在の人物も沢山出てくるがあくまでもフィクションね。
ムダに巨大な戦艦建造を目論む平山造船中将。
空母建造を計画する藤岡造船少将と山本海軍少将。
山本少将=山本五十六により海軍に連れて来られた元帝大生の櫂直主計少佐が、平山案の予算の不正を曝くべく奮闘するストーリーで、様々な制約や妨害を乗り越えたり、謎を解いたりしていく様子が心地良い。
田中とのやり取りは勿論、会議シーンでのやり取りでも笑いが折り込まれていたりと意外な愉しさもあった。キャスティングもその辺を狙った感じ!?。
かなり原作に沿った展開であるけれど、上手くまとめてテンポ良くみせているし、原作よりも軽くキャッチーな印象で面白かった。
後半のめまぐるしさに鳥肌
山崎貴監督の本気度!
冒頭からいきなり戦艦大和が沈没する特撮から始まるという驚きの展開。呆気にとられて感情移入する暇も与えてくれず、銃弾砲撃で血肉が飛び散る残酷さに山崎貴監督の本気度を感じた。また、山本五十六を美化してないところがいい。
数学によって戦争を止めることができるのか?!というテーマは、ある意味間違いではないのだろうけど、国家予算の4割が軍事費に使われるという軍国主義の矛盾を告発するような主張がメインだった。山本五十六の考えもそうだったが、米英との開戦は避けられそうにもないのだ。しかも圧倒的な軍事力の差は一般市民には知られてないし、日清戦争、日露戦争で日本が勝ち続けたことから、戦争を望む声も大きい世の中。巨大軍艦を作るよりは空母を作り、山本五十六は真珠湾への奇襲攻撃をも視野に入れていたのだ。
見積の低さを暴こうとする櫂(菅田将暉)の姿は帝一とダブって見えるが、その真剣さは数学が世の中を変えるという主張そのまま、心地よいものがある。嶋田(橋爪功)や平山(田中泯)の策略を突破できるかどうかハラハラドキドキの連続。小日向艦長のとぼけぶりに笑わせてもらいながらも、圧力のかかる中で苦難は続く。そして大阪まで出向いて、造船会社社長に直談判。浜辺美波がやってきたおかげで鶴瓶師匠も心を開いてくれるのだ。
最後の最後まで会議は波乱含み。スリリングな展開には手に汗握る瞬間もあり、開き直る軍人の姿も見苦しかったりする。そして、数学が平和を導くというテーマよりも、裏テーマとして、軍事費には血税が使われてる点、軍部と巨大軍需産業との癒着、などなど現代でも起こっていることだと考えさせられる。戦争はいつの時代も同じ。勝っても負けても大勢の人間が死んでいくのだから・・・。
THE ニッポンの映画
よく頑張ってると思います
戦艦建造のための見積もりの真偽が中心ですが、そこに力入れ過ぎではないかとは思いました。だから、戦艦、空母、やっぱり戦艦になるところや、大和建造の苦労とかを見たかったです。
もしかして、続編あるのか??
建造費がおかしいなんて、すぐわかるでしょう。
他の船の見積もりがあるんだし、、。
そんなに苦労する??
本当かは知らないのですが、大和建造の技術が、後々戦後の日本の造船技術に活かされたと聞いことがあったので、そこに繋がると面白かったかなと。
まあ、フィクションですから、そこは良しとします。
脚本も、わかりやすいし、これはこれで良かったかなと。
関西人=鶴瓶さんというのは、安易過ぎるかなと。
結局、軍人
戦艦大和(?)の建造を巡る戦い、特に菅田さんと江本さんのやりとり、最後の田中泯さんとのやりとりは面白かったです。でも、結局、軍人同士のやりとりで、戦争の道に進んで行くことは間違いないのですね。
前半の迫力とラストの解釈に引き込まれる
負けかたを知らない日本人
2019年4作目。
そんなに期待して見に行ったわけではないのに、逆転に継ぐ逆転に魅入ってしまいました。
数式ですべてが解き明かせると言うとNHKドラマのハードナッツを思い浮かべますが、これは昭和8年の軍艦建造計画を舞台にした物語。ネタバレは書かないのでストーリーについてはあまり多くは書きません。なのであまり関係ないところで櫂の人柄を象徴する部分を挙げると、やはり長門で計測しまくり「美しいものを測りたくならないとは信じられない。人として何か欠けてるんじゃないか」という発言でしょう。どちらかと言うと、櫂が溢れまくってると言えます。
まあ、天才と何とかは紙一重と。実はこの本能というのが本作のキーワードではないかと、永野と山本の会話と併せて思っています。本能ゆえに、いや、業ゆえに美しい呪いから逃れられなかった物語。
今や誰もが知る悲劇の戦艦であり、にも拘らず国民にも秘匿された不沈戦艦大和。これはフィクションですが、「リアル」なフィクションでした。
追記。
負け方だけでなく、勝ち方も知らないし、そもそも戦争を知らない。
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