劇場公開日 2019年7月26日

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「全てが水泡に帰す」アルキメデスの大戦 うむぼんずさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0全てが水泡に帰す

2020年5月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

WOWOWにて視聴。
予告やTVCMなどで何となくの知識程度で。
非常に良い映画でした。
DVDなどで持つほどではないが、
TVで流れてたら観たいな、と思います。
テーマは「数字は嘘つかない、嘘をつくのは人間」かな。

菅田将暉さんの演技をちゃんと観たのは初めてだがら難しそうな役をテンポ良く演じていて良かった。
田中少尉との掛け合いも軽妙、「国のために」という目的は同じで手法考え方が違っていただけなので、理解するのも早かったのかな、と思う。

嶋田少将や大角大臣のような政治屋は現代にもいそうだなと思わせられ、一国の政の重大な決議があのような会議で為されていたら…と恐ろしくもなる。
針小棒大な誹謗中傷や妨害工作など、駆け引きとしては必要なのかもしれないが、「国のため」に何が必要で何をせねばならないかを判断していただきたいところ。

そういう意味では数字は嘘をつかないし、エビデンスが求められるのも当然。良きにせよ悪きにせよ、判断するための材料を公平に集めなくてはならない。

たとえそれらにより冷静に判断されたとしても、ラスト付近の平山造船中将や山本少将の言のように、誤った(後から見ると)報告に進んでいくことを止められないのであれば、如何に早く終わらせる、リスクを少なくするかを考えていく。

この映画の中で櫂少佐が果たす役割は、どれだけもがいても大きな「時代」という うねりの一部分に過ぎない。
最後の涙の意味も深いものになっていく。

過ちをおかさないための数字なのに、人の感情は止められないのか。
戦争反対というよりも現代日本への提言のように感じた。

以下、印象的なセリフ(うろ覚え)
「君は測りたいと思わないのか…変わってるな」
「日本人は負けを(負け方を)知らない民族、だから…」
「私には大和が日本そのものに見える」

うむぼんず