劇場公開日 2019年7月26日

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「現代への警鐘」アルキメデスの大戦 辛口批評家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0現代への警鐘

2020年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

大まかな内容としては
「史実を変えず、裏ではこのような議論が行われていた」と言ったフィクション映画だ。
機密会議で相(あい)対する、双方が論破し勝利を納める。
しかし、まるで悪魔にでも操られているかのように、自分の望まない方へと向かっていく。
結果は、多くの人が知るところである。

しかし、これは単なるフィクションではなく、現代にも当てはまる事だ。
"自衛隊派遣"において、菅官房長官の「心配している/していない」が問題になった。
しかし、官房長官がどのように答えようとも、そこには正解など存在しない。
また、国民も個人の感想を責めたところで、何も生まれないし変わらない。
そして、自衛隊派遣については、ほぼ反対意見はなく「毎度の事」と慣れきっている。
いくら後方支援と言えど、常に危険が伴う事は多くの国民が知るところであると言うのにだ。

国が成熟するほど残された問題は、どこにも正解が存在しないものばかりである。
ぜひ若い人には、この映画をそれぞれの立場で、その時「自分ならばどうするか?」「自分がどうならば納得するのか?」との視点で見て考えて貰いたい。

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向井三四郎