劇場公開日 2019年7月26日

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「ただ単に戦争=難しい、悲しいという映画ではない」アルキメデスの大戦 miiiiiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ただ単に戦争=難しい、悲しいという映画ではない

2019年7月28日
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歴史を知っている以上、大和は建造されたのに、戦争は始まってしまうのに、櫂直は結局机上の戦争に負けてしまうのか、そうなんだなと思っていた。しかし結末はそう単純なものではなかった。
VFXの戦艦大和は大迫力でさすが山崎貴監督、という感じだったが、この映画の見どころはそれだけではない。
菅田将暉演じる戦争嫌いな数学の堅物、櫂直が軍人やその周りの人たちとの関わりの中で心が変わっていき、自分にしか出来ない過酷な試練に立ち向かうその心情の変化、真の軍人の田中少尉(柄本佑)と試練を超えていく度に徐々に強くなっていくバディ感、そして、なんといっても会議で黒板いっぱいに数式を描く櫂直のシーンはVFXと引けを取らない大迫力。諸先輩俳優から拍手が湧き上がったそうな。

ラストがまた見どころ。造船推進派の平山(田中泯)の造船に対する思いを知ったとき、櫂直はどう思ったのか、大和を見た時の櫂直の涙が全てを物語っていると感じた。

miiiii