「「積算ではなく…」」アルキメデスの大戦 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
「積算ではなく…」
積算じゃなければ微分だ!?と思ったが、そんな単純なものじゃないらしい。原作は読んでいないので、読んだ人に聞いたところ、正式には偏微分の何とかという方程式とのこと。
個人的には、微分と思った瞬間に最大のクライマックスになった。
しかし結果、恐ろしく不可解な戦争に日本が突入する序章に過ぎなかった。
山本五十六が、早期講和を望んだという話はよく聞くが、平山は象徴的な戦艦大和が撃沈されることによって日本人が敗戦を自覚するという、更に先のシナリオをもって、楷と共に戦争に向かって行く。
だが、実際は、日本は戦艦大和の撃沈で戦争を終結させることはなかった。
2度の原爆、本土の至る所への空襲と多くの一般市民の命という代償を伴わなくてはならなかったのだ。
戦艦大和は、撃沈されてもなお日本人にとって希望の船であり続けた。きっとものづくりの象徴でもあり、戦後復興への願いでもあったのかもしれない。
戦争を賛美できずとも、美しいと感じる不思議な船だ。
宇宙戦艦ヤマトとして現代に蘇ったのも、そんな背景があったのだろうか。
当時でも既に時代遅れの船だったのかもしれないが、確かに美しい船だ。
こんにちはー
荒れませんでしたねえ。
最初から敗戦覚悟ってのが刺激するかと思ったんですけどね。
田中泯さんの存在感に対して、館さん存在感、ちょっと軽かったですけどね。田中泯さんもこのストーリーだから出たんでしょうけど。
ありがとうございます。
ご指摘、よく分かります。
ヘッジファンドの回帰分析を使った指数化の仕事してたこともあるので。
この映画は、櫂が数学者じゃないですか。それで、最後の積算の過程で、積分って面倒な作業があるので微分が編み出されたってことも背景にあって、そこに気がついたって演出なのかなって。
んで、実際の数字を使って黒板で、他の船の総コストを出してみて、最後に戦艦大和の総コストが正しいって、ある意味、証明しようとしなとなかなと。
いや、なかなか面白かったです。
ワンコさんへ
荒れる要素、特段には無かったですねw
ちなみに「積算」ではなく「回帰式による推測」、ってのが算数的には正しい言い方だと思います!
「積算」とは、すなわち、物理量からの計算結果を「積み上げて」答えを出すこと。「回帰式による推測」は、観測値(これまでの実績値)から相関を見出して数式化し、目的変数を推し量る事。
経済学などでも、言ってみれば同じことをやってる訳なので、合理的な発想だと思い感心しました。