「原作未読者にオススメ。ただし、オリジナルのラストには無理がある」アルキメデスの大戦 LittleTitanさんの映画レビュー(感想・評価)
原作未読者にオススメ。ただし、オリジナルのラストには無理がある
自分は、特別原作漫画のファンではありませんでしたが、本作への期待が高まり、事前に3巻まで読んでいました。
非常に面白い漫画で、若き数学者が、己の知己と行動力で、海軍と知能戦を繰り広げる様は、とってもスリリングでした。
ほぼ鶴瓶さんのまんまの"鶴辺清"の登場は、笑いました。
なので、公開が楽しみで、初日に鑑賞したのですが、予習したことをちょっぴり後悔しました。
それは、良くも悪しくも、映画が原作3巻までを、うまくなぞっていたからです。
尺に収めるためか、所々改変されていましたが、知能戦の醍醐味は見事に再現されていました。
しかし、だからこそ最も重要な展開のオチが全て分かってしまい、スリリングさを感じられませんでした。
また、漫画の方がもう少し時間の流れがゆっくり感じられるので、1つ1つの展開の意味が理解しやすく、スリリングさが際立っていた気がします。
また、映画は原作と異なる終わり方をしますが、その部分の台詞は見所があります。
ただ、戦争と嫌う櫂直が、海戦やむなしとどうして納得したのか描かれていないので、オリジナルの展開には、少し無理を感じました。
ですが、これはあくまで原作既読者の感想であって、初見の未読者は予想のつかない展開を、原作の魅力そのままに楽しめるかもしれません。
俳優陣の演技は申し分なく、菅田将暉のフレッシュさは、生意気で青臭い天才にピッタリでした。
ヒロインの浜辺美波は、本当に美しく、原作以上に出番が多いのが嬉しく、キスシーンがないのが安心しました。
佐藤直紀の音楽はとても好きなのですが、会議シーンの冒頭の劇伴はないほうが緊張感が保てたかもと思いました。
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