「良い映画でした。」マチネの終わりに かつみんさんの映画レビュー(感想・評価)
良い映画でした。
クリックして本文を読む
原作は芥川賞作家の平野啓一郎さん。原作は読まずに観ましたが、予想(期待)以上に良い映画でした。
福山雅治(大ファン)の演技はあまり期待してなかったのですが、予想を裏切りとても良い演技でした。
石田ゆり子さんについては、ん?という部分もありましたが、全体の美しい描写に馴染んでいたのではないかと思います。
あまりにも残酷で皮肉な方法で引き裂かれた2人ですが、終焉では憤りややりきれない思いを受け入れ、前に進んで生きていこうとする余韻を残します。
洋子の離婚した夫も、元マネージャーの妻も、蒔野も、洋子も、皆それぞれが理解し誰をも恨まず、受け入れ納得して終わる。誰もが、未来(どう受け止めどう動くか)によって、過去を変えたのだと思います。
とても心に温かく豊かな余韻が残ります。
蒔野と結婚した妻も、「自分の人生においての『主役蒔野』の最高の名脇役」で生きたいと言う想いも自らの手で名脇役の座を奪ったことに築く。原作ではもっと彼女の心理を掘り下げてたのかもしれませんが、映画ではあのくらいの方が、「未来によって過去は変えられる」と言う言葉の深さと2人の愛が生きてると思います。
2人の笑顔が、2人の未来の幸福を予感させるエンディングで、とても素敵な大人の物語になって行ったと思います。
最近滅多に感じられなかった、映画を観た後の幸せを感じられました。
コメントする