劇場公開日 2019年11月1日

  • 予告編を見る

「美男と美女が織り成す大人の恋のエチュードは…」マチネの終わりに わいちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0美男と美女が織り成す大人の恋のエチュードは…

2019年11月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

どうしてこんなに切なくて遠回りなんだろう…とかって思う。

「洋子さんが死んだら、僕も死ぬよ」
「…私、結婚するんです!」
「知ってるよ…だから、止めに来た」

こんな台詞、一生のウチに一度で良いから言ってみたい!…きっと一度も言う事無く死んでいくんだろうなあ…自分はw

過去は変わらないと思っているけれど、これからの未来によって、過去の持つ意味や解釈が変わっていく、変化していくっていう事なんだろうと思う、きっと。

世の中の大抵のものには可逆性があるけれど、時間だけは非可逆的なものの典型なんだそうだ。どうして時間が非可逆的なのかというと、エントロピーは常に増大し続けるという法則に則っているからなんだ…そうだ。

時間は巻き戻せないから、あの時ああだったとか、あの時ああすれば良かったとかって思うけど…そういう事全てを受け入れて呑み込んで、そうして時の流れを静かに噛み締めるのが、大人の恋の有りようという事なんでしょうネ…きっと。

石田ゆり子さんが、自らの運命を静かに受け入れる、とても素敵な女性でした。
もしかしたら、失われた時間を取り戻せるかも知れない予感を漂わせながらも、それぞれの大人が背負って来た時間が、大人の恋を複雑にして躊躇わせてしまう事があるのかも知れません。それも含めて、大人の恋の有りようという事なんでしょうネ…きっと。

わいちゃん