真実のレビュー・感想・評価
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お茶目なドヌーブ
私、邦画よりもハリウッド作品よりもフランス映画が好きなのですが、そう言えばこんなお茶目なカトリーヌ・ドヌーブを今まで観たことがないかもしれません。それと、コメディとまでいかないギリギリのラインにドヌーブを寄せていたところ、是枝監督のセンスを感じてしまいました。
女優というのは、真実が分からなくなるほど、脚本やクリエイティブなものに支配されている。これは映画作家も全く同じ。だから、ドヌーブがブリジット・バルドーを皮肉っているシーンは、是枝監督のクリエイターとしての本気度を感じました。それに、ドヌーブに言わせているのも、シニカルで好き。
是枝監督の初期作品は、どこかドキュメンタリータッチの雰囲気がありましたが、今作もドヌーブの密着ドキュメンタリーフィルムのように見えて、面白かったです。次は、イザベル・ユペール&是枝監督を観てみたいです。
敢えて吹き替え版で鑑賞。
芝居でしか繋がれない親子。その絶対の自信を持っていたものにモヤがかかった頃、自分の存在価値を再確認する。芝居がなくなったらどうやって生きていくのか。でも確かに親子の愛があった。出演した作品がきっかけで、それに気づく。ごねてる様子は子供そのもの。可愛くさえ思えた。最後もやはり芝居で心から親を喜ばせた。思えば日常は芝居でできているのかも。これを言ったら相手が喜ぶ、傷付く、など考えながら態度や言葉で表す。うーん、深い。しかし本来親子の年齢の2人が逆の立場で演技するってどんだけ高レベルだよ。でも確かに親子に見えました。宮本信子の声はぴったり。そしてうまい!宮崎あおいはちょっと子供っぽすぎるか。
文化の違いは伝わりにくい?
是枝監督の映画と言う「期待」がなければなかなかな映画。 でもそうと知っていると何か足りない。
素晴らしキャストと、 是枝監督トレードマークの子供役者からビックリすほどの演技力を引き出すパフォーマンス。 その上にいくつもの言語を自然と扱っている様子。
でもやっぱり、 いつも期待している感動や感情が足りない。 普段とっても深い意味のある映画が、 何だか割と通常なドラマになっている。 是枝マジックが欲しかった。
それほど大仰なことは起こらないが
期せずしてプチイーサン・ホーク祭りになっております。ドヌーブとビノシュのガチンコ親子対決にあたふたする娘夫役が妙に似合います。ガチンコは言い過ぎのマイルドさでしたが。
ジャックさんは専属料理人かと思っていたら、同じベットで寝てるから現恋人(夫?)なのですね。さすが恋多き女ドヌーブさんです。知らずに適当なことを書いております。「女優」という人たちの業の深さを垣間見ることができました。ただ、言われなきゃ絶対に是枝作品だとわからないのではと思います。
大女優のオーラが
まず先に言いたいのは、
是枝裕和はドキュメンタリーの監督であるということ。
これを忘れてはいけない。
彼が描く作品は、このスピリットが失われていないので、
叙情的なシーンなど、「は?なにこれ?」となるケースが多い。
しかしこれはドキュメンタリーですと前置きすると納得するケースが多い。
今回の作品もカトリーヌ・ドヌーブのドキュメンタリー作品ですと思って鑑賞すると、
往年の大女優は今でも健在で、イーサン・ホークが小さく見えることが何よりそれを表している。
そして前半眠たい展開も、後半になるにつれて、
なるほどこう来たかというセリフの往来。
前半から魔法使いが亀にのくだりは面白かったけれど、
後半、娘との距離の取り方や、執事とのやりとり、
カトリーヌ独特の表現のしかたに、
あぁ、やっぱりこれはファビエンヌではなく、カトリーヌのドキュメンタリーだと気が付く。
シャルロットもとってもよかった。
シワシワのおばあちゃんなのに、真っ赤なマニキュアを忘れない。
胸よりお腹が出っ張っている体型なのに、シルクのパジャマとか着ちゃう、
犬の散歩なのにあんなに着飾っていく。
あぁ、ホントに彼女の日常を観ているよう。
特にエンドロールが私のお気に入り。
なんてことないシーンなのに、すごく惹かれる。
これが是枝監督のやり方なんだなと思った。
あらゆる役者をリスペクトしているからこそできる表現。
しかし編集がきっと別な人なのだろうと思う。
あちこち本当に雑で、
日本人独特の余韻は清々しいほどカットされている。
そういえば、これは母と娘の確執の話だったはずなのに、
終わってみれば、そういえばそんな話だったねと思う始末w
カトリーヌ・ドヌーブ様を愛でる映画♪
それぞれの家族にとって真実とは何か。
脚本、役者、映画、すべて虚構の嘘だけれど、その中に想いを忍ばせて。
反発しつつも少しずつ近づき、かけていたものを補い始める母娘、じれったくてコミカルで愛らしくて、とてもかわいかったです。
母娘も夫婦もあんなにずけずけ言いあえるのは。。。お国柄?日本人にはびっくりするけどいい愛がまた軽妙で、悪びれないところが腹立たしくもチャーミングでいとおしい。なんだかカトリーヌ・ドヌーブ様を愛でる映画でした。
ドヌーヴ引っ張り出した時点で勝ちみたいなもん。
ドヌーヴとビノシュ共演でイーサン・ホークもいる。こんなん誰が撮っても見ますがな!その上で是枝が撮るときたら、見る見る!って感じですが、色々あって11月になってからやっと見られました。危なかった。
吹替が割と多くて、いい時間の字幕がなくて。後回しになったんです。
ドヌーヴの存在感が強くて、是枝色は薄めの仕上がりでしたが、面白かったです。
ヒョウ柄コートで犬の散歩をして、石ころを足で転がす姿がめちゃチャーミングでした。
鑑賞後にドヌーヴが体調を崩したとのニュースを見て肝が縮みました。まだ何作か新作を見せて欲しいので…
カートリーヌ・ドヌーブ
カートリーヌ・ドヌーブありきの映画。
大女優が大女優本人の役を演じているようにしか観えない。
その位リアリティがあった。
ビノシュとのやり取りも自分の娘ともそうだったのでは…などと想像してしまう。
イーサン・ホークとの絡みも勝手の美貌は何処へやら恰幅がよくなって老いも隠せない姿であるにも関わらず何か危うい事が起こってしまっても無理の無いような魅力を感じさせる。
ストーリーはいつの世も私の身近にもある母の愛を求めるが故に攻撃的になってしまう娘と女優を演じるためなら全てを犠牲にしても良いと言い切る母の物語。
そこにダメダメな男共が絡み意外と真実をつく言葉を放ったりして…
特にイーサン・ホーク良かったです。
あと今回是枝監督に見出されだマノン・ルノワール。
美しく清楚でそれでいて確かな演技力があり、かって主人公のライバルと目されていた女優の再来と言われる役どころをしっかりと演じていた。
是枝監督の新人を見出す目にはいつも感心させられます。
子役の女の子二人も良かった。
母と娘の関係に何かしら思いがある方にはぜひ観て頂きたいです。
初めて観た不思議ちゃんはこの人だった・・・
カトリーヌ・ドヌーブを
初めて見たのは、ブニュエル作品か、
シェルブールか記憶に無いが、
不思議な綺麗な人という印象だった、
だったというか、今もそう。
娘や家族との葛藤を表現するような繊細なお芝居はどうなんだろう。
これがまたジャストフィットというか、
ぴったりとハマっていた。
安心感と大失敗(自分の)
是枝監督初めての海外撮影となったものの、作品としては登場人物の少ない小さな家族の話でありながらドラマチックに揺さぶられる是-枝調で締まっていた。ジュリエット・ビノシュから声をかけてもらったそうだけど、見る目があるなあと。日本人が洋画をまねてちょっとしゃれてみました、っていうようなところもあったように思うけど。あと若い女優役マノンクラヴェルが綺麗でうまくて良かった。
(ところでちょっと長い特別編が公開されて、イーサンホークの出番が多くなってるらしく、そちらに行こうと思っていたけど気づいたら上映終わってしまってた。しかし上映期間中に別バージョンを流すというのは、観客に対してちょっとダメなやり方だとおもう。)
そして個人的に大きな失敗をしてしまったのは、NHKの撮影ドキュメンタリーを先に見てしまっていたこと。これを見てたから映画館で観たくなったのも事実だけど、反面、ほとんどのシーンが映っちゃってたので驚きが削がれてしまった。映画の上映中に放映するなら、せめてダンスのシーンとか撮影所のシーンとか、何か所かは隠しておいてほしかったよNHK...て、場面少ないから無理か。
だれの真実·····?
いろいろと見え隠れするホントとウソ
何が本当で何が嘘なのか?
本人しか分からない事もある
私生活を犠牲にしても女優を続けてきたんだから
夢と現を錯覚もするわ
今の時代はたくさん演じる場所がある、って言ってた
確かに昔はそれこそ役の取り合いをする程
作品自体が数少なかったんだろうな
仕事で生き残る為の努力の方を優先した結果
娘と距離が出来ただけで、愛情が無い訳ではない
人の記憶なんて曖昧だもの
真実を追求するなんて警察だけで充分
出来るだけポジティブに·····
最後はハッピーエンドで良かった!
お父さんのピエールは亀に戻されちゃったけどね😅
枯葉が似合う
いいなぁフランス映画。
過度なメッセージ性も演出もありゃしない笑
BGMもシンプル!
だから何も考えず、聴き慣れないフランス語の響きだけに浸っている。
ある意味贅沢な時間。
ナチュラルな映画鑑賞。
事実と誤解が織りなす母娘の葛藤
劇中劇が母娘の葛藤をほぐすという、めんどくさいっちゃめんどくさい話ではあるけれど、逆に分かりやすいっちゃ分かりやすいかな。
それにしても、カトリーヌドヌーブは、相変わらず綺麗だし、カッコいい!
答えのない漂いぶりが詩的
映画は詩的でなければと映画の中で主人公が言っていたけれど、この映画は詩的だった。舞台がパリでもどこでもこれは是枝監督らしい詩だと思う。真実はわからない。真実が見えたようなそうでないような、その答えのない漂いぶりが詩的だ。女優というのは真実を持ち得ない生き物なのかもしれない。でも誰もがそうだと思う。
真実とは
某アニメでは、真実はいつも一つ!という大上段に構えたセリフが有名だが、この映画はもっと深い。嘘を真実にする、そんな魔法のようなことが大女優には可能なのだ。
是枝監督、万引き家族で凄い監督だなぁと思ったのだが、これからは世界進出でしょうか。世界に通用する日本人監督というのも誇らしいのだが、個人的には世界中の人に届かなくても良いので日本人の心に響く邦画を作り続けて欲しい。
好きな監督だからこそそう思うのです。
タイトルが問いかけてくる
登場人物は少ないのですが、それぞれの思いを想像するのが忙しい映画でした。彼達にとっての真実は何だろう、と場面が切り替わる度に考え、人はすれ違うものだな、と。
日本人の監督が、日本人以外の俳優達とこうした表現が出来る事は面白い。
大女優ってやつは…
嘘つきで傲慢、やたらプライドが高いなどなど上げたらきりがないほどのようだ。
それらを全てベールに隠し演じ切る。
親子の葛藤と言うよりも、大女優のプライベート生活を描いているようだし、ファビエンヌがドヌーブそのものなんだと見ていてそう思っていた。
彼女を引っ張り出した是枝監督もさぞ大変だったに違いない。
なんてことばかり考えてしまった。
洗練された、とても美しいフランス映画
ヨーロッパ映画と聞くと、作り手の芸術性重視で、観客に「観たければどうぞ」的な、敷居の高いイメージ。
対してハリウッド映画は、観客の満足度重視で「ぜひ観てください」という、娯楽志向的なイメージ。
昔の日本映画はどちらかというとヨーロッパ的な志向が強かったためか、邦画は暗く退屈でつまらないと敬遠され、段々とハリウッドの商業主義的な方向に寄っていった(お金も大事ですからね)わけですが……。
で、日仏合作の今作品は、日本映画とヨーロッパ映画が、本来はとても相性の良いものだということに気付かせてもらえます。
フランスの実力派女優たちによる、演技を見せつけあうかのような真剣勝負(劇中劇含め)は見事でした。
そして、それを撮りきったのが日本人監督であることに、日本映画界は誇りを持ってほしいですね。
『しかけ』を楽しむ映画です
是枝監督は、やっぱりくせ者でした。じわじわ、と来る。
和解というベタなストーリーだと、表面をなぞるだけではあまりにもったいない。
あのストーリーで、なぜ劇中劇がなぜSFなのか。サラの再来と評価されるマノンが演じる劇中の母は歳をとらず、娘役のファビエンヌが肉体的には母の歳を追い越す。そんな不思議なストーリーに、深い意味がないはずがない。
サラという存在との関わりの中で、それだけではなくファビエンヌの実母という存在との関わりの中で、是枝監督はおそらく2重に意味を込めたのでしょう。丸1日たってから、気づかされました。
そもそも、母娘の和解だったのでしょうか。和解というより、『赦し』というべきものが描かれていたような…。真実などどこにもなくて、でも、赦すことはできる。是枝監督の深い人間観が、そこには映し出されていたのでしょうか。
残念だったのは、フランス語と英語が混在していたはずの会話の、どこがフランス語で、どこが英語だったのか、後になってみると全く分かっていなかったことです。
リュミエールの夫ハンクの演技を、ファビエンヌがボロ糞にけなす場面、あれはハンクがフランス語を理解していないから、ハンクには伝わっていなかったのでしょうか。そう見せかけておいて、実はハンクはフランス語が理解できないと、演技していただけだったりして・・・。何といっても、執事のリュックですら、「仕事を辞める」という言葉の真実を最後まで明らかにしないのですから。
シャルロットのかわいらしさ、魅力的な音楽、カメラワークの細部、どこをとってもよく行き届いた心配りが感じられました。是枝監督の重層的な作り込みに、感服。
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