真実のレビュー・感想・評価
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記憶なんてあてにならない。変わっていくもの
映画「真実」(是枝裕和監督)から。
是枝監督作品で、カトリーヌ・ドヌーブが主役で・・は、
私の映画鑑賞方法ではあまり関係なく、観終わった。
大女優の自宅について「すぐ裏は刑務所だけどね」の台詞が
何回か登場するが、その仕掛けの意味が分からなかったし、
「サラ」という女優の名前が準主役のように連呼されるが、
影も形も見えなく、イメージすら掴めなかった。(笑)
さて、気になる一言は「真実」ではなく「記憶」。
「母の記憶」という映画名だったり「記憶っていい加減ね」
「記憶なんてあてにならない。変わっていくもの」など、
「記憶」という単語が多く使われていたし、
主人公の大女優の自伝本「真実」が、事実と違うと憤るが、
「本当の話なんかしない。それに事実なんて面白くないわよ」
と一蹴してしまう存在感がとても面白かった。
そういえば「『真実』に私は1度も出て来ませんでした。
存在を否定された気分です」と言って、執事が辞めようとする。
自伝本だから、長く仕えた自分は登場すると思っていたら、
書かれていなかった・・と拗ねるシーンがある。
それこそ「(執事が登場する)事実なんて面白くないわよ」と感じ、
外したのかもしれない。
歴史上の人物だって、権力者によって上書きされる世の中、
「自伝=事実」なんてことはあり得ないのになぁ。
P.S
毒舌の大女優を「彼女、寂しかったのよ」でまとめると、
なんだか、つまらない作品になってしまう気がするのは私だけ?
2重3重に重なる。何度でも見返せる
母と娘の秘めた思いが 重なっているのは、涙が出る。 言えない真実を外に出して晴れ晴れとしたいい読後感あり。家族は似た者同士が一緒になるというが、そこに撮影など2重3重の暗喩と
類似。 本当の思いは自分でもなかなか言葉にできないもの。それが難しい。ずっと長く長く秘めた真実の思いを持つ親子。長い長いとき。もう新しいことはない。というセリフが、悲しい。がその逆を行く心情に深い深い監督の人間愛を感じる。
読み解く力が必要で、依正不二がうまく使われていた。現実感のある人にしかわからない現実の先の創造に温かみを受けた。真実は感じさせる。プライベートの現実とオーバーラップさせる技術を持っている監督ではなかろうか? 心情を読み解けると楽しめて、感情移入できる作品。おすすめ。見る側の人間味が試される作品。
お茶目なドヌーブ
私、邦画よりもハリウッド作品よりもフランス映画が好きなのですが、そう言えばこんなお茶目なカトリーヌ・ドヌーブを今まで観たことがないかもしれません。それと、コメディとまでいかないギリギリのラインにドヌーブを寄せていたところ、是枝監督のセンスを感じてしまいました。
女優というのは、真実が分からなくなるほど、脚本やクリエイティブなものに支配されている。これは映画作家も全く同じ。だから、ドヌーブがブリジット・バルドーを皮肉っているシーンは、是枝監督のクリエイターとしての本気度を感じました。それに、ドヌーブに言わせているのも、シニカルで好き。
是枝監督の初期作品は、どこかドキュメンタリータッチの雰囲気がありましたが、今作もドヌーブの密着ドキュメンタリーフィルムのように見えて、面白かったです。次は、イザベル・ユペール&是枝監督を観てみたいです。
敢えて吹き替え版で鑑賞。
文化の違いは伝わりにくい?
それほど大仰なことは起こらないが
大女優のオーラが
まず先に言いたいのは、
是枝裕和はドキュメンタリーの監督であるということ。
これを忘れてはいけない。
彼が描く作品は、このスピリットが失われていないので、
叙情的なシーンなど、「は?なにこれ?」となるケースが多い。
しかしこれはドキュメンタリーですと前置きすると納得するケースが多い。
今回の作品もカトリーヌ・ドヌーブのドキュメンタリー作品ですと思って鑑賞すると、
往年の大女優は今でも健在で、イーサン・ホークが小さく見えることが何よりそれを表している。
そして前半眠たい展開も、後半になるにつれて、
なるほどこう来たかというセリフの往来。
前半から魔法使いが亀にのくだりは面白かったけれど、
後半、娘との距離の取り方や、執事とのやりとり、
カトリーヌ独特の表現のしかたに、
あぁ、やっぱりこれはファビエンヌではなく、カトリーヌのドキュメンタリーだと気が付く。
シャルロットもとってもよかった。
シワシワのおばあちゃんなのに、真っ赤なマニキュアを忘れない。
胸よりお腹が出っ張っている体型なのに、シルクのパジャマとか着ちゃう、
犬の散歩なのにあんなに着飾っていく。
あぁ、ホントに彼女の日常を観ているよう。
特にエンドロールが私のお気に入り。
なんてことないシーンなのに、すごく惹かれる。
これが是枝監督のやり方なんだなと思った。
あらゆる役者をリスペクトしているからこそできる表現。
しかし編集がきっと別な人なのだろうと思う。
あちこち本当に雑で、
日本人独特の余韻は清々しいほどカットされている。
そういえば、これは母と娘の確執の話だったはずなのに、
終わってみれば、そういえばそんな話だったねと思う始末w
カトリーヌ・ドヌーブ様を愛でる映画♪
ドヌーヴ引っ張り出した時点で勝ちみたいなもん。
ドヌーヴとビノシュ共演でイーサン・ホークもいる。こんなん誰が撮っても見ますがな!その上で是枝が撮るときたら、見る見る!って感じですが、色々あって11月になってからやっと見られました。危なかった。
吹替が割と多くて、いい時間の字幕がなくて。後回しになったんです。
ドヌーヴの存在感が強くて、是枝色は薄めの仕上がりでしたが、面白かったです。
ヒョウ柄コートで犬の散歩をして、石ころを足で転がす姿がめちゃチャーミングでした。
鑑賞後にドヌーヴが体調を崩したとのニュースを見て肝が縮みました。まだ何作か新作を見せて欲しいので…
カートリーヌ・ドヌーブ
カートリーヌ・ドヌーブありきの映画。
大女優が大女優本人の役を演じているようにしか観えない。
その位リアリティがあった。
ビノシュとのやり取りも自分の娘ともそうだったのでは…などと想像してしまう。
イーサン・ホークとの絡みも勝手の美貌は何処へやら恰幅がよくなって老いも隠せない姿であるにも関わらず何か危うい事が起こってしまっても無理の無いような魅力を感じさせる。
ストーリーはいつの世も私の身近にもある母の愛を求めるが故に攻撃的になってしまう娘と女優を演じるためなら全てを犠牲にしても良いと言い切る母の物語。
そこにダメダメな男共が絡み意外と真実をつく言葉を放ったりして…
特にイーサン・ホーク良かったです。
あと今回是枝監督に見出されだマノン・ルノワール。
美しく清楚でそれでいて確かな演技力があり、かって主人公のライバルと目されていた女優の再来と言われる役どころをしっかりと演じていた。
是枝監督の新人を見出す目にはいつも感心させられます。
子役の女の子二人も良かった。
母と娘の関係に何かしら思いがある方にはぜひ観て頂きたいです。
初めて観た不思議ちゃんはこの人だった・・・
安心感と大失敗(自分の)
是枝監督初めての海外撮影となったものの、作品としては登場人物の少ない小さな家族の話でありながらドラマチックに揺さぶられる是-枝調で締まっていた。ジュリエット・ビノシュから声をかけてもらったそうだけど、見る目があるなあと。日本人が洋画をまねてちょっとしゃれてみました、っていうようなところもあったように思うけど。あと若い女優役マノンクラヴェルが綺麗でうまくて良かった。
(ところでちょっと長い特別編が公開されて、イーサンホークの出番が多くなってるらしく、そちらに行こうと思っていたけど気づいたら上映終わってしまってた。しかし上映期間中に別バージョンを流すというのは、観客に対してちょっとダメなやり方だとおもう。)
そして個人的に大きな失敗をしてしまったのは、NHKの撮影ドキュメンタリーを先に見てしまっていたこと。これを見てたから映画館で観たくなったのも事実だけど、反面、ほとんどのシーンが映っちゃってたので驚きが削がれてしまった。映画の上映中に放映するなら、せめてダンスのシーンとか撮影所のシーンとか、何か所かは隠しておいてほしかったよNHK...て、場面少ないから無理か。
だれの真実·····?
答えのない漂いぶりが詩的
真実とは
タイトルが問いかけてくる
大女優ってやつは…
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