海獣の子供のレビュー・感想・評価
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海と生命を舞台にした最高のアニメーション表現
いろんなところで言われている通り、中盤以降のストーリーは難解。
ストーリーというよりも、途中からは抽象的な美術表現によって
繰り返し、メッセージを訴えていく、というようおな映画に変わる。
その美術的表現の意味合いを理解するのが難しい。
ところどころ合間に、キャラクターの「~なんだ。」というような、分かったような説明セリフが挿入されるせいで、余計その難解さが際立ってしまう。
「え?このキャラはなんかわかっているような発言をしているけど、全然よく分からないんだけど...」
という思考を繰り返してしまい、中盤以降は見ているエネルギーが無くなった。見続けるのがつらく、どこまでこの抽象表現が続くのだろう、という気分になった。
各々のキャラクターが、その映画を貫くテーマを体現しているようだが、そのメッセージや、一つ一つの行動や描写の表現の意味が理解できないのもつらい。そのため、感情移入ができるキャラクターも全くいなかった..。
ただ、全般を通じて、日常から宇宙に至るまでのアニメーション表現は素晴らしい。
これまでっみた映画の中でも、「アニメーション」という観点では、かなりレベルも高く、すさまじい描写が続いた。
凄まじいアニメーションを見に行く、という観点で見にいって、
この映画のメッセージや各シーンや描写の解釈は
玄人のブログやラジオを聞いて補強するのがいいと思う。
見る人によって評価が分かれる作品
きれいな映像と合ったきれいな音楽を聞くために見た。
映像は迫力があってキレイで、素晴らしかった。
でも内容が難解で感情移入する事が出来なかった。
映像が素晴らしいクライマックスであのテーマソングが流れていたら、もう少し心を動かされたかもしれない。
芦田愛菜さん他声優さんの声は自然で、話に誘導してくれた。
テーマが深すぎるのと、音楽が効果的に使われて無いのが残念だった…
しかし、あの壮大な世界観にはまる人には心に残る作品になっていると思う。
評価が難しい
非常に難解な映画。しかも評価が極めて難しい。映像のインパクトは凄い。これしかないとの評は多いがそれだけでも相当なレベルで見た事のない映画。テーマ的にはむしろありきたりだがなかなか解釈が一筋縄ではいかない。原作本が気になるところだ。読んで見てもう一度考えたい。
次元を上げてくれる作品
原作があった事も知らず友人に勧められ
事前知識なしで観に行きました。
この内容を映像化した制作チーム凄いです。
話も良くまとまっていると思います。
きっとこの内容が分かる人はあまり多くはいない気がします。
そういった人でも今後世間の事ばかりではなく、人間・自分自身に関心を向けて理解を深めていくと、この映画の内容と映像や音に感動できると思います。
この映画ヒットしてくれると少しはいい世の中になる気はします。
生命の起源は海ってこと?
原作未読だが、タイトルと米津玄師に惹かれて観賞。序盤は海辺の町で繰り広げられる思春期の少女の物語に、海沿いの町もいいなと思っていたのも束の間、中盤から終盤はまるで別物といわんばかりの壮大な物語に変貌。
展開についていくのがやっとで、理解もそこそこに、隕石?光?が地球(大いなる海)にぶつかりその衝撃で生命が誕生したということを云わんとしているのかなあと勝手に想像。水があっての生命だし。羊水とかもね。
映像美はそれほどではなかったが、なんとなく考えさせられるスケールの大きさとエンドロール見るまで気づかなかった芦田愛菜の声にプラス一点かな。
米津玄師の曲はこの映画離れたらヒットしないのでは?歌詞がまんまなので、一般的でないからね。とにかく難しい映画でした。
ドSF
傑作だと思う。
原作未見で1回、原作を読み倒して、2回目鑑賞。
この映画の事を考えてると、実際体験した夏の出来事を思い出すような感じになる。
巨大なパンフを見直すとアルバムを見てるような。
今頃、琉花はテデはジムは…とも思えてくる。
フィクションとは分かっているのに忘れられない映画になった。
「訳わからん」「意味不明」的な事を言ってる人は読解力、想像力がないのか。
人それぞれと言われればそれまでだか。
普段、馬鹿みたいに全部説明してくれる物ばかり見てるんだろうか。
かと言って、自分も全てを理解した訳ではないし、全てを理解するなんて無理だ。
映画は尺の都合もあり、原作とくらべ大分端折ってわかりやすく説明過多な方だ。
でなくとも、凄いものを見てしまったとなって星1つになりようがないんじゃないか。
まあ、人それぞれか。
劇場には小さなお子さん連れの家族も多く、流石に難しい子もいたとは思う。
でも、子供の時にこれを見れたのはとても羨ましい。
数年後是非見なおしてほしい。
音も良い、こればっかりは劇場のデカイ音でビリビリと体感してほしい。
夏休み前に公開館が減ってきそうだが、この夏にみて暑くて寝付けない日に思い出して頭を熱くしてくれる人が増えてもらいたい。
素晴らしいトリップ感
びっくりするほど話題になってなくて、びっくりするほど素晴らしかった作品。原作は読んでないが、原作の絵の感じを移行しつつ、実写の縦抜けの演出を入れ込んで
マンガの映画化としてはかなり質の高い試みが展開する。要するにかなり意気込みのあるアニメだということ。もうそれだけで元は取れてるのだが、まさかこの作品が宇宙と地球の起源に遡る話とは知らず、いいものを見たな、と。またよくもこんなにヒットしなさそうな壮大な企画を映画にしたな、と。でもたぶん語り継がれる作品になるでしょう。
我々世代を直撃した、あのグランブルーのルックからいいものを取り込んでSFファンタジーにしたな、と。
とにかくトリップ感が凄かった。素晴らしい夏休みの体験映画
美しく壮大な宇宙と海の叙事詩
『地球交響曲』『EARTH』『プラネットブルー』等が好きな人におすすめ。難解と言われますが、前半はすんなり理解できます。ザトウクジラの歌を研究する海洋学者、満月夜の高潮、ここ十数年クジラやアザラシ等が大量に座礁したニュース等 普通に現実の自然現象とリンクする事が描かれてます。宇宙、野生動物、自然破壊、人体の組成元素等について常識程度の知識があれば普通にわかりますよ。地球の磁場が狂ったか等 座礁の原因は不明のままだし、宇宙のビッグバンの起源とか、まだ現代科学では解明されてない事が描かれてるのだから、話を理解できないって作者を非難するのは間違いですよね笑
ジブリ並に、自分でも感受性を働かせて 読み解きながら見るべきです。
映像だけでも凄いです!
誰も見たことのない宇宙の起源ビッグバン、海の誕生、生命の誕生、それらが一緒くたに同時に描かれ、凄い映像表現になってます。
かつて、
『もののけ姫』では、神を殺し 人が自然を支配し始めた歴史を、神話的に描かれました。あのシシ神デイダラボッチ、タタリ神…。
『君の名は』では、口かみ酒を飲んだ瀧が 三葉の記憶をたどる場面で、ヒトの誕生を詩的に描かれました。
『エヴァンゲリオン』では、世界の終末それは新たな始まり? とキリスト教の神話をまじえて描かれました。
ほかにも『星を追う子ども』の伝説が蘇る場面、『ハウルの動く城』でハウルが強い魔法を手に入れる場面、『バケモノの子』で巨大クジラが街に現れる場面、『巌窟王』などなど、あの美しく激しい映像が一緒くたになってる感じです。そういう映像美に包まれて圧倒されたい方は、ぜひ『海獣の子ども』を映画館で(^^)
だって、宇宙の始まりのビッグバンなんて、絶対誰も一生見ることできない。現代の最新科学で、やっとブラックホールが見えたばかり。それを誰もが見れる形の映像に表現してくれたなんて、まだNHKもBBCの最新CGもここまでできませんよ!それだけでも見る価値ありです!
圧倒的な映像美で生命の深淵を感じた
今まで見たことがない映像美に最初から最後まで圧倒された。見るというよりも感じる映像だった。なんとなく敬遠していたのだが、劇場で見れてよかった。
それにしても芦田愛菜は、声優としてもすごいね。芦田愛菜を全く感じさせない。瑠花と同一しているから、途中から芦田愛菜が演じていることを忘れてしまうくらい。
難しい
好き嫌いが分かれそう。一般受けに安易に走らず、制作側の気合が感じられたけど、その分難解。Don't think.Feelかも。原作未読だけど、たぶんだいぶ端折ってるんだろうなぁ。
海愛に溢れた画面は映画館の大画面で観た方が良い。後方じゃなくて気持ち前寄りで。
エンディングの曲が流れても席を立たないで!エピローグ見逃さないで~
とっても哲学的
映像は初めてナウシカを見たときぐらいにとてもディテールが細かく、繊細で大胆で、うわ〜っと思ってみましたが、ストーリーが途中からとても哲学的メッセージと、大人の政治的な世界が垣間見える内容もあって、ちょっと重く感じました。 映像迫力があるだけに、実はちょっと苦手なタイプの映画です。
圧倒された。「絵」の素晴らしさに。
宇宙の誕生、銀河や星々や物質や生命の誕生と死。生成と消滅と再生の物語が、この宇宙の歴史である事にイマジネーションを得、地球上の生物に関する諸説をエピソードとして織り込んだ、幻想紙芝居。
トゥレップを先に観といて正解だったと思います。あまり深読みせずに映像世界に心地良く浸っていれば良いと思う。
画期的な映像表現をたたき売る二時間のアニメーション。良かった!
久石讓さんのピアノだったんですね。この世界観に合ってて素晴らしかった。
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7/2 追記
瑠花が宇宙を巡るシーンが、手塚治虫先生の「火の鳥」だった!
宇宙は私たちの身体の中にもあるのだと、鳳凰が主人公を体内から宇宙に案内するシーンを映像で再現!あれ、何編だった?押し入れから「火の鳥」引っ張り出さなきゃw
尚、地球上の生命の起源は「隕石によってもたらされた説」の理解は必須かと。ビッグバン後、膨張を続ける空間は無重力・無物質のラボ。そこで起きた素粒子・原子・量子のドラマは、私たちの知識も想像も到底及ばない世界の出来事。「空間」で生成された「生命の起源」は地球の半径よりも「遥かに小さな何か」と共に地球へ到達した。と言う説。
空は空間。生命の元になる物質が生まれたところ。海は地球上の生命をはぐくんだところ。その二つを時空を超えてつないだものの象徴が「隕石」。(時間は重力によって生じた空間の歪説が、あの海と琉花が空間を巡るシーンのバックにはあると思います)
原作は未読ですが、面白かった。むしろ原作を知らなくとも、私みたいな類の人間は、無茶苦茶ハマること間違い無しです。
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7/5追記
皆さんのレビューを見ていると「生殖」に言及される方が少なからず居られて戸惑っています。
ものすごくザックリと言うと、地球上の初期の生命は、活動に必要なエネルギーを自分で作っていたか、作らなくても生きて行ける代物でした。要するに単細胞から始まっている。ある日、他の個体を自分の体内に取り込んでエネルギーにしてしまうものが現れた。高エネルギーを得た個体は、活動的に動き回り他者を圧倒していきます。こうした「捕食」の始まりが、進化を爆発的に加速させたと考えられています。
地球の生命の歴史上、雌雄が発生したのは「最近」の事です。捕食の開始は、結果として、生き残りの為の選択性優勢遺伝を誘発しました。弱肉強食に勝つ為に有利な特性だけを遺伝して行く事が、雌雄を別体にする事で可能になるからです。雌雄別体は優勢遺伝の為の生存戦略、しかも最近始まった。また、いつ終わらないとも限りません。
隕石が雄体、海が雌体と想定することも可能ですが、生命の発生時には存在しなかった雌雄を暗喩的に取り上げるかなぁ、と思いました。
トゥレップの中でも触れられていません。
皆さんが「生殖の暗喩」ととらえられている箇所は「時空を越えた生命の旅」って感じじゃないかと思いました。言い方を変えると、地球の全生命をOne is all視点で見ると、「生殖」って小さい話。個体の生命そのものが、なんでも無いモノ、なのだから。
光るのは、見つけて欲しいからだよ
圧倒的に訴えかけてくる画の質感、スピード感、なにより生命感。女子中学生流花のひと夏の成長期。まるで、のび太が恐竜の子供と出会った時のような、一皮むけた夏。流花は、海と空に出会ったことで、人の痛みを知ったのだ。
流花と海、空が、相対的な存在でありながら実は一体であるように、人間とほかの生き物たちもそうであるように、満点の星空と光放つ海中(どちらも、曜変天目茶碗のような深くきらびやかな世界に見えた)がそうであるように、どこかで自己と他者は同調している気がした。
ラストカットの蟹が、ひざまずき、右手を胸の前に抱えて、流花に「ようこそ」と招き迎えているように見えたのは思い過ごしだろうか。
細胞が新しくなるような映画体験
まず、アニメーションの質がとんでもない。
序盤のルカが先生に呼び出されるっていう何気ないシーンの扇風機の質感と舞うホコリの表現に「すげー」って声がでた。
そのあとの、ルカががむしゃらに走るシーンでまた声がでた。
内容はものすごく根源的で、ほとんどアートアニメーション。
私が今まで観た映画の中で一番近いと思うのは2001年宇宙の旅(安易かな)。
私はいのちそのもので、宇宙の一部で、「私」と「それ以外」の輪郭なんて極めて曖昧だ。
観てる時はあっけにとられてたけど、観終わって映画館を出たら台風前みたいな不思議な天気で、映画の中と外だって曖昧だな、と感じた。
細胞があたらしくなるような、そんな映画体験だった。
でも根源的なものって資本社会とは相性悪いんで、ある程度心と身体に余裕がないとしんどいかも。観たあとすぐに働くのはつらそう。
近年稀に見る怪作
TOHOシネマズ錦糸町で朝一番の回で鑑賞。会場は満席、なんとか前から2列目の端を確保して見れました。
命の終わりから始まりまでを描いた生命感溢れるアニメーション描写は鳥肌が立つほど生々しく、唯一無二といって良い魅力を放っていました。
圧倒的なビジュアルは良質なアニメに見慣れた今の目で見ても鳥肌が立つほどのクオリティ。
イデオン発動編や2001年を思わせる観念描写は人を選ぶだろうが、間違いなく今見るべき一作でした。
この繊細かつダイナミックなビジュアルは、Blu-ray版を家で見たくらいでは分かり得ない。
スクリーンで見て初めてその情報量に圧倒されると思う。
描かれている事は、宇宙・海・命・死といった極めて普遍的なもの。
しかしそれらをセリフで語らず、映像表現で文字通り"体感"させられるから凄い!
巷に溢れたテンプレアニメとは対極、極上の劇場用オリジナルアニメをぜひ全身で体験してほしい。
映像美なれどそれ以上は無いか
広告の雰囲気に恥じない映像美はあります。水の作画表現などはとくに美しかったですし、古びた教室の床などただ光って綺麗だけでなくて本当に絵は良かったです。
しかし、画面の美しさ以外には疑問符が多く残る作品でした。大切な言葉で言わないと言っておきながら、説明くさいセリフがある。
何より致命的だと思うのが、江の島が舞台でありながら、江の島には全く見えないこと。そういう意味では、「君の名は」で見た新宿の絵作り。「この世界の片隅に」で見た昔の広島。
この世界観ならば、田舎の架空の水族館が舞台で良かったのではないだろうかと大きな疑問が残る。
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