海獣の子供のレビュー・感想・評価
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難海
『リトル・フォレスト』などで知られる五十嵐大介による数々の賞に輝く同名作コミックを、『鉄コン筋クリート』などで知られる気鋭のスタジオ“STUDIO4℃”がアニメ映画化。
監督は『ドラえもん』に多く携わった渡辺歩、音楽は久石譲、主題歌は原作ファンだという米津玄師…と、協力布陣。
声の出演も芦田愛菜(芦田先生上手過ぎです…)、森崎ウィン、稲垣吾郎、蒼井優、田中泯、富司純子…と、豪華。
才あるスタッフ/キャストが集い、確かに独創的で魅力ある作品なのだが…、賛否両論も分かる。
中学生の少女・琉花は夏休みの初日、部活でトラブルを起こしてしまう。相手が足を掛けてきた事に腹が立ち、肘で相手の顔をぶち、反撃。悪いのは全て琉花にあるとされ…。
心の底では悪いと思っているが、それを口に出して言う事が出来ない。
家では母親がビールを飲んでばかり。母親とコミュニケーションも取れず…。
家にも学校にも居場所が無い琉花は、今は別居している父親が働く水族館へ。小さい頃はよく水族館に通っていた。
そこで出会ったのは…。
その昔、オオカミに育てられた人間の子供の話は有名だが、こちらは驚き!
琉花が出会ったのは何と! ジュゴンに育てられた兄弟…!
これが漫画のフィクションで良かった…。(←当たり前だ!) それでなくともファンタジー!
(にしてもお父さん、「彼はね、ジュゴンに育てられたんだよ」って、フツーの顔して言うか、フツー!)
兄弟でも見た目も性格もまるで違う。
弟の海。黒髪、茶色の眼、浅黒い肌。性格はフレンドリー。
兄の空。金髪、碧眼、白い肌。性格はクール。
海とはすぐ仲良くなるが、空とは初対面が最悪。『耳をすませば』的に言えば、「ヤな奴ヤな奴ヤな奴ヤな奴!」。
が、次第に水族館で彼らと会う事が楽しみとなる。
水族館の船で沖に出たり、子供らしい遊びも。
夏真っ只中。青い海、青い空、白い雲…映像も美しい。
夏アニメは見ていて本当に気持ちいい。
(が、人物キャラは不気味で強烈インパクトキャラも…。特にあのバアサン。)
万人受けしそうなジュブナイル・ファンタジーかと思いきや、予想だにしない展開へ。
そもそも空と海は人間の子供なのか…? 何処から来たのか…?
一応検査などで人間の子供とされているが、時折水に浸からないとダメで、不思議な言動も。
海に“人魂”が落ち、魚たちが光を放ち、鯨が現れ、海の生き物たちが日本へ移動を始める不思議な現象…。
ある時、琉花は空から“隕石”を託され、そして空は…。
一体、何が起きようとしているのか…?
生命や自然界と、ヒト。
海、そして宇宙へ、壮大な展開。
神秘的でイマジネーション溢れる映像や世界観には圧倒される。
例えるなら、『魔法少女まどか☆マギカ』の最終話。
…しかしまあ、難解。『ペンギン・ハイウェイ』もなかなかだったが、テーマ性も含めこちらの方が難しいだろう。
宇宙やこの世界の全て、ヒト個人の不思議、関わり。
海の生き物たちは言葉を発しなくとも伝え合う事が出来るが、人は出来ない。人と人の繋がりは時として複雑だが、だからこそ尊いもの。
家族や学友、そして出会った忘れる事の出来ないひと夏の友達…。
この空や海のように、少女のひと夏の成長譚として、切なく暖かく終わるも、自分の中でも賛否両論。
一度だけでは受け止め切れない。何度か見なくては。
映像がめちゃくちゃ綺麗
2017年にフィリピンでジュゴンに会いました
ジュゴンは冗談抜きで人間と会話できることを身を持ってもって体験しました。名前をつけるとするならテレパシー通話というものでしょう。昔は人間と共存共栄、一緒に泳いでたそうです。
誰に育てられたとしても魂は宇宙から来ていてその時が来たら地球にある肉体は100%の確率で死に至ります。
魂は宇宙からまた然るべきところへ宿ります。
それらをジュゴンに育てられた子から表現するとするならばこの映画のようになるでしょう。
誰に育てられたとしても両親がいます。
環境を憂うのではなく、自身のすべきこと、ゲストに対して尽くしていくものなのです。
これを絶賛する人が偉いのか?
Don’t think, feel
感性でみる作品
いい意味で理解しきれない映画(原作未読)
まず見ていてきつかったところを言います。
声優さんです。
有名俳優を起用し、演技派で固めたのは良かったと思います。
が、やはりここは声優が本業ではない俳優さん。
淡々と演技するのが絵ともあってないし、口の動きとも合わせられない。違和感でした。
個々の俳優さん自体は好きなんですけどね…
この声優に関してで星を一つマイナスにしました。
しかし一言、映像美!素晴らしい!!
「祭り」にふさわしいとてつもない情報量、美術感、音響美
そして生命の尊さ、死生観、宗教観
2時間圧倒され続け、鳥肌が立ちまくりでした。
しかし、内容は理解しきれないまま。というか、思考が追いつかない。
この辺は原作を読みしっかり理解していきたいと思います。
まぁ、制作側も完全に理解できてるかどうかは謎ですがね。
たしかに、「考えるな。感じろ。」
初見の方にとってはこの一言で尽きると思います。
美術感的要素にステータスを振った作品でした。
「なんか凄かったな…」ってなる映画
歌や絵は最高だが
大きなものは大きな画面で〜
原作未読ですがまるで細密画が動いている感じ。
クジラやサメが緻密な線で描かれているのため
動いた時の怖さ、本物のザトウ鯨の水中動画の様な
あの怖さが十分伝わって来る。
予告編で観た圧倒的なクジラ描写!
とてつもなく大きいものが描かれている映画は
映画館で観ないと全く意味がない私理論。
それだけでもおすすめです。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
ライムスター宇多丸さんの評論やネットでのレビューを読んで
日本アニメのど真ん中(ジブリ、押田さん、新海さん)とは
違うところを知りたくて観て来ました。
クジラやサメだけでなく、主人公の日常生活の描写も
とても丁寧に書き込まれていて
彼女を取り巻く世界がしっかり伝わってくる。
難解だという意見もあるそうですが
宇多丸さんの評論や
ネットのレビューを読んでから観に行った私は、
地球の生命は宇宙からの隕石に含まれた物質によって
発生したのではないか?という学説がありますが
それを形にしたような、
海は全ての命の母
という様な話だと理解しました。
命の起源〜
命溢れるこの星が、もう奇跡〜〜
@もう一度観るなら?
「大きいものが描かれている映画は
映画館で観ないと全く意味がないよね」
わかりづらい、と誰か注意しようよ。
五十嵐大介ファン必見!!!
この作品の魅力は、生命と神秘の描写の素晴らしさです。
私は大学時代に五十嵐大介の「魔女」という作品を読んでから10年弱、その独特の筆致と、それがもたらす神秘や生命の息吹のすばらしい表現に夢中となっていました。
映画の中で描かれているクジラやウミガメ、ジュゴンなどには、実際に水族館で目にする以上に、存在感や生命力を感じました。漫画の筆致が限りなく再現されていることの効果でしょう。
また、神秘的なシーンも、色彩・音声が付いて、一層観客の根源的なところを揺さぶる(不安定にさせる)表現となっていました。
新海誠作品が世界や空気感の描写が素晴らしいと人気をさらっていますが、アニメーション・イラストレーションが表現できるものって、他にあると思います。
この作品からは、磯や土の匂いといった情報まで、映像から伝わってきました。こんな経験を、巷の映像作品からもっと得られれば良いのですが…
さて、この作品を観て、五十嵐作品のファンである私は、その作風の特長が最大限生かされていると感じ、大変満足しました。
ただ、この作品がTVで宣伝されていたほど、大衆受けする作品であったのかは、個人的に疑問ですが…
(五十嵐作品の知名度が上がったのは、ファンとして嬉しいです)
今後、五十嵐作品の映像化が進んでいくことを切に願います。
生きている不思議死んでゆく不思議
原作は知りませんタダ券もらったので観ました
終盤の意味不明映像ゾーンは2001年宇宙の旅の系譜だと思いました
要するに宇宙、地球、命、生と死、は不思議で神秘で意味不明で理解不能なものなので、それが分かりやすくなるよう、極端にいみわならない意味不明で不思議で神秘なものとして映像にしてるわけです
こういう映像に意味が分からない、難解だ、という感想を抱くのは大変ナンセンスです
原作はわかりませんけど この映画は言葉でとてもわかりやすく説明してくれており 難解という映画ではないと思いました
宇宙から隕石が落ちて、地球に生命が誕生した
プランクトンを魚が食べ、さらに大きな魚がそれを食べ、鳥がそれを食べ、哺乳類がそれを食べ、人間が食べ、人間が死に土に帰り、腐り、雨が降り、植物を育て、太陽が照り、光合成をし、海の水が蒸発し、雲を作り、また雨が降り、動物たちは命をつくり世代を継いで行く、地球の全ては巡り巡って同じもので構成されています
この地球にかつて存在していたもの、つまり宇宙にかつて存在していたものは全て、今の自分のどこかを構成している、つまり生きている限り、死んでしまった人もずっと一緒に生きていていつも繋がっていて何度でも会える
存在も不在も生も死もタナトスもエロスも他人と自分も全部結局は同じ、地球という大きな生命体の一つの細胞だ、ということだな〜と
最後、新しい命が産まれるシーンではなぜか対照的に「命を絶つ」音を感じる 生と死は表裏一体なのだということが印象的に描かれており、実際ハサミに力を込める描写は私は少し見てて痛かったです
正直そういう普遍的なテーマと主人公少女の成長話はうまく噛み合っておらず なぜ最後では足をひっかけてきた性格ブスを許そうという気になったのは分かりませんが 原作のある映画なのでまあいろいろはしょられたりしたんでしょう(と大目にみました)
ながながとしゃべりましたが原作しらんし途中眠くて寝たんでほんとうに断片的に観た感想です
一番の見せ場はやはりエンドロールではないですか?
米津玄師 特に好きじゃないけどマジ非凡だなと思いましたね
いくら映画に合わせてって頼まれても普通ここまでのヤバ曲つくれないでしょ 本編で泣くシーン一ミリもなかったけどサビで涙目になっちゃった
エンドロールの映像ももう少しがんばればよかったのに…
あと!芦田愛菜ちゃん 君は神に何物を与えられたのだ?!声優うまいよ!!
感性に訴えかける作品
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