海獣の子供のレビュー・感想・評価
全236件中、221~236件目を表示
STUDIO4℃という素晴らしいアニメーション映画制作集団を知った
夏休みを通じて成長する少女の物語というジュブナイル映画かなと思って観たのだが、それを遥かに上回るSFファンタジーでした。
海中で怪獣たちが主人公たちと泳ぐシーンの藍色をベースにした色彩の美しさに魅入られ、後半クライマックスに向かう場面では、アーティスティックな数々の映像に圧倒されました。又、怪獣に育てられた兄弟と主人公の少女との魅惑的な交流や破綻しかけていた家族の再生も丁寧に描かれており堪能しました。
個人的に盛り上がった後半の抽象的だが比類なき美しいシーンの数々は小さい子には難しいかな等と不遜な事を想っていたら、客電が灯った後前列の小学生がとても面白かったねとお母さんに興奮気味に喋っていた事に、驚きと喜びを感じて映画館を後にしました。年齢に関係なく素晴らしい画は美しいと感じるものなのだなあ。
圧巻のアニメーションには一見の価値あり。
原作未読、ネタバレなしの完全初見
全編通してクオリティ高い作画を維持していたのは流石の一言につきる
キャラクターの走る、泳ぐ、物を触るといった細かな動作や仕草などの派手なエフェクトよるごまかしのきかない難しいモーション作画の数々、後半の台詞なしで描かれる生物の発生と天地創造をモチーフとした長回しシーンは息を飲むほどであった。
加えて劇伴も作画、内容にとてもマッチしており映像作品としての本作は今年放映された他のアニメ作品の中でも上位に入る出来なのではと感じた。
ただ映像作品として上位でも脚本、演出、声優の演技などを加えたアニメーション作品として総合力はいまひとつという印象を受けた。
その難解なストーリーを2時間弱という限られた尺のなかで言葉で全て説明するのではなく場面ごとの演出やキャラの表情、声による演技で伝えようとしたことで更に難解さが際立ってしまったように感じた。
加えて場面展開のぶつ切り感、ストーリーの前後のわかりづらさ、主役3人の持つキャラクターとしての哲学、バックストーリーの説明不足がさらに拍車をかけてるように思う。
大衆向けでは無い
素晴らしすぎる
原作では?
考えるな!感じろ!by原作ファン
もともと五十嵐大介先生の作品群、及び遥か昔に読んだ当映画原作の「海獣の子供」のファンだったので、見終わった後に脳汁大量放出する気満々で映画館に赴いたのですが思った程感動しませんでした。それでも原作ファンの贔屓目から、やや甘めの点数をつけています。
【良かった点】
・ビジュアル
原作のボールペン絵柄が再現されつつ非常に繊細にキャラクターが動きます。雨や風に海の匂い、キャラクターの感じる恐怖や戸惑いをアニメーションで伝えようとするアニメーターの気迫が伝わってくるような映像美。イマジネーション豊かな五十嵐ワールドが、より強烈に右脳を刺激する美麗かつ壮大な動画になっていました。映像の持つ情報量の多さにはただただ圧倒されます。海洋生物の目力の強いこと強いこと。そして鯨のシーンは圧巻。
・エンディング
米津玄師の「海の幽霊」は最高。
【悪かった点】
・ストーリー
複雑かつ難解な物語が、映画の縮尺に合わせた省略によりさらに難解で抽象的になってました。映画だけみると壮大なセックスの話っぽく見えなくもないですが、原作はもっと文化人類学的な雰囲気漂う話です。
尺の関係とは言え、琉花の母親の秘密、ジムとアングラードの過去、海と空の幼少期などが省略されていたのは残念でした。異界としての海と、その異界に選ばれたある種シャーマン的な人間の苦悩、選ばれなかった人間の悲哀。ある言葉に対してその言葉が規定する意味ではなく言葉の音が持つ波長からイメージを感じるという感覚について。宇宙と生命やら、世界に散らばる神話と未観測の現象の関連性やら、あの世とこの世やらなんやら、哲学的で精神的な数々の問いを前半に提示し、後半の畳み掛けるような神話的な物語でもって解答しようとしたのが「海獣の子供」...だった気がするので原作読んでください。違ったらすみません。
・CG
CGが少し画面から浮いている時がありました。
【総評】
アミニズム・シャーマニズム的要素を多分に含んだ原作が、映画化にあたって少女の一夏の成長譚として再調整された作品...なんだと思うんですが、リアル少女はこの映画をみてどう感じるのか気になるところです。ただ、映画を見終わった後に、貴方と私も、人と宇宙も、宇宙と海も、海と子宮も、子宮とあの世も、本質的には同じなのかもしれないなあなんて事を考えたくなります。
ミステリーファンタジー、のち、哲学
理科の資料集
すごいものを見てしまった
今回はあえて原作を読まなかったが、なんかすごいものを見た気がする、海を通しての量子力学的宇宙論の一考察を見た感じだ。宇宙の誕生と生命の誕生言葉以外での意思の疎通、「火の鳥宇宙編」を書いた頃の手塚治虫だったら悔しがるだろうなあと思った。しかし宇宙論にしてはちょっとファンタジー気味だし、理解しようとするにはかなりのリテラシーが必要だが、映像だけでも十分楽しめるのでいいかな。アメリカ人が好きな家庭問題と友情も込められているのでひょっとしたらアカデミー賞いけるんじゃないだろうか。米津玄師のエンディングテーマは物語をよく理解しており素晴らしかった。新海誠も下手な新作映画発表するとひょっとしてこの映画に全てさらわれるんじゃないかな。
「命」を五感で感じる事の尊さを感じます
海のことをよく「母なる海」と言いますが、この作品はそれがよく感じとれます。
生命の源ということについても触れますし、その生命の源をたどると星の誕生の舞台となる宇宙にまで話が広がる物語です。
そういった生命についての私たちが考えなければならないと感じさせる事が多くあります。
「言葉にできないこと」というのは多くあると思いますが、言葉で言い表せないことは、私たち生き物がもつ「五感」で感じるんだということを改めて考えさせられました。
壮大な世界観を表現するにあたり、とても技術力の高いCG技術が使われており、臨場感があります。
江の島が舞台ということなので、見たことある景色が所々出てくるのも親近感がわきました。
背景美術もクオリティが高く、CGと共に作品をより良い方へ導いてくれていると感じました。
予備知識もなく鑑賞したため、まだまだ深く理解できていないところはありますので、また鑑賞したいです。
アニメーション
観客に伝える気があるのか分からなかった。
全236件中、221~236件目を表示