凪待ちのレビュー・感想・評価
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あれは自分
堕ちた人、堕ちかかった人、理不尽に傷つけられた人、理不尽に奪われた人…これらの経験がある方にはとてつもなく観ていてつらい映画だと思います。恋人に依存し甘え自堕落な主人公があることをキッカケにどんどん堕ちもがき苦しみます。あまりの堕ちように鑑賞中につらすぎて顔を覆って泣きました。あれは、あの姿はまかり間違えば自分かもしれないと思うほどにつらいものでした。それでも最後は救いをくれました。エンディングに流れる映像はしっかり目に焼き付けて明日のことを考えたくなる素晴らしい映画でした。主演の香取慎吾のファンですが、彼が俳優としてもあらためて有能であることを証明した映画であり、他キャストの皆さんの素晴らしさも知って頂きたいです。個人的には吉澤健さん、宮崎吐夢さんの演技に大拍手を贈りたいです。
ダメ人間を演じた香取慎吾が秀逸!
白石和彌監督×香取慎吾。
ギャンブル依存症のクソ野郎を香取が演じた。何度も立ち直るチャンスを与えられながら裏切り続けた。救われない陰鬱な展開が続いた。
震災で多くの人が亡くなった宮城県の石巻が舞台であり、そこで暮らす人々の忘れることのない悲しみも今作の悲劇を増幅させた。
そして絶望の果ての微かな再生の兆しに感動するラスト。「甘い」という批判もありそうだが、私は救われた。素晴らしい作品だと思う。
稲垣吾郎の「半世界」とともに邦画のベストテン入りを願う。
チラシのキャッチコピー以外は良かった
チラシのキャッチコピーは酷い。
誰がとか、なぜ?とか、「うーむ」そこじゃないよね。
でも映画は本当に良かった。
香取慎吾はハマり役だし、俳優陣は全般的に素晴らしい。
そしてエンドロール。
ずっしりと重くのしかかる「この事」。
でも、チラシのコピーはなぜ?
ジャニーズ圧なんだなー。
もっとニュースになる主役と監督。
めっちゃこっそり上演してますね。
香取慎吾さん熱演の白石ワールド。
人間そのものを描いた秀作です。
やはりまだ元SMAPの3人は
大きく打てないんだな。
そこも人間臭いなーって思って
映画館を出ました。
再生。& タイムリーな観賞で思ったこと
地上波で取り上げなかった良作。気づいて観賞できたのは、このアプリのお陰です。
再生の物語。震災からの、自堕落と不幸の連鎖からの。
主人公が堕ちていきまくる様子に、「彼は本当に1回死んで生き直せるのか!?」、はらはらしながら見守る映画。
このセリフが出てここで改心するのか!?と思いきや、さらに落とす演出に、見事にやられる。
香取さんの舌足らずな口調に、序盤こそ「SMAPの末っ子感抜けないな」と思ったが、これが逆にいいと途中で気づく。
主人公は、そんなヤツなのだ。
自分から暗い穴に墜落していく様も、身内にも他人にも甘える様も、あの口調だからこそしっくりきた。
犯人はズルバレしてる感有り有りだけど、犯人探しを楽しむ映画じゃないから、そんなに気にならなかった。
ただ、キャスティングが違えばどう感じたのかなー、とは思う。
ものすごく残念だったのは、外的要因…
小さいキャパのハコ、空席が目立つ館内、隣の隣の人が、前半の泣き所から後半の泣き所直前までずっと往復イビキをかいていたこと、、、、orz
平日午後とあり1人客が多いようだったので、起こすツレがいなかったのかもしれないけど、きっと周囲のみんなすごく残念だったと思うよ...
地味な映画には違いないけど、そんなに退屈だったのかなー... お仕事でお疲れだったのかもしれない。だけどだとしたら、出てってくれたほうがいい。
あと、、タイムリーに、「新しい地図の3人に、ジャニーズがTV出ないよう圧力?」という報道の直後の観賞。
小さい部屋での上映に、そんなこともあるのかな、と思いつつ観賞。
#ついでに少し触れると、当方、マスコミ関係で働いているけど、大手事務所が「辞めた@@を使わないでくれ」といちいち直接言ってくることは、あまり無いんじゃないかと思った。
事務所が変わると、太い営業パイプがあった状態からそうではなくなるということもあるし、もう慣習になってしまっていて、使うメディア側があえてキャスティングしなくなるということもある。さらに、
そういったタイミングに世に出たい、
チャンスを狙っている人が無数にいる世界でもあるし..
(つまり、替わりに輝く人が次々出てくる世界だから、移籍していくその人に固執する必要性も無いという現実もある。)
だからすごく難しい問題。
ただ、才能あるタレントさん・俳優さんたちには、移籍後にも活躍の場があって欲しい... そんな中で、香取さんはアイドルSMAPに居たあの頃にはきっとやれない・やらない役に、渾身の演技で挑まれた。
この映画が観れたこと、わたしは嬉しいです。
一方同時に思うことは、この映画のテーマは再生であるけど、香取慎吾という存在は、「一度も死んでない」ということ。
テーマがテーマだけに、退所したこととそれを重ねたくなるけれど、香取さんの積み上げてきたものは死んでおらず、全て延長線上にある。
引き続き、芸も歳も重ねていく香取さんを観たいです。
ダメ人間がリアルすぎて泣ける
主人公がリアルなダメ人間すぎるけどなにか色っぽくて魅力的。とことん堕ちて行く彼を引き留めたくて私自身も手を伸ばしそうになる。更正できたのかどうかはわからない、でも一筋の光は見えた。
白石監督の作品は怖いイメージでしたが、この作品で白石作品をもっと観たくなってしまった。
香取慎吾もリリーフランキーも素晴らしかった!また観たい!
溜息です
ギャンブルは人をダメにしますね。主人公は運にも見放されている感じがしました。悪い人ではないんだけど…。
白石監督の作品なので、期待してました。
さすがですね。
鑑賞後、浸りすぎて溜息ばかりでした。
口コミで…
口コミが良かったので鑑賞させて貰いました。
白石監督作品はついこないだ発表された麻雀放浪記以来。麻雀放浪記はコメディタッチの博打映画でしたので、凪待ちが全く変わったただの博打映画ではない事に驚愕しました。
監督のNetflixの火花が非常に好きで、どちらかというと切なさやどうしようもなさが似たような雰囲気が漂ってました。
しかし、この映画はそれを上回る映画。
演出、カメラワーク、俳優陣の演技、全てが◎。
主人公は香取さんではないとダメですね。
あの何とも体格とでも愛されさとダメな男感。カメレオン俳優ではないけれど、彼のドラマ未成年のデク、そういえばよかったなと思い出しました。23歳の慎吾ママが20数年経て郁男になる。これからが楽しみな俳優さんの一人になりました。
白石監督の代表作なってもおかしくない。
TVで取り上げられないのが勿体無いです。
また観に行きます。
「どうしようもない」ということ
ぼんやりと浮かんだ感想が「人間っておもしろいな」というものだったので、これは多分良い映画。自分に原因や責任があろうともなかろうとも、人生や世の中には「どうしようもない」ことがいくらでもあって、七転八倒を繰り返して本人にとっては本当に真っ暗闇としか思えない状況になったとしても、それでも人は再生できる「かもしれない」から凄いなと。被災地の今の風景を切り取る映画としても、印象に残った。
印象に残るのは俳優の香取慎吾さん
今まで香取慎吾さんの出演する映画は「こちかめ」や「西遊記」のイメージが強く、どちらかというとコメディ色の強い俳優だと思っていました。
しかし、今回は真逆で覇気がなく、自暴自棄になったダメ人間。簡単な役ではないはずでしたが、場面場面で見事に演じてました。
内容も終始飽きのない作りで、見応えがありました。
レビュー投稿者に感謝
私は昔から公開後に直ぐには劇場に向かわず、多少サイトのレビューを拝読してから足を運ぶのを決めるので、白石監督やサスペンスは苦手だったものの、ヒューマンドラマということで鑑賞。
映画の良質さは、一番は脚本、次に監督、そしてキャストの順番で出来が変わると聞いたことがある。
凪待ちは脚本は勿論、監督の演出力、誰一人として不要な人物がいないほどにキャスト皆の演技が素晴らしかった、三位一体の物語。
特に香取慎吾さんの未熟な男らしくも人間の弱さを表現した郁夫には参った。大男はたいてい優しいが、小心者が多いイメージ。だがそれだけではなくリアリズムの中に愛着を沸かせる声質と仕草、ギャンブル依存も抱え悩む姿を熱演。
我々を吸引するかのような展開と迫力のあるアクションは圧巻。
石巻で起こることの意味、彼の大震災とも呼べる負の連鎖は地震の本震から、強い余震が何度も続くように終わりのない恐怖をも感じ取れる。
そして観客を感情移入に誘うマジックがあちこちに。
最後の見たニュースで郁夫がニヤリと笑う意図も察し、切ない暴力へと突き進む、感情が溢れ出して私も泣いた。
あの場所に住まう人々の行く末がどうか復興とともに前に進みますように。
100本に1本の名作だと私は断言したい。
ひとは弱い生き物ですね
8月下旬のジメッとした暑さが終始まとわりつくような作品だった。
香取慎吾演じる主人公がどうしようもないほどのクズ野郎。でも、なぜか感情移入してしまう。
「この人はどこまで自分を許してくれるんだろう」と周りを試しているかのような人間性は誰にでもあって、そう言う形でしか繋がりを感じられない人もいるんだろうなと考えさせられる。
何を言っているのか自分でもよくわからんけど、平日のナイトショーで見たい映画だった。
闇からコチラをじっと見る
いやぁ、流石の白石節でございました。俳優面々も素晴らしかった。そして香取慎吾さん。彼の想像以上の演技が、どうしようもない男の物語を現実世界へ持ち上げる。
多少なりとも、こんな人達との接点があったりもしたので、「万引き家族」同様に、映画云々を越えて身に詰まされてしまった。「3-6の車券」あれが全てだったのだろう。劇場内に灯が戻るまでピクリとも動けなかった。
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