「あっという間にエンディングまで」凪待ち ポーさんの映画レビュー(感想・評価)
あっという間にエンディングまで
白石和彌=暴力という先入観を持って観たが心に沁みる良い映画だった。
まず主演の香取慎吾の泣き顔が圧巻!
お茶の間のアイドルという前振りが効いていて「これがあの慎吾ちゃん!?」というギャップにやられてどんどん引き込まれていく。
周りの芸達者な俳優さんの中にいても浮くことなく「ああ本当に泣いているな」と説得力があった。
終盤、大きな体を丸めて泣きじゃくる主人公の演出が良かった。
無力感が伝わって逆に小さく見える。
大袈裟に泣き叫ぶわけでなくシラけない。
恋人の父親役の吉澤健は土地の人では?と思えるほど溶け込んでいて助演男優賞にノミネートされて欲しいと思った。
エンドロールが始まっても席を立ってはいけない。
凪に見えても傷を内包しているんだというメッセージを受け取った。
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