劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのレビュー・感想・評価
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ただひたすらに美しい、純粋でまっすぐな愛の物語。
そしてこの映画で描かれる「愛」は、恋愛だけにかぎらず、友愛、家族愛、隣人愛、地元愛、…そんなすべての愛をひっくるめた意味での「愛」でした。
絵もアニメーションも音楽も話も、すべてが美しく、画面のすみずみにまで想いをこめられていることが伝わってくる、丁寧に描かれた作品でした。静かで優しい世界につつまれたい時、見るとよい映画ですね。登場人物の名前がみな、色とりどりの花が咲き乱れていて、これもまた綺麗です。
私は昨年あの悲しい事件のニュースを見るまで、京アニの名前すらも知りませんでした。
あの事件をきっかけに、TVシリーズ未見のまま初めて見たのが、昨年公開の映画。これも優しさにあふれた美しい物語でした。その後、TVシリーズで最も人気のあるらしい話を25分だけ見る機会があり。(幼い娘を残して病で死にゆく母が、毎年娘の誕生日に手紙が届くよう一生分の手紙を書くという話)
それだけの知識しかない状態で今作を見ましたが、それでも話のすじは追える映画になっていました。
もっとも、シリーズ全部を見た人なら、もっともっと深く感動できるのでしょうね。
登場人物それぞれの成長や変化も感じられますし。ほんの小さな感情の揺れも、たとえば時折、大切そうにふれるブローチやリボン、ささいな持ち物でも、その物にこめられた大切な想い出や誰かの記憶。初見の人にはわからないけれど、小さなしぐさにも何か感情がこめられていて、知っている人には、心に響くものがあるのでしょう。
手紙が風に飛ばされて、遠く遠くまではこばれてゆく映像、詩的で美しかったです。 現実的に、手紙が破けず地面に落ちずあんな遠くまで飛んで行くの…?なんて考えるのは野暮で、あの映像は「手紙ははこばれ、いつか誰かに想いが届けられる。人が思うよりもずっとはるか遠くまで。」ということを象徴的に表現しているのでしょう。なんとなく、昔みた映画『フォレスト・ガンプ 一期一会』(かなりヒットした洋画)のプロローグ、風にのって白い羽が舞うシーンを思い出しました。これは1人の人生をみつめ、過去から現在までの長い時間を描いた映画でした。
手紙は誰かにむけて差し出され、想いを届けるもの。時には、過去から未来まで時をも越えて、知らない誰かのもとに届き、それが新たな出会いとなって、人はつながり人生はめぐりめぐってつながっていくのでしょう。生まれ育った場所や、今生きる場所の違う人々同士も、離れ離れになった人々や、本来なら知り合うこともなかった人々同士さえも、手紙はつなげてしまうのです。そんなことを感じました。 デイジーは、ひいおばあちゃんからおばあちゃんへの古い手紙を通して、2人の人生にふれ、さらに、本来なら出会うはずもなかった人々と出会うことになります。
のちに郵便局が博物館となった時、見守っていた、かつてここに勤めていたと言うおばあさんは誰なのか、私にはわかりませんが、TVシリーズからずっと見てきた人にはわかるのかな。
島の小さな郵便局のおじさん、にっこりしてGoodのしぐさを見せた時。もしかして彼は、あの少年ユリスの、小さな弟だったシオンなのでは、と思いました。あのしぐさ。幼くして兄と別れ、一緒にすごす時間はあまり無かったかもしれないけれど。あれは兄のよくやるくせのようなしぐさだったかもしれない。幼い弟はそれをまねしたりして楽しい記憶が残っていたのかも、なんて、想像にすぎませんが。
さして目立つこともなく物語の中ですれちがうだけのささやかな登場場面しかない人物たち同士も、こうしてまた新たな出会いが生まれることによって、人生はつながり、いつしか物語はつながってゆくのでしょう。
もちろん、現実的に考えたら、ちょっと気になる演出はあります💦
そんなに雨が強いのに、ドア越しに小さな声が聞こえるわけない…
その年頃の子供達集団って、もっときかんぼうで騒ぎまくるよ(笑)…
登場人物の名前からするとドイツっぽく 景色はパリのエッフェル塔付近っぽく な国だけど、ブーゲンビリアって沖縄など熱帯地域に咲く花だよね、そんな気候なの?
こぼれた真珠のような涙、どんなにふかふかの絨毯の上でも、ずぶぬれの大人2人が入って来たら絨毯もぬれてて、あんなに撥水効果なく 涙の粒は染み込んでいくのでは…?
崖のそばで風が強いのに、かごの中の手紙よく飛ばされないな、ハラハラしたよ…
この時代の花火って白っぽい色ばかりなのは合ってると思う。けどそんなに多種で豪華な花火を連続で打ち上げる技術あったのかな…?
そのドレスで海を泳ぐなんて溺れてしまうよ無理だよ…
指切りの風習って、日本には昔からあったけれど、当時の西洋にもあったの?
など(^_^;)
でもそんなことはどうでもいい、って吹き飛んでしまうくらい、純粋で素敵な映画でしたよ。
枝に結ばれた赤いリボン、何かのしるし?おまじない? 古い映画『幸せの黄色いリボン』、(見たことなくうろ覚えのききかじりですが)戦争か何かに行って犯罪者か何かになってしまった帰らぬ恋人を、ずっと待ち続けているしるしとして、彼が帰ってくる願いをこめて、彼女が家の樹の枝に黄色いリボンを結んでいるんでしたっけ?関係ない?? あの赤いリボン、ヴァイオレットはいつ枝に結んだの?何のために?何十年もずっと色あせず、紫外線や風雨にさらされてもぼろぼろに破れず、そのままなの??? 何か意味がこめられてそうな場面なんだけどな。
ああそれにしても、ヴァイオレットは、出会う人がみな「まあ素敵、本当にお人形さんみたいね!」とみとれてしまうほどの美しい少女なのに、愛する人との再会の時には、ぼろぼろの姿で泣き崩れて。いちばんきれいな姿を見せたいはずの人の前では、いちばんぶざまなひどい姿と表情になってしまい(笑)何ひとつ飾ることなく、ありのままの不器用な感情をぶつけて。真摯で純粋なぶざまさが、なんだかとても可愛らしく、ほほえましささえ感じました。
すべての仕事を終えて郵便局を辞め、島の愛する人のもとへと向かうヴァイオレットの歩く足音が、時計の音とかさなってきこえた時。時を刻む音の響きはまるで、「時はみじかし。命はなおみじかし。思うままに生きよ」と言っているように感じました。(時計仕掛けの心臓の音も連想してしまいますが、機械化は彼女の腕だけなので無関係ですよね)何度も印象的に映る、あの「道」の景色、「道」はまた彼女の歩いていゆく人生そのものをも表しているのでしょう。
最後の指切り、二人は何を約束したのでしょうか。(もしかしたらこれも、シリーズ通して見てきた人ならわかるのかな?) ヴァイオレットが上着を脱ぎ、全身白い服になった姿を見るのは初めて。もしかして、白いドレス…つまり結婚の約束、永遠の愛を誓う指切り。ベッドの上で、それはこれからいつか生まれる新しい命の誕生を暗示しているのでしょう。やっとめぐり会えた二人に幸あれ。そしてすべての人々に優しい物語がつづいていきますように。そんな気持ちになれる映画でした。
そんな過去があったのね
守られる側と守りたい側。
お互い好きだからこそ考え方が違ってて
でも想いあってる分だけ2人とも熱量たっぷり。
人の気持ちは複雑ですわ。
病気の子供の真の想いはよく分かるのに
少佐程の大人の考えはまだ経験不足だったのね。
会ってくれない少佐へドア越しにヴァイオレットが言った言葉で気になる一言が「気持ち悪いですか?」と。
あんなに一生懸命可愛がって育ててくれたんだから
気持ち悪いはずないよ〜(´•̥ω•̥`)泣
メールよりずっと前の話·····
電話の良さも伝えつつ
手紙の有難みも沁みました。。
昔話にしている所が切なさを増してて良かった
何よりハッピーエンドで本当に良かった(o´ω`o)
京アニ最高です!
これからも素敵なイラストとストーリーを期待してお待ちします(◍´꒳`)b
あいしてるが予測を超えた
まずはこの作品が公開された事を心から讃えたいと思います。
死の淵にある少年のエピソードが不要という意見もありましたが、やや弱いエピソードながら、ヴァイオレットとギルベルト少佐の物語と呼応したエピソードで、私は不可欠なものと感じました。
少年はその心に反して、友人に会いたくない、と言い、少佐もヴァイオレットに会いたくないと言います。だが、少年は死の間際で、友人と(いずれ自動手記人形の仕事を奪うであろう)電話で会話を交わし、心を伝えます。結局会えなかったが、二人の絆は変わらなかったのです。
(電話とドア越しの違いはあるものの)「(少佐の)声だけでも聞けて良かった」とヴァイオレットが島を去るシーンを見て、私は、少年のエピソードから、心はつながっている二人だが、こちらもあえて会わずに、二人を引き裂いた「戦争」というものの傷痕は簡単には消えないものだ、という余韻を残す、苦い終わり方を、予測していました。
しかし、ヴァイオレットとギルベルトの「あいしてる」気持ちが、その連想を打ち破ったという所でしょうか。二人が抱き合うシーンは感動しました。ぜひご覧になって下さい。
気持ちを言葉に表し、紡がれる言葉を手紙にして相手に伝えること。それがどんなに大事なことかを教えてくれる一人の少女の物語です。
京都アニメーションの作品です。
あの事件から1年とちょっと。
新たな作品をみられることがこんなにも嬉しく
感じるものなのだなと実感しました。 しみじみ。
復帰作というのを抜きにしても
この作品はとても素晴らしい出来映えです。
「どの場面が」 ということでは無く
「最初から最後まで」 としか言えません。
ここまで感情を揺さぶられ、
共感できるお話になっているとは思いませんでした。
2時間を超える長さなのに
冗長に思える場面が一切感じられなかったのもすごいこと。
そして
少佐の生死を含め、「ラスト」までしっかり描ききってくれました。
私的には、納得・満足のエンディングです。
◇
京都アニメーションの実力 というか底力を
みさせていただきました。
制作に関わられた全ての方に
感謝と敬意を表します。
◇
観ようか迷っている方
⇒ ぜひご鑑賞ください。
TVシリーズ未視聴の方
⇒ 先に見ておいた方がよいです。 絶対に。
TVシリーズを復習してから、もう一度観てみようと思っています
◇余談です
ヴァイオレットちゃん
義手が重そうなのに泳げるんですね。
お手入れしっかりしないと錆びそう…
ヴァイオレットちゃん・その2
冗談が言えるようになったんだ としみじみ
(義手で人を殴らないようにしましょう)
残念なこと…
(※作品の内容に関してではありません)
入場者特典 ⇒ 配布完了してました しくしく
パンフレット ⇒ 完売してました しくしく
再入荷予定 ⇒ 未定との事です ぐっすん
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
---- 2020.10.08追記 -----
2回目を鑑賞してきました。
ギルベルト少佐の消息を知る手掛りとなったのが
「宛先不明で戻ってきた手紙」
なのですが、
1回目の鑑賞時、どうしてそれが手掛りになったのかが
分からなくて
すごくモヤモヤしてました。
あれは
島の少女に頼まれて、ギルベルト少佐が代筆したもの
ということだったのですね。
(前回鑑賞時には気付きませんでした)
ということは
「筆跡」 が少佐のもので
それに社長が気付いた--
…ということなのでしょうか。
※あれ。 少佐は左手で書いたハズですよね。
少佐は左利きなのでしょうか…
利き手とは違う手で文字を書いても
同じような筆跡になるものなのでしょうか はて
…
まあいいか …汗
えへへ な事
(※作品の内容に関してではありません)
入場者特典 ⇒ 2回目の配布してました えへ
パンフレット ⇒ 入荷してました 購入~ えへへ
お値段 ⇒ ちょっとお高めだけどOK えへへへ 能天気~♪
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
少佐とヴァイオレットちゃん
9割方ずっと泣いてました。アニメの総集編かなぁって思って観にいったらアンの孫が出てきたり完全に新しい話で驚きました。
アンへの50通?の手紙を初っ端からかまして来られて泣きます。と思ったら少佐が生きてる疑惑でビックリ。
観てる皆知ってたのかってくらい反応なかったんですけど、私はビックリしました。
個人的には少年の家族への手紙エピソードも良いけど、少佐とヴァイオレットをもっと掘り下げて欲しかったです。
少佐が「ヴァイオレットに会いたくない!!」ってゴネてるとことか、それまでの少佐の葛藤が描かれてないから「私のこと好き?」って試すめんどくさい女みたいに感じました。
真っ直ぐで純粋に少佐を追いかけるヴァイオレットちゃん大好きです。美しさにずっと息を飲んでました。
あと、アンの孫が博物館になってる郵便局にきた時のお婆ちゃんは誰だったんでしょうか、、勝手に泣いてたんですけど気になります。
本当好きな作品です。京都アニメーションの方々、この作品を公開してくれた皆様、ありがとうございます。
相応しいラスト
アニメでも感動して泣かなかった回はなかったから
映画なんてどんだけ泣かされるんだとドキドキ
して行きました。予想通り始まって五分でウルウル…
もどかしい物語で、こんなに頑張る女の子には
ぜひ報われて欲しいと願ってましたが、
過度な報われ方もしないあたりヴァイオレット・エヴァーガーデンらしくて、とても素敵なラストだと感じました。
アンちゃんの孫が出てきたのも良かった。
海に走って飛び込むヴァイオレット、素敵可愛い…
久しぶりに評価5をつけました。
こんな素敵で深いお話がもっと増えればいいな。
そして、京都アニメーションの凄さをまた感じました。
絵が、本当に繊細で、色彩の使い方が京都アニメーションらしさが出てて、風景の絵だけで泣けるなんてなかなか無いので毎回京都アニメーションには驚かされます。
あと、私が見た回はエンドロールが終わるまで、明かりが着くまで誰も客席を離れず、話もせずしっかりエンドロールを見てる方ばかりでした。結構席数のあるスクリーンだったので驚きました。
そこでもヴァイオレット・エヴァーガーデンと、作った京都アニメーションがとても愛されてることを感じました。
境界の彼方でも監督には泣かされたんですが、ヴァイオレット・エヴァーガーデンはそれを超えてきました。
私の中でこの先も名作です。
素敵な物語に出会わせてくれてありがとうございました。
京都アニメーションはやはり素晴らしい
本作はテレビアニメの完全な続きとして製作されています。(昨年公開された物は番外編としての1エピソード作品でした。)その後のヴァイオレットと会社の仲間達、そして一番気になるギルベルト少佐のその後が描かれています。
鑑賞後の感想はあれだけ凄惨な事件を経験された後に本作を完成させ、公開してくれた京都アニメーションに深い感謝を覚えました。これだけの作品を製作出来るアニメスタジオは、世界を探しても京都アニメーション以外無いと思います。それほど作画の凄さには驚嘆します。
鑑賞し始めて最初気になったのは、本作はシネマスコープサイズで製作されていることです。当然ですがテレビアニメ版はビスタサイズですので、その部分が気になって仕方ありませんでした。でもしばらくしてその疑問が解けてきました。本作はビスタサイズからはみ出した部分を奥行きの表現に使っているのです。それはとても効果的で作画の緻密さと相まって2Dアニメにも関わらず、まるで実写の映像を見ているような気になります。
この桁外れとも思える画面の素晴らしさに反して、ストーリーや構成について少し疑問符が付きます。まず本作は数十年後の世界のテレビアニメ10話の物語に登場したアンという少女が年老えて亡くなった場面から始まります。そして孫娘が祖母に宛てて母親から毎年1通計50通もの手紙が届いたことを知ります。その手紙を書いた人は誰なのか? その相手が主人公であることが分かり、自動式書記人形と呼ばれたヴァイオレットのことを調べる旅に出るという構成になってます。
こういう構成は映画には非常に多く(最近では永遠の0や古くは市民ケーンなどの作品が当て嵌まります)でもこの構成の作品で重要なのは現在と過去を繋ぐ語り部としての役割です。語り部の存在を意識させる為には、何度も現在に戻って来る必要があるのですが、本作はそれは途中に一回程度しかありません。従って語り部の存在は非常に小さく、構成として成り立っていません。つまりこの構成自体が破綻しているのです。
それと本作の最も重要と思われるギルベルト少佐が生きているという設定ですが、彼の生存に関する返信された手紙というのが余り重要な要素として描かれていません。この辺りは何故手紙が返信されているのか、何故その手紙が彼の生存と結びつくのかをもっと丁寧に描く必要があったと思います。
更に本作の中で時間を多く割いて描いている死の淵にいる少年のエピソードですが、あれはテレビアニメの10話の物語と被るだけでなく、本筋の話から外れているので省くべきであったと思います。このシーンで多くの観客の方が涙していたので反対される方も多いと思いますが、私ならバッサリ切ります。本作のレビューで詰め込みすぎという意見が散見されますが、このエピソードを落とせばかなり物語はスッキリしたでしょう。
本作の本筋はヴァイオレットとギルベルト少佐との再会なのですから、その筋に不必要な場面は切り捨てて、本筋に関連した物に絞るべきなのです。だから語り部は必要なく、それ以外のエピソードも必要ないのです。
そして肝心の本筋ですが、二人の再会に向けてのお膳立てが非常に弱く、再会出来た時の感動が薄まっています。私であればギルベルトの生存の確認には社長だけ向かわせ、そこでギルベルトが何故生存を隠していたのか、何故ヴァイオレットに会えないのか、それを説明するシーンを入れるでしょう。
私の考えた後半の物語は社長から弟の生存を知ったギルベルトの兄がヴァイオレットを連れて島を訪れ、再会のお膳立てをします。そうすることによりヴァイオレットを非情な武器としか見ていなかったギルベルトの兄が彼女を人間として初めて認めるという感動的な場面が作れたのではないかと思います。
島でのシーンは船が到着してから出航までに時間の制限を設けます。これは恋愛物では定番で、制限された時間があることで観客はハラハラします。その僅かな時間でヴァイオレットはギルベルトと再会し、彼女を武器として扱ってきた罪悪感で苦しんでいることを知ります。人の感情が分かるようになっているヴァイオレットは、ギルベルトの前から去ることが彼の為になると思い、一人去っていきます。
兄はヴァイオレットがこの数年間どんな想いで過ごしていたかをギルベルトに告げます。母親の月命日にも欠かさず花を手向けていたことを知らされて、ギルベルトは初めて彼女を一人の女性として愛していたことに気付き、彼女の後を追います。
船は出航してしまい桟橋を離れていきます。ギルベルトはヴァイオレットの名を呼び、それに呼応した彼女は躊躇なく海へ飛び込みます。(この辺りも旅情や昼下がりの情事のような恋愛物の定番シーンのパクリです)しかし浮力の無い義手がヴァイオレットを水底へ沈めていきます。彼女を救ったのはギルベルトでした。必死に陸へ上がった二人は抱き合い、互いに「愛している」の言葉を交わし接吻するところで場面は終わります。そしてエンドタイトルが流れます。
エンドタイトルの後は数年後会社の人達やギルベルトの兄が皆で島を訪ねます。島では平穏な生活の中で、ギルベルトは教師をしており、大人になったヴァイオレットは赤ん坊を抱き、母親になっています。赤ちゃんの手には子供の頃のギルベルトが使っていた玩具が握られています。
そしてテレビアニメも含め作品中で一度も笑わなかったヴァイオレットが、赤ちゃんに笑顔で優しく微笑んでいるところで映画は終わります。
私は物書きなので映画などでストーリーが腑に落ちないと、それならどうすれば良かったのか考えて、気に入った物語に改変するまで熟考してしまいます。まあこれは私の悪癖なのでどうしようもありません。
私の感想は本作を全然誉めたことになっていないじゃないか、と言われそうですが、本作は公開されたことに意義があり、余り細かなことに拘る物ではないと思います。今後の京都アニメーションにとって再出発の第一弾としては実に素晴らしい作品です。
私は本作を鑑賞して京都アニメーションは日本の至宝といえる存在という思いを益々強くしました。
待ってました!
外伝から1年。
満を持しての登場です。
開始直後に50年分の手紙の話はずるいですよ〜!
少佐は死んでいると周りは言うけれど、忘れ去ることは出来ないヴァイオレットの葛藤にどう落とし所をつけるかで、選んだ選択は個人的には好みのルートではなかったですが、それでも胸が熱くならないはずがなかった。
感情を知るためのドールとしての仕事で、関わる人々の複雑な気持ちから練り上げられるストーリーは泣かずにはいられないものだ。
一方で、我々からするとやはりどこか異質であるヴァイオレットの話は泣けはしないものの、我々に思考を与えるものだった。
だからこそ、ドールとしてのクライアントの話は無理して入れるべきだったのかと思ってしまった(もちろん自分が制作ではないので、無理したかは分からないが)。
前半で悩み悩んでつぶれそうであったのに、中盤で「はい、少佐生きてました」からの流れは少し違和感があった。
関わる感情が全く変わってしまうからだ。
ただ、言わなければいけないのは、それでも素晴らしいのがこの作品であり、繰り返し見ていく中で解釈とともに風景にまで目が向けられ、より深い味わいとなるのではないかと思っている。
「大切なことは、声にならない」
よかったねぇえ!
心が綺麗になりました。
平和で便利な世の中だとわすれてしまう
大切な人に気持ちを伝えること
科学革命中にある時代の戦時戦後だからこそ生じる
技術の進歩があるからこそ
変わらない人の心の機微がはっきり浮き彫りになる
(電話と手紙、どっちもいい側面があっていい)
無感動っぽく見えるヴァイオレットちゃんだからこそ
周りの人間ドラマがはっきり浮き彫りになる
いわば引き立てる役周りのドールヴァイオレットが
今回は自分の気持ちを伝える主役になるのも
またなんともいえない感動
色んな人の、色んな意味の
「あいしてる」
その言葉は、声にならなくても
しっかり伝わっていた。何回泣いたことか
社長おおおお
大佐ああ
ゆりすううう
ヴァイオレットちゃああん、、!!!
明日からも生きる力をもらいました。
不倫女の挿入歌で涙ひいた
作品自体は良かったです。
ユリスくんの死という嗚咽がでてしまいそうになるくらい切ないシーンを超え
ヴァイオレットと少佐のクライマックスで
あの聞き覚えのある歌声が流れた瞬間
感動すら「無」になりました。
なんで金払って不倫女の歌声を無理やり聞かされなきゃいかないの。
しかも相変わらずキンキンした声と音量で、作品より自己主張つよくて、辛かった。
リピートはなしです。
下調べしなかった私も悪かったけど、大切な作品に関わって欲しくなかった
星5つのところ彼女がいるため減点します。
良かった
フィナーレを飾るにふさわしい作品だったと思う。切なくそして感動した。ラストのヴァイオレットとギルベルト少佐のその後シーンが一つくらい欲しかったと思う。原作も読んでみたくなった
自分史上最高傑作
素晴らしいの一言に尽きる一作でした。知人に勧められアニメから好きになりましたが、映画でもっと好きになりました。主人公をヴァイオレットだけではなく、未来の女の子も登場したのがとても良かったです。作中で3回も泣いてしまいました。でもラストシーンは映画館全体が涙をすする音でいっぱいでした。
自分史上最高傑作であり、一生忘れない一作です。不幸な事件があったのに、無事映画館で見ることができ京都アニメさんに感謝の気持ちでいっぱいです。素晴らしい作品をありがとうございました。
期待よりは少し残念
ヴァイオレットちゃんのための映画であり、エンターテイメントとしては微妙でした。尺も長いので見るのが辛い感じです。
浅瀬で向き合いいい感じの間合いが取れていたので、義手で正拳突きしたりするのかな?と思ってたけど、痴話喧嘩にはならず静かに終わりましたね…w
切なく美しい
1月からの悲しい延期で既に秋となり
ましたが、公開の日を迎える事が出来
素直に嬉しいです
ヴァイオレットの美しさ愛らしさを
再び堪能させてもらえました
シーンを盛り上げるBGMが劇場
だと音量が大きすぎて興ざめする
恐れがありますので、後方の座席
に陣取るのがいいかもです(あくま
で個人的な感想です)
本作品全体をくるむエピソードの関係
から、TVシリーズ第10話を先に視聴
していると冒頭から泣く事が出来ます
(まず間違いなく皆視聴済かとは思い
ますが)
今回も当然ながら展開のキーアイテム
は手紙です
依頼者のエピソードの方は普通に
わかる展開ですが、ヴァイオレットの
エピソードに関して中盤~終盤の流れ
は一連的なものとして理解しますが、
シナリオがちょっと思っていたのと
異なる印象ではありました
本作で一番わかりやすく共感できた
のは個人的にはクラウディア社長でした
後日談的なエピソードをあまり語りすぎ
ないのがこの作品の雰囲気のいいところ
かとは思いつつ、まだ見せてほしい部分は
多々あるものの・・・ヴァイオレットの
物語にひとつの区切りがついたので
読後感としては上々です
作品レビューと直接は関係ないですが
実は外伝(永遠と自動手記人形)を
まだ観ておらず、本作品と順番が逆に
なってしまいますがブルーレイ帰りに
買いました
これは、手紙が「時間」そして「人」をも超えて想いを届ける物語。
座席が50%ということもあり、レイトショーでありながら満席。
映画館を出たときには目を泣き腫らしていた。
これ程全編を通して泣いたのは同じく京都アニメーションのTVアニメKanon10話(真琴√)以来だ。
映画.comの評価は0.5刻みなので5.0としたが、実のところ迷わずに点数を付けられる作品という訳ではなかった。
4.8点。
正しく続編である本作は、ヴァイオレットの物語としての軸はある意味「起と承」がTVアニメ版の中に存在する。いくら飾り立てようとTVアニメ版を見ていないと物語として成立していない。
間は短くしすぎると視聴者の感情がのらないが、長すぎると集中が切れがちになるが、随所で間が長すぎる箇所があったと感じた。
それが0.2点の減点内容であり、それを遥かに上回るだけの巧みさが本作にはあった。
非常に丁寧に描かいた演出や、音響など触れるべきところは多くあることは承知しているが、他を差し置いても脚本について触れたい。
これほど本作がシリーズのラストを締めくくるにこれ程相応しいもの足り得たのは、情報伝達手段としての「手紙」というテーマを正しく昇華したからに他ならないと思う。
ユリスの物語を軸に「手紙」は「電話」の出現によって需要が減っている様が描かれる。ユリスが危篤の中、アイリスの機転によって「手紙」では時間という壁の前に想いを届けることができなかったのを、「電話」という手段によって叶えることができた。また、終盤ではヴァイオレットとギルベルトを祝すと同時に、電波塔の完成を祝う形で花火が上がる。
これらは「電話」が「手紙」に取って代わるだけの価値を秘めていることと、現実の歴史でもそうだったように、この世界でも即時性のある「電話」が「手紙」に取って代わる宿命にあることを示している。
実際に、デイジーの時間軸では配達は衰退し、国営事業となっている。
しかし、そんな中でもデイジーは両親に想いを伝える手段として「手紙」を選択する。
ヴァイオレットが書き、アンに届いた母親からの手紙を見て決めた訳ではなく、ヴァイオレットの足跡を辿った末の結論として。
それは、感情が理解できなかったヴァイオレットが生涯に渡って「手紙」が持つ想いを伝える力を伝えてきた結果であり、何人もの手を渡るからこそ時代をも超える「手紙」が誇る、他の伝達手段に勝る強みである。
だからこその「デイジー」の存在であり、「人口の少ない島でありながら一番手紙を書く」というラストなのだろうと思う。
これほど、続編であり完結編という形に相応しい物はあるだろうか。
デイジーの物語はTV10話(アンの回)がなければ描くことができなかったし、これを劇場の物語の中に収めることはできないだろう。
続編だからこそできた飛び道具であり、アンの話の時点では予定していなかったであろうデイジーの話でシリーズとしての締めに相応しい形で締めくくる。まさに天才の所業ではないか。
万雷の喝采を贈りたい。
間違いなく一番!
今の時代にふさわしいテーマを訴えかけてくる素晴らしい作品でした。後半からは嗚咽が止まりません。ヴァイオレットは言います。「人間は本当の気持ちを言えないで、反対のことを言ったり、強がったりする。相手に言葉で伝えないと判らないことがある」と。その本当の気持ちを伝えるために手紙がある。確かに手紙の言霊が、相手の心を揺さぶり、行動に駆り立てるのである。少佐が走り出した時のそうでした。そして、ヴァイオレットが恋焦がれていた少佐に会えた時の言葉。「しあわせです」はシンプルだけどあのシーンに一番ふさわしいと思います。さらに、きっとこの映画は一番身近にいる大切な人に「あいしている」と伝えてくださいと教えているような気がしました。
設定は架空の世界ですが、何の違和感もなく溶け込めたのは京アニの凄さでしょう。しかも間のとり方が絶妙でじんじん心に響きます。
あの喜びが爆発した時の花火の美しさ。きっと京アニの亡くなった魂たちが、ヴァイオレットを祝っているような気がしてまた涙が。
ヴァイオレットは素直で強く、ネガティブに見えて、おどけるような面もあり。増々惚れてしまいそう。
いずれにしても、ヴァイオレットの人生の軌跡を追いかける女性、早逝する少年、ヴァイオレットの少佐への愛という三つのストーリーは、全く違う色の世界のようですが、最後にはまるで一つの世界に合体するかのように、見事に重なり合います。今年一番の秀逸な作品です。
心洗われる素敵な作品です。
関係者の方にお悔やみ申し上げます。作品が完成し完結したことに深く感謝申し上げます。
終始ハンカチなしでは見てられず、エンドロールが終わって心が洗われるような気持ちでいっぱいになりました。
作画、ストーリーやキャラの心情は素晴らしいの一言では言い表せない傑作だと思います。
義手が超技術でSFっぽいけど・・・ただ残念なのは・・・どんなに優れた戦士でも強靭なオリンピック選手でもドレスを着て海を泳ぐなんてできないし、汽船の音はうるさいのに岸からの声が聞こえたりしないし、過剰な演出がどうしてもしっくりこなくて、☆1こになりました。
泣きましたよ。
感想ですが、始終お涙頂戴のエピソードでまんまと泣かされてしまいました。内容の部分では他の方が仰っている通りなので省かせていただかます。やるな京アニ。なので切り口話変えてレビューしてみたいと思います。
私はアニメと小説の両方を見ています。ギルベルトは小説版では男らしさがあり、最後もすっきりと終わりましたが、映画では痛々しくて…もしかしたら違和感を覚えた方もいるかもしれません。なので☆4です。
ただ、話の根幹にある部分はいつも変わらなく、また違った形で2人の愛を感じられた作品でした。
バカヤロウはさておき、再開のシーンはアニメであることも忘れ、ただただバイオレットちゃん頑張れ!よかったねバイオレットちゃん!と親心のような気持ちで心の中で叫んでいました。よかったねバイオレット。
鑑賞中にふと昨年の事件が頭の中をよぎり、ギルベルトの感情の変化を通して関係者の方々の気持ちも同時に流れ込んできたような感覚にもなりました。
アニメ本編、原作小説、メタともに含めて、見る人の心に訴えかけ、過去に残る作品になったことは間違いありません。
電話は電話で、手紙は手紙でどっちもいい。原作は原作で、アニメはアニメでどっちもいい…
想像を遙かに上回る素晴らしい作品でした。
自分は原作がとても好きで、特に、ヴァイオレット、ホッチンズ、ヴェネディクト、カトレアのCH創設メンバーとラックスの5人の関係がとても好きでした。
先日完結した、原作最後のエピソードでも5人とギルベルトの関係が鍵になってました。
なので、テレビシリーズでCHメンバーの関係が微妙に変更されたのは少し残念に思いました。ヴァイオレットはCHの新人となり、そのためヴェネディクトやカトレアとの関係は原作と変わってしまいました。また、原作屈指のキャラクターであるラックスは居なくなり、代わりにアイリスとエリカという別のキャラクターが追加された為、ラックス関連のエピソードは全て無くなってしまい、そこも残念でした。
が、京アニ版ヴァイオレット・エヴァーガーデンは徐々に原作とは違う輝きを発揮し始めます。
それでも、テレビシリーズと外伝は設定こそ違うまでも原作エピソードを踏襲したものでした、がこの劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンは原作には全くない、完全オリジナルストーリーでした。
そうなってしまった理由は原作とアニメでギルベルトの扱いが違うためなのですが、これこそがアニメ版で本当に描きたかったものだと思います。
原作ではギルベルトの生死は早々に示唆され、ヴァイオレットとも割と早い段階で再会したにもかかわらず、2人の関係はなかなか進展せず、それを通じてホッチンズやヴェネディクトの葛藤や会社の未来が示唆される形で締めくくられましたが、この劇場版は完全オリジナルであるにも関わらずその辺りの原作のエッセンスもしっかりと描かれてたと思います。然も申し分ない無い形で。まさか未来の視点まで入ってくるとは思いませんでしたが素晴らしかったです。原作で丁寧に丁寧に描かれたホッチンズの心情が花火を見上げ、その感想を語ろうと不動産振り返るとそこにいつも居た人は居ない…というあの1シーンに集約されていたと思います。見事です。
一番懸念していた、ギルベルトとどうやって出会うのかというところ、こちらもまさかの展開で見事でした。
また、アイリスが「忌々しい機械」と苦々しく見つめる電話を少年の想いを遂げる為に使うところも見事でした。
単に電話を悪者にして手紙を持ち上げるような陳腐な事はせず、電話も手紙もどちらも別の素晴らしさがあること、それでも時代の流れには逆らえないこと、それすら否定的ではなく最後にはやっぱり手紙の素晴らしさを改めてつたえる構成、見事と言うしかありません。
エンドロールも含め、終始涙が止まりませんでした。
原作は今でも大好きですが、劇場版含めたアニメシリーズも同じく大好きになりました。
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