「ヴァイオレットちゃんをひたすらageるだけの映画」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン みみみさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴァイオレットちゃんをひたすらageるだけの映画
少佐がキモいことと設定の矛盾については既にたくさんの方々が書かれているので割愛します。
個人的な感想としては、とにかく主人公ヴァイオレットを称賛するためだけに作られた映画だな、と。
登場人物すべてがいかにヴァイオレットが美しくて優秀で素晴らしい人物なのかを描写するための駒でしかないように感じました。郵便社の社長も同僚も病気の少年も市長も島の住民たちも、ヴァイオレットに会う人みーんな彼女を気に入り、讃えることしかしません。彼女に否定的な態度を取る人は一人もいません。(少佐のあれは、あんなもん拒絶じゃなくて甘えなので除く)
そもそもキャラデザからしてヴァイオレットを引き立てるためだけに設定されてますよね。金髪碧眼でヒラヒラの素敵な衣装を纏ったヴァイオレットと比べて、他の女性キャラはみんな地味な外見。エリカなんてひどすぎます、何ですかあの髪型とメガネと服装…。不人気キャラにしたくてわざとああしたようにしか見えません。
とにかく誰もヴァイオレットより美しいキャラ、魅力的なキャラにならないように意図的に描写されているように見えます。
そしてみんな口を開けばヴァイオレットヴァイオレット…。みんな他に考えることないの?趣味とかないの?
社長に至っては休日に彼女が出かけたというだけでどこに行ったんだろうって心配する始末。そんなん勝手にさせたれよ…プライベートだろ。
アンの孫のデイジーちゃんも、亡くなったおばあちゃんが大おばあちゃんからもらった手紙を大切にしてたエピソードを聞いて、それで一足飛びに「その手紙を代筆した人物そのもの」に興味を抱くっておかしくないか?ふつう大おばあちゃんたちがどんな気持ちを手紙に託し、受け取っていたのかが気になるんじゃないか?代理で書いた赤の他人なんてどーでもよくないか?
百歩譲って今はもう失われたドールという職業に興味が湧くならまだしも、逐一その足取りを追うほど手紙代筆業の一個人の生涯が気になるか?
その時点でもうストーリーが頭に入ってこなかった。
そんなかんじですべてがヴァイオレットのすごさを語るための舞台装置でしかないので、他のキャラに人間味を一切感じられない。共感もできない。よって感動もない。
で、紆余曲折あったものの、ヴァイオレットちゃんはいろんな人からの協力を受けて結局ぜーんぶうまくいって、最後は大切な人と結ばれ、移住先の島の住民にも歓迎され、彼女の偉大な功績はのちに記念切手の肖像化されるほどになりました♪おしまい♪
アニメ版のお姫様回とかはかなり好きだったんですけどね。残念。